コラム

お通じのおはなし

毎朝の快適なスタートは、1日の充実、満足にもつながります!

そして、スッキリとした「お通じ」で気分も晴れやか。

ところが、男性で10人に1人、女性では10人に4人が 便秘で悩んでいるという調査も。

このページをご覧のあなた。
毎朝のお通じは快適でしょうか?
便秘をすると、悪玉菌が繁殖し、腸内のたんぱく質や脂肪を腐敗させます。

便が溜まる事によって

「下腹ぽっこりと痛み」「おならの臭いがきつい」「頭痛や肩こり」「口臭、肌のトラブル」「イライラ、不眠」など

自覚する嫌な事もさることながら、長期にわたると腸管自体に悪い影響を与え、大腸がんをはじめとする生活習慣病が心配になります。

ここでは、「便秘」についてのおはなしを掲載しています。

便秘とは?

Aさん 「毎朝、お通じはあるけど、スッキリしないのよね」
Bさん 「3日に1回くらいだけど、スッキリしてるよ」

さて、この二人、どちらが便秘なのでしょう?

通常、食べ物は、食後30時間から120時間で便となって排泄されます。
「毎日、快便!」は、理想ですが、2〜3日に一回でもスッキリとした残便感のない お通じがあれば、便秘とは言いません。

言い換えれば、「スッキリとした爽快感のある排便」ができていない人は、 便秘であると言えるでしょう。

便の状態をチェックしてみましょう

私たちの体は、60兆の細胞からつくられていて、古いものから順番に新しい細胞に生まれ変わっています。活発な新陳代謝を助けるためにも、正常な排便であることが大切です。

便の色や固さ、臭いなどからも健康状態を知ることが出来るので、ここでチェックしてみましょう。

便意はこうして起こる

便秘の種類をチェック

便秘の種類を自己診断するのは、わかりにくいかもしれませんが、 腸管のけいれんからくる便秘や、病気が原因の便秘などは適切な治療が必要です。 あなたの便秘の種類をチェックしてみましょう。

急性便秘
一過性単純便秘…食事や環境の変化や一時的なストレスが原因
症候性便秘(急性便秘)…腸捻転や腸閉塞など、病気が原因

慢性便秘

なぜ便秘になるのか?

2.朝、お腹への刺激が足らない。がまんしすぎ
「朝食は、面倒だから」「疲れが抜けきらず食欲が無いから」「ギリギリまで寝ていて、時間が無い」などの理由で朝食を抜いていませんか?

朝食を抜くと「胃・大腸反射」が機能せず、便意が起こりにくくなります。

また、せっかく便意が起こっても「子どもの支度の世話、お弁当や送り出し」、「おしゃれに時間がかかり過ぎる」など、朝が慌しいとトイレに行くタイミングを逃してしまう事も。

こんな状態が続くと、自律神経の働きが鈍くなり「慢性便秘」になってしまいます

3.ストレス、運動不足
ストレス社会の中で、あなたは、
「与えられたチャンスを責任者として成功させたい」
「目標への到達度がいつも気になる」
「休みの日でも、運動する気にならないほど疲れている」など、

大きなストレスや運動不足を感じていませんか?

最近増えてきているのが「過敏性腸症候群(けいれん性)」。

胃や腸の働きは、自律神経がコントロールしています。
ストレスなどによって、自律神経のバランスが乱れると、体を緊張させる交感神経が強く働いて、腸を過敏にさせます。

それが原因で、便秘や、腸の粘膜が排泄されるほどの下痢になったりします。
あるいは「便秘」と「下痢」を繰り返す人も多いんです。

また、運動不足や腹筋力不足での便秘もあります。
腹筋力が低下すると便をうまく押し出せないようになるのです。

そして、女性は生理前に分泌される「黄体ホルモン」が腸のぜんどう運動を抑制する働きがあるので、そのためにも運動は必要です。

便秘のタイプにあった食生活

弛緩性便秘
腸に刺激が必要 → 冷たい水、香辛料
便のカサを増す → 食物繊維(不溶性、水溶性とも)
食事のリズムを整える → 3度の食事をしっかりと

直腸性便秘
腸に刺激が必要 → 冷たい水、香辛料
便のカサを増す → 食物繊維(不溶性、水溶性とも)
食事のリズムを整える → 3度の食事をしっかりと

けいれん性便秘
腸を刺激しない → 消化の良いもの
便のカサを増す → 水溶性食物繊維、不溶性は控えめに。柔らかくする。

食物繊維の水溶性と不溶性

食物繊維は『ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体』と定義されています。なんだか難しい表現ですね(笑)。

以前は、カラダの構成成分にもエネルギー源にもならないため、役に立たない食べ物のカスと考えられていましたが、最近では、新たな栄養素として重要視されています。

ご存知のとおり、食物繊維には動物性と植物性があります。
便秘に必要なのは植物性食物繊維。

その植物から得る繊維に水に溶ける「水溶性」と溶けない「不溶性」があります。

朝の刺激を大切に

欧米人に多い大腸がんは、排便量に比例!?

1972年、イギリスの外科医デニス・バーキット博士は、色々な国の人の排便量を調べて興味深い報告をしています。

例えば、アフリカはウガンダの農村でのこと。村人たちの排便量を調べると、一日最高980グラム、最低178グラムで平均は470グラムでした。

一方、イギリス人とその妻は最高223グラムで最低はたった39グラム。
平均で104グラム、じつに、ウガンダの農民の4分の1しか無かったのです。

また、食べたものが便になるまでの時間はウガンダの農民は平均36時間なのに対し、イギリス人は83時間で2.4倍もかかっていました。

食物繊維を多く摂っているアフリカ人と、都会に住み欧米風の食事を摂っているイギリス人の便の比較

博士は、この調査を進める中で、大腸がんの発生率を比較してみました。
すると、がん発生率は欧米人が高く、日本人やアジア・アフリカ人は低いことがわかりました。
このことから、便の量が少ない人ほど大腸ガンにかかりやすいのではないかと考えたのです。

その後、多くの調査が行われました。
結果、大腸がん発生率の高い欧米人は食物繊維の摂取量が少なく、脂肪摂取が多いこと、逆に発生率の低い地域は食物繊維をたくさん食べていて、脂肪摂取が少ないことがわかりました。

また、長期の便秘は結腸ガンになる傾向が見られています。これは発がん物質が腸に長く停滞しているかどうかの違いではないかと考えられるようになったのです。
※余談ですが、太平洋戦争中のこと。
ある島の日本兵の数を知るために侵入したアメリカ兵は、大便の量から人数を判断しようと、日本軍のトイレを探りました。ところが、そのアメリカ兵は実際の敵兵人数の3倍もの数を報告してしまったというのです。

なんと! 日本人の大便の量は欧米人の3倍だったそうです。

当時、日本人は食物繊維をたくさん摂っていたんですね。

食の欧米化で、便秘から大腸がんに

便秘は、私たちの体に色々な不快を招きますが、「いぼ痔」といわれる内痔核も便秘やいきみすぎで起こってしまいます。

また、便秘と深い病気で恐ろしいのは「大腸がん」です。
便秘によって腸内に悪玉菌が多く発生します。
そこに向けて、肉類中心の便の中は、悪玉菌が喜ぶ脂肪分がたくさん。
便秘中の便が腐敗し、有害物質が増える一方です。

そのことで腸の粘膜に長い間、有害物質が触れることになり、がんを発生させると考えられています。

平成13年人口動態統計確定数より がん部位別死亡順位

肉類中心の食生活によって腸内の有害物質を招き、大腸がんが年々、増加しています。

そして、男性よりも女性の方が圧倒的に多いのが気になります。
このことからも、女性が起こしやすい便秘が深く関係していると考えられています。

伝統の日本食を見直そう