1986年8月以来、バージャー病(四肢の末梢血管に閉塞をきたす特定疾患で手足の指先が血行不良となり冷たく、
しびれて、痛みが激しい症状でビュルガー病とも呼ばれる)を持病として抱えてきました。
漢方薬と鍼治療のおかげで1988年には歩行困難などの深刻な病状を脱しましたが、なかなか完治には至りませんでした。
1997年、紹介された整体院の先生に相談したところ、ビワ葉温圧療法が良いのではないかとのことで
全身に念入りに施術してもらいました。3ヶ月ほど継続して施術を受けたところ、気持ちが良いばかりでなく
日常生活にも支障がなくなり、その即効性・確実性には驚愕いたしました。
ビワ葉温圧療法は、ビワの葉を患部やツボに当て、その上に棒モグサを燃やし、押し当てて温灸するものです。
そのころ、知り合いの奥様が不調になり、背中などに激しい痛みを持ち、困っていると相談を受けました。他人事とは思われず、早速ビワ葉温圧療法を紹介したところ、「痛みが減り、気持ちがよく楽になる」と大変喜ばれました。
ところが、病状が進行し入院する事が多くなると、モグサを燃やす為、ニオイや煙が出るビワ葉温圧療法は病室では出来なくなり、ツライと報告がありました。
モグサのお灸は、これまでも煙が出る・ニオイが強い・火の粉や灰が飛び散る・火傷や火災の危険がある・手間と時間がかかる・一人では施術が難しい・・・などの弱点も多く指摘されています。
そこで安心して病室でも使用できる、快適なビワ葉温圧器を探しましたが、どれも一長一短で気に入る物が手に入りませんでした。
品質管理の専門家でもある私は、「それならば自分で開発しよう!ビワ葉温圧療法の良いところを損なわずに、指摘される弱点を克服できる"電気式"ビワ葉温灸器を作りたい」と考えました。
安心して病室でもどこでも使用できる、簡単・手軽で・安全に・良く効く、ビワ葉温灸器を開発する事を目標に、医療機器メーカーと5年間を費やして共同開発を行いました。
改正薬事法のもと、新規の医療機器で認証を得ることは至難の事柄でした。デザイン・素材・ヒーターなどを検討し、数々の施策をつくるなど、開発には様々な困難を経験しました。
最も難しかったのは、ビワ葉温圧療法の温熱効果感覚の再現でした。
体験された事のある方のみが感じている "じわ~と効いてきて、熱!と思った後に患部より離すと、ズーンと深部まで暖まる" 独特の温熱感を、本当に電気の機器で再現できるのか、当初は大きな不安でした。
しかし、ハマ電工株式会社という医療機器製造の良きパートナーにも恵まれ、また培ってきた品質管理の経験から、完全に再現できる仕様をまとめることができました。
ねらいは、快適なビワ葉温灸器の開発でした。しかし、開発過程の中で、ビワの生葉を使用しなくても、お灸が出来る温灸器の構造に進化をしていきました。
その結果、黄帝灸は2007年12月28日に医療機器認証番号:219AKBZX00251000号で認証を受ける事ができました。
黄帝灸は、安全構造と温熱制御技術の向上により、素肌に直接当てても洋服の上からでも、手軽に安心して使用できるようになっております。これはお灸としては非常に画期的な事で、服をきたまま人前でお灸を楽しめることとなったのです。
従来の弱点であった煙やニオイの問題を解決しているばかりでなく、いつでもどこでも、テレビを見ながら自分でお灸ができる、狙いを超えた電気温灸器が誕生しました。
温灸器の名前は、中国古代の帝王で、現存する中国最古の医学書を著した中国医学の始祖である「黄帝(こうてい)」から取りました。黄帝が生きていれば、必ず愛用されているであろう温灸器でありたいと願い命名しております。(商標登録証 第5172124号登録済)
既に愛用者の皆さまからも「本当に手軽で簡単。」「痛みが楽になった!」「祖父母にもう1台欲しい」と喜んでご使用いただいている様子を聞くたびに、ねらいを超えた電気温灸器が実現できた喜びを日々、開発者としてかみ締めております。
その後、2007年5月に胃がんが見つかり同年7月に胃の80%を切除しました。
この10年間、現代医学の恩恵とともに黄帝灸ナノプラチナでお腹を温めることで予後も安定し、
現在は転移の心配もないという診断で安心して毎日元気に過ごしております。
持病を通じて健康の大切さ、元気に生活できることの素晴らしさと日々の健康管理の大切さを感じています。
特にビワ葉温灸でお腹を温めて全身の血行を良くして体調を整えて毎日健康に過ごせることに感謝しています。
肩こりや膝痛、体の冷えなどからくる健康の不安を抱える方はもちろん、日常のリラックス機器として
電気温灸器黄帝灸ナノプラチナが皆様のお役に立てることを願っております。
(2017年5月)