designer高野恭子

     「カシコ」のデザイナー高野恭子さんに、
     どんな風に女性のための椅子をデザインしたのか、お話を伺いました。


 研究結果のモデル試作に座った瞬間、「これはっ!!」 と、とっても感動したので、これをしっかり形にして世の 中の女性を楽にしなくては!と思いました。
マトリックス
 まず始めに、女性が好きなもの!の形を分析することから始めました。バッグ、靴、化粧品の瓶、食器等々、雑誌の切り抜きを実際に大きなマトリックスに貼り付けて女性が好むスタイルを分類したり、私たち女性が考える「女性のイメージワード」を抽出してそれらのワードをマトリックスに当てはめたりして、私たちが目指すべきオフィスのイメージ・女性の椅子のイメージ作りの参考にしました。
 そのマトリックスの中で女性の椅子のイメージゾーンを決めていったのですが「この部分!」という所を決定する時は、見事チーム全体の意見がまとまっていておもしろかったですね。  そこが今のカシコのスタイリングの基礎になっていると思います。
カシコ スケッチカシコ イメージ
 ちなみに、現在のオフィスのイメージ、現存するオフィスチェアのイメージもマトリックス表示してみたのですが、まったく女性のゾーンと重ならないんですよ!従来のオフィスチェアは、基本的に「直線」や「幾何学形状」で構成されているものが多いですし、オフィスの景色も未だにそうですよね。ちょっと無機質、というか。機能性を求めた結果なのでしょうが、やっぱり丸みを持つ女性の身体のイメージとはかけ離れています。
 実際のデザイン作業で目指したものは“自分一人でするデザイン”ではなく、“チームみんなの=世の中の女性みんなの、望む形”です。なるべく独りよがりにならないよう、常に周りのみんなの意見を参考にしながら仕事を進めました。
 イメージ抽出のとき、「女性が理想とする女性のイメージワード」では、ダントツで“しなやか”と言う言葉が出て来ていましたので、角角したものではなく、あくまで女性の身体のラインやしなやかさをイメージして線を引きました。やはり男性と違って柔らかくてきれいなラインを持っているはずですから、女性は。結果的に私の大好きなアールヌーボー様式も影響したのか、多分に有機的な形状になりました。


 当初は「女だからってピンクで丸い、って言うのは絶対ないよね!」と力強く男性陣に主張していたのに、結局最終的には曲線のイメージでピンクもあり、になってしまい、チームみんなで笑い合いました。時間の流れっていろいろ変えるものなんですね(笑)
 結果的に、『こうであって欲しい』というラインを追求したら、全体的に統一された雰囲気のデザインが仕上がった、と言う感じで、やっているこちらもびっくりでした。きっと女性の身体が求めているものって、意外と単純できれいなものだったのかも知れませんね。
 あんまり気負わず、肩肘張ったデザインに執着しなかったのが、全体の調和もとれて良かったのかも知れません。

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2006年12月 12月22日発行、「日本経済新聞全国版朝刊」にてカシコチェアが掲載されました。
2007年1月 1月16日放送、「FM大阪」の番組内にてカシコチェアが取り上げられました。
2007年1月 1月19日、「シティリビング大阪・神戸版」にてカシコチェアが取り上げられました。
2007年1月 1月22日〜28日、「東京メトロ各線」にてカシコチェアが紹介されました。
2007年2月 2月16日放送、「日経産業新聞」にてカシコチェアが取り上げられました。