職場の上司や同僚の昇進や栄転のお祝いは、正式な辞令が出てから計画します。
一般的には部署単位で行われ、幹事が中心になってお祝いの席を設けますが、
人事異動に伴う微妙な人間関係なども考慮し、あまり大げさな祝宴にならないようにします。
ただし、栄転による転勤の場合は、送別会も兼ね、
所属部署の全員が集まり、花束や記念品、餞別を贈るということもあります。
仲人を依頼したり、個人的にお世話になったりした上司などには、
職場の外で時間外にお祝いを渡すようにします。
また、特に親しくしていた同僚などなら、職場とは別に席を設けます。
転勤となる栄転祝いの歓送会は、できるだけグループ全員に声をかけます。
限られた人だけで秘密のうちに会を設けたりするのも、
後々トラブルの原因になり、人間関係を損なうもとになります。
できるだけ慣例を尊重し、オープンな形で明るくというのか心得です。
また年功序列や終身雇用の形態なども大きくくずれてきている現在、
これまでの習慣とは違った対応が要求されます。
職場の人間関係や力関係というものはむずかしい面があり、
同期でも昇進や栄転ができない人、後輩に追い越されてさびしい思いをしている人などもいるので、
周囲の人の誤解や反感を受けないよう配慮しましょう。
お祝いの品は、皆で贈るのが一般的です。
本人の年齢や役職、趣味などを考えて選びますが、希望を尋ねて贈る方法もあります。
一般的に、ステーショナリーグッズ、装身具、趣味の品などにすることが多いようです。
また、職場の慣例を無視して、個人的にお祝いを贈ると、抜け駆けと見なされたりすることがありますので、
同僚や上司の昇進は、部や課の有志が参加者を募り、プレゼントするのも良いでしょう。
その場合、お祝いの品は「有志一同」の名で贈ります。
― 部下や後輩に対するお祝いの品例
ハンカチやネクタイなどの身のまわり品や、
ボールペンや万年筆など仕事に使える実用品、
またウイスキーやワインなどの酒類、
個人の趣味を知っていればそれに沿ったもの(ゴルフ関連など)などがいいでしょう。
― 上司や同僚に対するお祝いの品例
部下や後輩よりも高価なものになります。
日本酒やワイン、ブランデーなどの祝い酒や、
高級ネクタイや万年筆、また女性であればスカーフやストールなどもいいでしょう。
個人の好みに沿った嗜好品を知っていれば、その高級な品を選んでも喜ばれるでしょう。
熨斗・・・熨斗付き水引は紅白の蝶結び。
▼表書き
▼予算の目安
※栄転で引っ越しをともなう場合は、荷物になる品は避けます。
また、海外への転勤の場合は、国内の場合よりも、餞別・お祝いの金額は多めになるのが普通です。
付き合いにもよりますが、10,000円〜20,000円が目安になります。
有志からのお祝いには、直接お礼の言葉を述べるなどをして、お返しをする必要はありません。
とくに個人的にお世話になっている人には、着任報告とともに、転勤先から礼状を出します。
落ち着いてから、近況報告に添えてその土地の名産品を送るとよいでしょう。
贈り物に一筆添えて感謝の気持ちを表すとよいでしょう。
▼添え状のポイント
― 添え状 文例
拝啓 陽春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
○○さん、このたびは大阪東京へのご栄転、本当におめでとうございます。
○○さんの日頃の実績が認められてのご栄転ですから、営業部一同としてもこれほど嬉しいことはありません。
○○さんのご栄転は私にとってもたいへん嬉しいことであり、これからの仕事の励みにもなります。
人一倍明るく仕事熱心な○○さんのことですから、
東京でもきっと大きな成果をあげられることと思いますが、どうかお体だけは大切になさってください。
○○さんの新天地でのご活躍をお祈りして、
心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
まずは書中にて、心からお祝い申し上げます。
敬具
※流れは[1]昇進栄転を祝い言葉→[2]これまでお世話になったお礼→[3]今後に対する期待
・相手の活躍を祈る言葉など→[4]贈り物について→[5]結びの言葉―がスムーズです。