退職を希望する際、突然退職届けを出したり、他の人がいる前で「辞めます」などと切り出すのはいけません。
まず直属の上司に「折り入ってお話があるのですが」と時間を設けて貰いましょう。
会議室などの別室で、退職希望の旨を伝えましょう。
退職願は、退職を希望する際に会社に提出する文書です。
企業などの勤務先を何らかの事情で退職する場合、退職したい旨を文書にして申し出ます。
提出する先は、直属の上司です。
会社と社員の雇用関係は労働契約なので、退職届(届は一方的に提出するもの)ではなく、退職願とします。
退職理由は、どのような理由であっても「一身上の都合」とだけ書きます。
退職届は、退職するという意思を表示したものです。退職しますという意味合いになり、撤回することはしません。
また、辞表は役員など、役職に就いている人が辞める際に使うもので、
正社員として働いている場合、ほとんど使うことはないでしょう。
お返しは基本的に不要です。退職後一段落して、近況報告を兼ねた礼状を出しましょう。
会社や職場の同僚を中心に感謝の言葉を述べましょう。
寂しさばかりでなく、第二の人生への希望を感じさせる言葉で締めくくり、明るくスピーチしよう。
また中堅以上の社員の退職は、社の内外に影響が大きいので、迷惑をかける方面への配慮も忘れずに。
― スピーチ例
このたびの○○さんの定年退職にあたり、ひと言ご挨拶を申し上げます。
先はどから過分な言葉をいただき、恐縮するばかりです。
また、私のために部署を超えたメンバーが集まってくださり、感謝の言葉もございません。
団塊世代のまっただ中に生まれたため、幼いころより競争ばかりしていたような気がいたします。
入社しましてからも競争相手には事欠かなかったのですが、
五十歳を過ぎたあたりから同世代の仲間が一人減り二人減り、寂しい思いをしておりました。
しかし今日、こうして皆様からはなむけの言葉やきれいな花束をいただき、
なんと幸せな会社人生であったのかと感動を新たにしております。
今のご時世に、新人として入った会社で定年を迎える、これだけで十分に人からうらやまれることだと思います。
しばらくは何もしない生活を昧わってじっくりと進路を決め、新しい人生にチャレンジしてまいります。
みなさん、長い間本当にありがとうございました。ますますのご活躍をお祈りしております。
▼通知のポイント
たとえどんなトラブルがあったとしても辞めた理由は、「円満退社」とします。
今後のつながりを持たせるひと言を添えます。
― 転職・退職の通知例
謹啓
新涼の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
さて、このたび、私こと、○○株式会社を円満退社し、○月○日付けにて株式会社△△△社に入社いたしました。
○○株式会社在職中には、大変お世話になりました。これまでのご芳情に心より感謝申し上げます。
ごれから、まったく新しい分野へ挑戦することとなりますが、
初心に戻り、努力する覚悟でおります。引き続き何卒ご指導ご支援を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
取り急ぎ、書中にてご挨拶申し上げます。
敬具
※流れは[1]転職・退職のお知らせ→[2]これまでのお礼→[3]今後の抱負→[4]結びの言葉―がスムーズです。