カビ「トリコスポロン」で肺炎の危険が!エアコンはこまめに掃除しよう

トリコスポロンとは?

トリコスポロンって何?

聞き慣れない「トリコスポロン」という名前ですが、これは家の中に発生するカビの一種です。他の多くのカビと同様に高温多湿を好み、腐った木や古い畳などによく発生することが知られています。

日本の古い住宅、特にリフォームやメンテナンスの行われていない古民家にはよく生息しているとされています。こうした古民家では、柱や梁、畳が腐っていることがありますが、このような場所に生息しやすいのがトリコスポロンです。

ただ、トリコスポロンは新しい家でも発生します。キッチンや風呂場、洗面所、畳の部屋などにカビが生えていると、トリコスポロンもいる可能性が高いです。エアコンのフィルターも発生しやすい場所です。

トリコスポロンで肺炎のおそれ

トリコスポロンは、「夏型過敏性肺炎」という肺炎の原因となります。高温多湿な西日本に多く見られる症状で、家の中に長くいる専業主婦の発症数が高くなっています。

トリコスポロンの胞子は最少で3ミクロンほどと、とても小さく軽いため、飛散しやすいのが特徴です。

エアコンや扇風機の風によって、家中に散っていきます。容易に肺の奥=肺胞まで吸い込まれるので、肺炎を引き起こしやすいわけです。

この夏型過敏性肺炎になると、発熱・せき・息切れ・呼吸困難などといった症状を発症します。

せきが出るので自宅でゆっくり寝ていても、原因となるトリコスポロン自体が自宅の空気中に浮遊しているために、なかなか治らないのが特徴です。

かえって入院や外出をすると症状が軽減されたりします。

たった一つの根本的な対策

ステロイド薬の投与で治療することもあるのですが、根本的な対策としては何と言っても「掃除」です。トリコスポロンを排除しなければいけません。

水回りはもちろん、特に畳やエアコンのフィルターは念入りに汚れを取り除きましょう。また、換気をよくして、家の中に湿気がこもらないようにすることも大切です。

古い家の場合は、畳や柱、梁などが腐っているとトリコスポロンはなかなか排除できません。リフォームや畳の交換、さらには引っ越しなどを実施すると、症状は劇的に好転する可能性が高いです。