Vol.21
☆★☆ 体組成計の正しい活用方法 ☆★☆
こんにちは。
コラムを担当させて頂いている、コンディショニングルームHANAの瀬川と申します。
今月もお読み頂きありがとうございます。
5月の連休はいかが過ごされましたか?
ステイホームで体重が増加した、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
また近年は体重だけでなく、体脂肪量や筋肉量などの測定ができる体組成機能付きの体重計も一般的になったので、体脂肪量が気になる…という方もいらっしゃるかもしれません。
体重計とスマホアプリが連携できるなど、数値管理もしやすく便利になりましたよね。
しかし、あり得ない測定数値やバラつきなど、数値に振り回される事もあるのではないでしょうか?
今回は健康管理や体調管理、ダイエットの目安にできる、体組成計の活用方法についてお伝えしたいと思います。
◇◆◇ 体脂肪とは ◇◆◇
そもそも体脂肪とは、摂取した栄養素の余剰エネルギーが脂肪細胞に蓄積されたものです。
様々な形で体内に存在しますが、内臓の周りに蓄えられた脂肪を内臓脂肪、皮膚の下に蓄えられた脂肪を皮下脂肪と呼び、合わせて体脂肪と呼んでいます。
体脂肪は多すぎると生活習慣病につながり、少なすぎるとホルモンの分泌にも悪影響を与えます。
その為、健康のためにこの体脂肪の量をコントロールする必要があります。
体重に占める脂肪の量を体脂肪量〇〇kgで表され、体重に占める率で表されるのが体脂肪率となり〇〇%と表されます。
(体脂肪量)と(体脂肪率)は意味の異なる数字ですので、混同してしまわないように気を付けて下さい。
体脂肪率は成人女性は30%、成人男性は25%を超えると体脂肪量増加といわれています。
◇◆◇ 体組成計の仕組みと測定タイミング ◇◆◇
さて、これら体脂肪を測定する方法はキャリパー法やインピーダンス法などがあります。
一般家庭やスポーツクラブなどでは、インピーダンス法による測定が一般的ですので、それ以外については後述します。
インピーダンス法は測定機能の付いた体重計などで利用されています。
体組成計と呼ばれるものもあります。
実は、体重計などの機器の手や足の触れる部分にある銀色の金属部分から、皮膚の接触部を通じ体内に微弱電流を流しています。
体内を通る電流は、血液や水分を含む筋肉や骨は電気の抵抗は少なく、水分を含まない脂肪は電気抵抗が多くなるという性質があります。
それを利用し、各機器会社の数式により体脂肪量をはじめとした様々な数値が算出されます。
しかし、測定時に電気の抵抗が変わってしまうと、デタラメな測定数値になってしまう欠点があります。
(体の水分量が変化すると体脂肪率も変動しやすい測定方法です。)
測定方法を誤ると数値の活用どころではなくなってしまいますので、測定時の条件を揃えるようにしましょう。
測定前には体内の水分量が変化する飲食・運動・入浴は避け、起床後や午前中の早い時間に測定するのがオススメです。
◇◆◇ 測定方法の種類 ◇◆◇
体脂肪の測定方法の種類は一般的な体組成計以外にいくつかあり、下記の4つ以外にもCTやMRI、X線を使用する方法などがあります。
キャリパー法:皮膚をつまむと脂肪と筋肉がわかれる性質を利用した、脂肪をつまんで厚さを測定する方法
水中法(水中体重測定法):水中で体重を測定し、陸上での体重との差から身体密度を計算する方法
空気置換法:密閉されたカプセル容器に入り、空気の圧をかけ圧力の変化から割り出す方法
インピーダンス法:『一般的な測定方法』に記載した、体に微弱な電流を流し、電気を通しにくい脂肪の電気抵抗値から体脂肪を計算し測定する方法
◇◆◇ 気にするべきは体脂肪量 ◇◆◇
さて、先にもお伝えしていますが日々の体重変化を気にする事は大切ですが、健康管理や体調管理においてコントロールするべきは体脂肪量になります。
体重は、体脂肪をはじめ筋肉や内臓や骨など全てを含んだ身体の重さになります。
体重が増えた減ったと、特に減量の際には一喜一憂する方も多いでしょう。
しかし、体重が減ったからと喜んでも身体の水分が減っただけで、体脂肪の量が減ったとは限らないのです。
逆に体重が増えたからといって体脂肪量が増えたとも限りません。
また、率をコントロールするのは非常に難しい為、体脂肪率はさほど気にする事はありません。
従って、純粋な量である脂肪の重さに注目しましょう。
◇◆◇ 脂肪の重さ(体脂肪量)の求め方 ◇◆◇
測定機器によっては体重と体脂肪率しか表示されないものもあります。
その際は、体重×体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)で求めることができます。
例)体重60kg、体脂肪率17.8%の場合・・・60×0.178=10.68kg
体重は日々の水分や食事の量で変動しますが、実際の体内の脂肪量はすぐには変動しません。
そこで、体重はあくまで目安として測定しておくものの、体脂肪量は2週間に一回程度の起床後の数値を参考にします。
特に減量に励んでいる方で、体重が減っているのに見た目の変化や服のサイズ感が変わらない、体調が優れず肌のハリ・ツヤも良くないと感じる方は体重ではなく【体脂肪量kg】の変化をチェックしてみて下さい。
できるだけ毎回同じ測定条件での数値を用い、沢山の数値に惑わされずシンプルに必要な数値だけを比較して、健康管理や体調管理に活用しましょう。
気にするのは【体脂肪量kg】です。
ではまた来月にお会いしましょう。
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