水草に付着する害虫
現在国内で栽培され流通しているファームの水草のほとんどには各種の害虫が混入しており、大手ファームの水草への混入も確認されていることから、水草を取り扱っている販売店では少なからずこれらの害虫が混入している可能性があります。
当店でも出荷に際して、手作業による除去は行っておりますが、極小サイズの個体や卵の除去をしきれないことがあり、現状では混入を100%防ぐには至っておりません。
今回は当店出荷の水草に混入する可能性のある害虫の一覧とその対策です。
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ミズムシ
特徴水ゲジとも呼ばれます。水草や他の生体に悪影響を与えることはありませんが、見た目から嫌われます。
対策ある程度のサイズの魚であれば捕食しますが、ビーシュリンプ水槽等、捕食する魚がいない水槽では増えてしまいます。
エビを他の水槽に移動し、小型~中型魚の魚をある程度の数水槽に入れておけば大掛かりなリセットを行うことなく除去することも可能です。 -
ミズメイガの一種
特徴国内ファームで生産されている水草に混入するガの仲間で、水草の葉を食害すると共に、噛み切った葉で蓑を作ります。水面に噛み千切られた葉が浮きます。
対策ヤマトヌマエビや魚が捕食すると言われますが、定かでは無く、水槽内での発生を確認次第手で取り除くのが最も確実です。
水槽内では繁殖せず、一般的な家庭に設置された水槽で成虫が水槽に再度産卵することもめったに無い為、すべて駆除してしまえば、外部から新たに水草を導入しない限り発生しません。 -
アカムシ
特徴魚の餌として広く使用されており、魚や植物に悪影響を与える事はありません。流木や石などの隙間、表面に泥状の小さな巣をつくりその中に隠れている場合があります。成虫の見た目は蚊に似ていますが、血を吸う事は無く屋内で繁殖する事は稀です。
対策多くの魚種、エビが捕食します。一般家庭の水槽内で発生する可能性は低いですが、新たに流木付きの水草を導入する場合、金魚やメダカを屋外で飼育していて、冬期室内で飼育するような場合に水草等を移動すると混入する可能性があります。
通常魚が捕食しますが、気になる場合は水草等を流水で洗う、アカムシを発見次第、網で取り除く事で駆除が可能です。 -
プラナリア
特徴弱った魚やエビ、その死骸を好んで食べます。再生能力が高く、体が千切れると千切れた部分がそれぞれ独自の個体として再生します。
対策積極的にプラナリアを捕食すると言われる魚が居ない為、手で取り除くことにより数を減らすのがメインとなります。ささみや動物質のタブレットに良く群がるので、これを利用してアミやホースでまとめて取り出す方法がお勧めです。
薬剤による除去も可能ですが、使用する薬剤が他の魚や水草への影響のある強いものである為、水槽のリセットが必要となります。
チャームの害虫対策
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手洗い作業による
大きなサイズの害虫の除去出荷する水草は水槽から集荷してきた後、1本ずつスタッフが手で洗浄を行います。サイズの大きな害虫や目視で確認できる貝類の卵の大半がここでの洗浄で取り除かれます。
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CO2による
小サイズの害虫の除去目視で確認できない、手で取り除けないサイズや、ポット水草、根元や新芽部分に入り込んだ小さな害虫対策として、大量のCO2添加による窒息方法を取っています。1種につき20~30分、CO2を大量に添加している容器に浸します。
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殺虫灯による
成虫の捕殺ミズメイガの成虫対策の殺虫灯。水槽本数が多く、様々なファームからの入荷の水草に入り込んでいる為、各温室に設置、当店入荷後に幼虫の数が増えないように対策を行っています。