当店でお勧めしているメンテナンスの方法をご紹介します。対応商品は定番のスムースレザーシリーズです。
※その他の商品(レザー)にこのメンテナンス方法を行いますと、色ムラや革の劣化の原因になりかねません。必ずスムースレザーでお試し下さい。
※あくまでこのメンテナンス方法は、当店がお勧めしている方法となります。他にもそれぞれ、その方独自の方法がございますので、ご理解を頂いた上でお試し下さい。
※お試し頂く際は自己責任にてお願い致します。メンテナンス中にいかなる不具合が起こってしまった場合も、当店は一切責任を負いかねますのでご了承下さいませ。
※画像をクリックすると拡大表示されます。
・Dr.martens純正 SHOE BLASH(シューブラシ)
・Dr.martens純正 POLISH(ポリッシュ)
休日や少しの空いた時間でメンテナンスができそうな場合はこちらがお勧めです。
手順は以下のとおり、至ってシンプルです。
1.ブラッシングをして、目立つホコリやコバの汚れ等を軽く払います。
2.クロスに適量のポリッシュを取り、擦ってしまいがちなつま先部分やかかと部分(背・外側・内側)にのせます。
3.のせたポリッシュ薄く伸ばし、クロスのきれいな部分で細かく円を描くように馴染ませます。
※詳しいやり方は『ONE MONTH MAINTENANCE(月一回のお手入れ)』の【5-1.】&【5-2.】でご紹介します。
◆今回メンテナンスをするブーツ
当店スタッフ愛用の【1490Z B-SM 10092001】いわゆる定番の10ホールブーツです。
使用年月は約4年で、良い感じに履き馴染んでいる状態です。
履きジワや強めのキズなどが目立っています。
◆今回使用するケアアイテム
【奥左から】
・Dr.martens純正 POLISH BLACK (ポリッシュ)≪靴ずみ≫
・Dr.martens純正 DELICATE CREAM(デリケートクリーム)≪保湿クリーム≫
・Dr.martens純正 LEATHER LOTION(レザーローション)≪汚れ落とし≫
・Dr.martens純正 WATERPROOF SPRAY(ウォータープルーフスプレー)≪防水スプレー≫
【手前左から】
・クロス(市販)
・Dr.martens純正 SHOE BRASH (シューブラシ)
※クロスは市販のものやメガネ拭き、不要になったTシャツの切れ端などでもOKです。
※各メンテナンス商品は、生産時期によりパッケージの使用が変更になっている場合がございます。
【1.】紐を外す。(外さなくてもOKです)
羽根の内側(ベロ部分)に溜まったホコリや汚れを取り除くために、シューレースを全て外します。
【2.】ホコリを払う。
レザーローション(汚れ落とし)を使用する前に、目立つ大きなホコリや汚れを取り除きます。
ブラシを使用して、コバ部分やステッチ・革同士が重なっている部位などのホコリや汚れを払います。
※土踏まず付近のコバ(内側の一番カーブになっている部分)は、不要の歯ブラシなどを使用するとより効果的です。
※ドクターマーチンは特に羽根の内側(ベロ部分)に非常にホコリや汚れが溜まりやすいので、画像のように羽根を広げながら払います。
【3.】レザーローションで汚れを落とす。
適量のレザーローションをクロスに取り、付着してしまった強い汚れ・古くなった靴墨やクリームも一緒に落とします。
特にシワの入っている個所に汚れが溜まりやすいので、画像のように内側から革を持ち上げると取り除きやすくなります。
ベロ部分やかかと・サイドまで全体の汚れを落とします。
【途中経過1.】
向かって右側がレザーローションで汚れを除去した状態です。
汚れを落としただけでも、随分印象が変わります。
【4-1.】デリケートクリームを塗る。
レザーローションで汚れを落とし、乾いたらデリケートクリームを塗り、革に栄養・水分・油分を与えます。
レザーローションは、汚れと共に革の栄養分を奪ってしまう恐れがあるため、デリケートクリームで革に栄養を補給します。
クロスにデリケートクリームを取り、画像のように甲部分・かかと部分・ベロ部分の三ヶ所にのせます。それを全体に薄く伸ばします。
シワが入っている部分は、一番革が乾いてしまっている状態です。レザーローションで汚れを落とした時と同様に、内側から革を持ち上げつつ円を描くように細かく塗り込みます。
※革にデリケートクリームを浸透させるイメージで細かい円を描きながら塗り込みます。指でデリケートクリームを温めながら塗り込むと、より効果的です。
※デリケートクリームの塗り過ぎにはご注意下さい。革の強度を損なってしまう恐れがございます。
【4-2.】デリケートクリームの仕上げ。
全体にデリケートクリームを薄く伸ばしたあとに、ブラシを使用して更に細かいところまで行き渡らせます。
コバ部分やステッチ・革と革の隙間など、クロスや指では伸ばしきれない箇所にまで行き渡らせます。余分なデリケートクリームが残らないように丁寧にブラッシングをします。
※この工程で使用するブラシは、可能であれば【1.】で使用した汚れ落とし用ではなく、デリケートクリーム仕上げ用のブラシとして別途ご用意頂くと、より効果的です。
全体にデリケートクリームが行き届いた状態で一時間ほど放置し、乾かします。
乾かしたあと、表面にデリケートクリームが残る場合があります。この表面に残ったデリケートクリームは、革に入りきらなかった余分なクリームとなるため、クロスで拭き取ります。
【途中経過2.】
向かって右側がここまでの工程を行った状態です。
デリケートクリーム特有の光沢感が得られ、左右ではっきりとした差が生まれました。
ここから最終工程に入っていきます。
【5-1.】ポリッシュ(靴墨)を塗る。
ポリッシュを塗り、表面にコーティングをします。クロスにポリッシュを少量取り、画像のように一番擦ってしまいがちなつま先部分やかかと部分(背・外側・内側)にのせます。
デリケートクリームを塗る工程よりも、更に細かい円を描きながら全体に薄く伸ばします。
※多量のポリッシュを塗るのではなく、少量のポリッシュを伸ばすイメージで塗り込みます。
【5-2.】ポリッシュの仕上げ。
全体にポリッシュが行き届いたら、再度ブラッシングを行います。この工程でブラシをかけることにより、余分なポリッシュを落としツヤを出すことができます。
ブラッシングが済んだら、クロスのきれいな部分で仕上げをします。全体を拭き取るようなイメージで、より細かく円を描きながら靴全体を磨き上げます。
※この工程で使用するブラシは、可能であれば【1.】や【4-2.】で使用したものではなく、最後の仕上げ用のブラシとして別途ご用意頂くと、より効果的です。
※専用のクロスやグローブ・ストッキングなどを使用すると、より効果的に磨き上げることができます。
【6.】防水スプレーで最後の仕上げ。
最後に防水スプレーをかけます。近くで吹き付けてしまうと、色ムラの原因になります。なるべく離れたところから、全体に噴霧します。
おおまかに噴霧したら画像のようにブラシで軽く叩き、全体に馴染ませます。
【完成】
向かって右側がメンテナンス完了の状態です。左側と比べて、違いは歴然としています。
手間は掛かりますが、一か月に一度行って頂くだけで長持ちの度合いも変わり、愛着が湧いてきます。
ここまでご一緒にメンテナンスをして頂いた皆様、お疲れ様でした。