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ブランデーとは

ブランデー

ブランデーは「果実から造られた蒸留酒」です。白ブドウ、リンゴ、洋ナシなどを発酵・蒸留させます。

産地や製造法、原材料によってブランドが分けられます。

定番おつまみは、ブランデーをまろやかにする「チョコレート」です。 その他、ナッツ類やドライフルーツ、チーズ、サラミ等、幅広く適しています。

カクテルのベースやお菓子の材料に使われることも多いです。

ブランデーの歴史

ルイ14世

酒類の中でも格調が高く、長い歴史を感じさせるブランデー。

7~8世紀頃に、スペインでワインを蒸留していたのがはじまりと言われます。
15世紀には、フランスのコニャック地方やアルマニャック地方でも生産が始まり、 1713年にルイ14世がフランスのブランデーを保護する法律を作り、 以後ヨーロッパ各国の宮廷に取り入れられ、「王侯の酒」としての地位を得ていきました。

ブランデーとウイスキーの違い

  ブランデー ウイスキー
違い ブランデーの原料 ウイスキーの原料
原料 白ブドウ、リンゴ、洋ナシなどの果実 大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀類
糖化 糖分は原料の発酵に必要ですが、果物に糖分が含まれているため糖化の必要がありません。 糖が含まれない穀物から作られるため、意図的に糖分を加えて糖化させる必要があります。
木製樽 木製樽を使用しないことがあります。 必ず木製樽で熟成をします。

コニャック、アルマニャック、カルヴァドスは規定によりオーク樽での熟成が義務付けられています。
それ以外のブランデーで、果実の風味をそのまま生かしたい場合は樽で熟成させません。

保管方法

未開封のブランデーの場合は、あまり神経質にならなくても大丈夫です。 暑さと直射日光を避ける必要があるため、冷暗所が適しています。

一度開封して空気に触れさせてしまうと劣化が始まります。 開封後も暑さと直射日光を避け、加えて空気との接触をなるべく避けます。

特にブランデーのようにアルコール度数が高いお酒は、開封後はアルコールが飛んでしまいます。 また、空気に触れることで参加し、味の劣化を引き起こす可能性もあります。

開封したブランデーはしっかりフタをして保存するようにしてください。


原料・産地による違い

ブランデーの産地

世界的に有名な産地であるフランスでは、 「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」という名称の使用が法律で厳しく制限されています。

コニャック
・アルマニャック
カルヴァドス

コニャック

コニャック

フランス南西部のコニャック市を中心にする地域で生産される、ブドウを原料としたブランデー。 法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「コニャック」として販売することができます。

使われるぶどうの品種は殆どがユニブラン(別名サンテミリオン種)という品種で、単式蒸溜機で2回蒸留し、フランス産オーク樽で2年以上熟成します。

芳醇で繊細な香りを楽しむために、「ストレート」で飲むのがおすすめです。

コニャック特集

アルマニャック

アルマニャック

フランス南西部のボルドー地方の南に位置するアルマニャック地方で作られるブランデーをアルマニャックと呼びます。 法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「アルマニャック」として販売することができます。

使われるぶどうは、ユニブランをはじめ、フォルブランシュ、コロンバールなどの品種です。 伝統的な半連続式蒸溜機を主に使用しています。 1回だけの蒸留のため、2回行うコニャックとくらべて全体的に野性的でパンチの強い味わいになる事が特徴的です。

複雑で官能的とも称される豊かな香りを楽しむために、「ストレート」で飲むのがおすすめです。 また、カカオの濃いチョコレートと一緒に楽しむのも定番です。

カルヴァドス

カルヴァドス

フランス北部のノルマンディー地方とブルターニュ地方が産地の、リンゴを原料とするブランデー。 リンゴ以外にもセイヨウナシが使用されていることが多いのも特徴です。 シードル(リンゴ果汁を発酵させた醸造酒)のブレンドや天然発酵、オーク樽による長期熟成など、非常に手間のかかった高級アップル・ブランデーです。

この地域は冬とても寒く、ブドウの栽培に適していないため、リンゴで作られるようになりました。 特徴としては、色が琥珀色で香り高いため、ケーキなどの製菓用として多く使用されています。

芳醇なリンゴの香りと甘みを楽しめる「ストレート」がおすすめですが、 炭酸で割ってほんのり甘い簡単カクテルにするのもおすすめです。

カルヴァドス特集

グラッパ・マール

グラッパ

ワインを蒸留して作る一般的なブランデーとは違い、ポマース(種、果軸、果汁の残りなどのブドウの搾りかす)を発酵・蒸留して作ります。


マールはフランス産で、蒸留後に必ず樽熟成を行います。樽熟成を行った方が円やかな風味になり、円熟味が増します。


グラッパはイタリア産で、一般的に樽熟成は行わないため、無色透明です。 ブドウの香りはしっかり残っていて、気軽に頂けるブランデーとして、イタリアでは食後酒にぴったりのお酒と考えられています。 エスプレッソに加えて飲むのも人気です。

その他のフルーツブランデー

キルシュヴァッサー

【キルシュヴァッサー】

種子ごと潰したサクランボを醗酵させ、6週間前後寝かせた後に蒸留した無色透明のブランデーです。ドイツ・シュヴァルツヴァルト地方の名産品。

酸味がないのが特徴で、製菓用の風味付けにも良く使われます。


等級による違い

熟成年数によるランク

熟成年を表す単位:コント

ブランデーの熟成年数を表す単位はコントです。

コントの基準はコニャックとアルマニャックで若干違い、 コニャックは「4/1~翌年3月末日」、アルマニャックは「5/1~翌年4月末日」の周期によってコントの数値が変わっていきます。 蒸留してブランデーで作られた年が「コント00」、熟成1年目が「コント0」、熟成2年目が「コント1」という具合にカウントしていきます。


ブランデーは、ひとつの熟成年数のブランデーだけを使って出荷されることはあまりなく、複数の熟成年数のブランデーを調合します。 その場合、調合されたブランデーの中で1番若いブランデーを基準に等級が決まります。 例えばコント1、コント2、コント3のブランデーを調合した場合、コント1の等級が表記されます。


コントによる等級

コニャック・アルマニャック以外では、基準が法で定められていないため、 メーカー独自のランクが使われている場合があります。


  コニャック アルマニャック
スリースター コント2以上 コント1以上
V.S.
(Very Special)
コント2以上
(平均熟成4~7年)
コント2以上
V.O.   コント4以上
V.S.O.P.
(Very Superior Old Pale)
コント4以上
(平均熟成7~10年)
コント4以上
(平均熟成5~10年)
ナポレオン コント6以上
(平均熟成12~15年)
コント5以上
(平均熟成5~12年)
X.O.
(Extra Old)
コント10以上
(平均熟成20~25年)
コント5以上
(平均熟成20~30年)
Hors d'age
(オール・ダージュ)
コント6以上で一般的にXOよりクオリティが高いとされるもの  

※コニャックの「X.O.」の基準が2018年4月に変更さました。(詳しくは「コニャック特集」をご覧ください)


生産法の違い

ぶどう畑

[プロプリエテール]

栽培、発酵、蒸溜、熟成、瓶詰の全ての工程を自家で行っている生産者の意味です。

小規模メーカーがほとんどですが、全工程に生産者の手が行き渡るため、 生産者の特徴や、ブドウが作られた土壌の特徴などがはっきりと製品に表れます。

プロプリエテールが作ったコニャックを「シングルコニャック」と呼びます。


[ネゴシアン]

優良農家から蒸留原酒を買い付け、自社で熟成・瓶詰・ブレンドを行うメーカーです。

複数の農家と契約するなど、不作にも備える事ができ、作柄に応じて生産調整を行い、 毎年比較的安定した品質でリリースすることができます。


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