缶詰の歴史そのもの!? 福井缶詰とは

福井缶詰は昭和18年に若狭小浜で設立された、日本海側随一の水産缶詰工場です。

福井缶詰 会社外観

「鯖街道」で誕生した水産缶詰工場 福井缶詰

鯖街道

古来、若狭国は京都の朝廷へ食料を献上する御食国(みけつくに)のひとつでした。 ここで捕れた日本海側のいろんな産物が若狭街道を通って京都へ運ばれていました。 特に18世紀後半からは多くのサバが水揚げされ運ばれていたことから、別名「鯖街道」と呼ばれるようになりました。

鯖街道

小浜では、水揚げされたサバを使った加工品がさまざまな形で発達しました。今でも「サバのへしこ漬」や「サバの醤油干し」、サバを丸ごと一匹香ばしく焼きあげた「浜焼き鯖」などが地元の特産品として人気を集めています。

そういった土地柄もあって、昭和18年に県下7社が合同して、福井県合同缶詰(株)が設立され、軍需工場として鯖缶を製造し、軍隊に製品を納めていました。
その後、終戦をむかえ一時工場を解散しましたが、社名を福井缶詰(株)と改名して前浜のサバを使って製造を再開しました。

鯖缶にはノルウェー産のサバ!

福井缶詰では、サバは日本でも十分手に入れることができるにもかかわらず、あえてノルウェー産のサバを採用しています。
前浜で水揚げされるサバが激減した為、昭和51年に鯖缶詰の製造を中止いたしました。

平成3年にサバ缶を復活させましたが、他社に負けないこだわりのサバ缶をつくりたいとの思いで、原料のこだわりとして国産ではなく漁業先進国であるノルウェー産を選びました。
ノルウェーでは資源保護の為、小さな一才魚は獲りません。網目を大きくして二才以上の大きな鯖だけを漁獲しております。
日本ではオリンピック方式で根こそぎ漁獲しており、冷凍に時間がかかり鮮度の悪い原料や小さいもの大きなもの脂の無いもの等バラツキがありますが、ノルウェーでは漁場が近くにある為、冷凍が早く出来、冷凍能力に応じた数量を漁獲し鮮度を保っているので品質が安定しております。

ノルウェー産サバ
鯖缶

また、市場に出回っているより大きな缶を使って商品開発を試みたのです。
現在では普通にありますが、当時の鯖缶ではなかった国内初となる缶径の大きな缶(ツナ2号缶)を使い、大きなノルウェー鯖を詰めて差別化を図りました。

工場内の様子

サバが大きい為、機械詰めが出来ない事が当社の強みであり、一缶ひと缶丁寧に手で詰めております。

福井缶詰の鯖缶