革ベルトの交換方法

革ベルトの交換は、必ずしもメーカーや時計修理専門店で対応してもらわなければならない、というわけではありません。専用工具とちょっとの知識があれば、ご自身で簡単に付け替えることが可能です。一度覚えてしまえば、まるで洋服を替えるように気分やシーンによって異なるベルトを楽しむことができ、より豊かなウォッチライフとなるでしょう。

手軽にできるベルト交換方法をご紹介いたします。

革ベルトの交換方法

尾錠・バックルの交換方法

ベルト交換の使用器具

ベルト交換に使用する器具について

バネ棒外し

ベルト交換には必携の専用工具になります。両端に取り付けられたピンでバネ棒の突起をひっかけ、ラグから押し出します。ピンは形状に違いがあり、ピン型とY字型が存在します。ラグ穴がケース表にある場合は前者を、ない場合は後者をお使いください。

・・・・・・　ピン型：ラグに穴があるタイプに使用 ・・・・・・　Y字型：ラグに穴がないタイプに使用

  • セロテープ

    どこのご自宅にも置いてあるセロテープは、大切な腕時計を保護するのに欠かせません。

  • ドライバー

    ラグのバネ棒や尾錠がネジで取り付けられた「横ネジ式」の時計にはドライバーを使用して取り外しを行います。時計のネジのサイズに合った精密ドライバーを使用することがお勧めです。なお、時計が磁気帯びしてしまうので、マグネットが付いたものは絶対に使わないようにしましょう。

ベルト交換方法

お気に入りのベルトを購入できたら、上記の器具を使ってご自分で付け替えてみましょう！コツをつかんでしまえば簡単です。ただし、扱うのは普段愛用している大切な腕時計。傷や衝撃に注意するなど、細心の注意をはらいましょう。

POINT

ベルト交換を始める前に、時計の置き方を要チェック！繊細なリューズやプッシャーが上になるよう置きましょう。また、工具を扱う際に、時計に傷がついては大変です。セロハンテープをケースやラグに貼り付け、しっかり保護することが重要です。

ラグに穴があるタイプ

外し方

使用器具：バネ棒（ピン型）

  • 1

    1.ラグ横に穴があるかの確認をします

  • 2

    2.ラグ横の穴からバネ棒外しでバネ棒突起を押し込みます

  • 3

    3.バネ棒を押し込んだまま、ベルトをゆっくりずらしていきます

  • 4

    4.反対側のバネ棒を受け穴から外して完了です

取り付け方

使用器具：バネ棒（ピン型）

  • 1

    1.片側のバネ棒とバネ棒受けの穴を合わせます

  • 2

    2.もう片方のバネ棒をバネ棒外しで押し込みます

  • 3

    3.バネ棒を押し込んだまま、ベルトをゆっくりずらしていきます

  • 4

    4.カチッという音と共にバネ棒がはまったら、ベルトが外れないか確認して取り付け完了です

ラグに穴がないタイプ

外し方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.ラグ横に穴がないことを確認します

  • 2

    2.ベルト裏側のラグ横端にバネ棒が見える隙間があるので、バネ棒外しを押し込みます

  • 3.矢印の方向に引っ張ります

  • 3

    4.反対側のバネ棒を受け穴から外して完了です

取り付け方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.片側のバネ棒とバネ棒受けの穴を合わせます

  • 2

    2.もう片方のバネ棒をバネ棒外しで押し込みます

  • 3
    3

    3.バネ棒を押し込んだまま、ベルトをゆっくりずらしていきます

  • 4

    4.カチッという音と共にバネ棒がはまったら、ベルトが外れないか確認して取り付け完了です

クリッカータイプ

外し方

  • 1

    1.ベルト裏面に、写真のようなレバーがあるかを確認します

  • 2

    2.レバーを指でスライドさせるとバネ棒が押し込まれた状態になります

  • 3

    3.バネ棒を押し込んだまま、ベルトをゆっくりずらしていきます

  • 4

    4.反対側のバネ棒を受け穴から外して完了です

取り付け方

  • 1

    1.片側のバネ棒とバネ棒受けの穴を合わせます

  • 2

    2.レバーを指でスライドさせバネ棒が押し込まれた状態にして、ベルトをゆっくりずらしていきます

  • 3

    3.カチッという音と共にバネ棒がはまったら、ベルトが外れないか確認して取り付け完了です

横ねじ式タイプ

外し方

使用器具：ドライバー

  • 1

    1.ラグ横にネジがあることを確認します

  • 2

    2.ネジ溝に合うドライバーでゆっくりネジを回していきます

  • 3

    3.最後まで回してネジ付きピンが浮いてきたらピンを抜きます

  • 4

    4.ベルトに残ったパイプを抜きます(時計によってはパイプがなかったり両方向にネジが付いていたりします)

  • 5

    5.これで取り外しは完了です

取り付け方

使用器具：ドライバー

  • 1

    1.パイプをベルトにセットします

  • 2

    2.時計とベルトを穴の位置に合わせてネジ式ピンを差し込みます

  • 3

    3.ネジ溝に合うドライバーでゆっくりネジを回していきます

  • 4

    4.ネジが回らなくなるまでしっかり収まったら、ベルトが外れないか確認して取り付け完了です

尾錠の交換方法

次に、尾錠を取り外し、新品ベルトへ交換する方法を解説いたします。

尾錠タイプ

取り外し方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.尾錠の付け根横端にバネ棒が見える隙間があるので、バネ棒を押し込みます

  • 2

    2.バネ棒を押し込んだまま尾錠をゆっくりずらしていきます

  • 3

    3.尾錠が取れたらベルトからバネ棒を抜き、ツク棒も一緒に外して完了です

取り付け方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.まずツク棒をベルトに差し込みます

  • 2

    2.ツク棒を引っ掛けるようにしてベルトにバネ棒を差し込みます

  • 3

    3.尾錠の片側の受け穴にバネ棒を合わせます

  • 4

    4.反対側のバネ棒を押し込みながら尾錠をはめ込みます
    ※この時ツク棒の位置が尾錠より上にくるように気を付けてください

  • 5

    5.カチッという音と共にバネ棒がはまったら、尾錠が外れないか確認して取り付け完了です

Dバックルタイプ

取り外し方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.Dバックルの付け根横端にバネ棒が見える隙間があるので、バネ棒を押し込みます

  • 2

    2.バネ棒を押し込んだままDバックルをゆっくりずらしていきます

  • 3

    3.Dバックルが外れたらベルトからバネ棒を抜き、完了です

取り付け方

使用器具：バネ棒（Y字型）

  • 1

    1.中央部をベルトの切れ込みに合わせながらバネ棒を差し込み、片側の受け穴に合わせます

  • 2

    2.反対側のバネ棒を押し込みながらDバックルをはめ込み、取り付け完了です

尾錠サイドにネジがあるタイプ

取り外し方

使用器具：ドライバー

  • 1

    1.尾錠のサイドにネジがあることを確認します

  • 2

    2.ネジ溝に合うドライバーでゆっくりネジを回していきます

  • 3

    3.最後まで回してネジ付きピンが浮いてきたらそのピンを抜き、尾錠とツク棒を外します

  • 4

    4.これで取り外しは完了です

取り付け方

使用器具：ドライバー

  • 1

    1.ツク棒の表裏を確認してベルト中央の切れ込みに合わせます

  • 2

    2.続いて尾錠の表裏を確認してベルトの両端に合わせます

  • 3

    3.ネジ付きピンを差し込みます

  • 4

    4.ネジ溝に合うドライバーでゆっくりネジを回していきます

  • 5

    5.ピンが尾錠に収まったら、尾錠が外れないか確認して完了です