洗濯機選びでまず迷うのが、縦型(タテ型)かドラム式か、ということではないでしょうか。この2種類は、デザインだけでなく洗い方や機能などの特長に違いがあります。
従来の縦型洗濯機は、洗濯槽に水をためて攪拌(かくはん)し、その水流で洗濯物を“もみ洗い”するのに対し、ドラム式洗濯機はドラムを回転させて洗濯物を下へ落とす“たたき洗い”をします。そのため、ドラム式洗濯機の方が洗濯に使用する水が少量で済み節水に優れています。また洗濯時に使用する水が少ないため洗剤成分が濃く皮脂汚れに強い、洗濯物が絡みづらいため衣類が傷みにくい、というメリットもあります。
また、多くのモデルが乾燥機能を持ち合わせており、ドラム式洗濯機の最大のメリットは乾燥機能にあります。縦型洗濯機にも乾燥機能が付いているものはありますが、ドラム式洗濯機の優れている点は、圧倒的に乾燥仕上がりが良いことです。ドラムを回転・半回転させることで洗濯物が広がって全体に温風が当たりやすくなり、効率的に乾燥させることができるため、縦型洗濯機の乾燥機能に比べて運転時間が短く済み、電気代を抑えることもできます。
・価格が縦型洗濯機より高い傾向
・洗濯機本体が縦型より大きい
・扉を開けるためのスペースが必要なため設置スペースを広く取る必要がある
・泥汚れなどの洗浄力は縦型洗濯機より弱いといわれている
ドラム式洗濯機は、各メーカーから独自の技術を搭載した優れたモデルがたくさん登場して選ぶのが大変!
そこで、「ここをチェックしておけば大丈夫!」という洗濯機選びのポイントを紹介していきます。
1人あたりの洗濯物は1日約1.5kgです。洗濯物は容量いっぱいに詰め込むと洗いムラの原因となってしまうため、洗濯機容量の8割程度が理想的です。そのため、毎日洗濯するのであれば1〜2人暮らしなら4〜5kg以上の容量が、4人では7kg以上がおすすめです。しかし、何日分かまとめて洗濯するという場合や、シーツや毛布などの大きなものをこまめに洗濯したい場合、育ち盛りの子どもがいるご家庭では、大量の洗濯物をできるだけいっぺんに洗濯できるように、設置スペースや予算が許す限り容量の大きなモデルを選ぶのがおすすめです。
また、ドラム式洗濯機の容量を考慮する際に注意したいのが、洗濯・脱水容量と乾燥容量が異なることです。一般的に、乾燥機容量の方が小さく設定されているため、日常的に乾燥機能まで使用するようであれば、乾燥機容量もしっかり考慮しましょう。
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機より大きいことが多く、洗濯機の設置スペースによっては希望の洗濯機が入らないかもしれません。そのため、購入前に洗濯機を置くスペースやご家庭の防水パンのサイズをよく調べ、洗濯機の最大奥行きサイズがそこに入るかよく確認しておきましょう。
また、ドラム式洗濯機は、正面のドアを全開できるスペース、洗濯物を出し入れする際に体をかがめるスペースも必要です。設置場所によって扉は右開き・左開きどちらが使いやすいかも変わってくるため、事前にチェックしておきましょう。
乾燥機能はドラム式洗濯機の得意分野です。縦型洗濯機に比べ、省エネ性能も乾燥仕上がりも格段に優れています。特にハイエンドモデルの乾燥機能は、天日干しに劣らない仕上がりで、乾燥後の洗濯物はふかふかとやわらかです。
乾燥方式には「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の2タイプがありますが、ヒートポンプ式の方が省エネ性能、仕上がりともに優れています。それぞれの特長は次のようになります。
・エアコンや冷蔵庫などに使われている空気中の熱を利用した技術で、ヒーター式より消費電力が少ない
・乾燥した温風で乾かすため衣類へのダメージが少なく乾燥スピードが速い
・乾燥中でもドアを開け閉めできる
・熱風で乾かすため高温で衣類が傷みやすい
・ヒートポンプ式より電気代がかかる
・乾燥中はドアの開閉ができない
・ヒートポンプ式に比べると本体価格が安価
容量や設置場所、乾燥方式が定まったら、あとはライフスタイルに合わせた機能やデザインで選びましょう。
夜間に洗濯することが多い場合は洗濯機の「静音性」を、小さなお子様やペットがいるご家庭では「チャイルドロック機能」を要チェックです。また、洗濯槽を清潔に保つための「自動洗浄機能」ほか、糸くずフィルターや乾燥フィルターなどの手入れのしやすさもチェックしておきたいポイントです。
他にも忙しい方におすすめの「時短コース」や女性におすすめの「部屋干しコース」「洗剤・柔軟剤の自動投入機能」など、洗浄コースに注目して選ぶのも良いでしょう。
最近増加中の無線LAN接続に対応したモデルなどでは、スマートフォンアプリと連携してAIが最適な洗濯コースで洗ってくれたり、外出先から洗濯機を動かせたりするものもあります。
さらに、機能だけでなく、見た目のデザイン性に優れたモデルも登場しています。
ドラム式洗濯機は各メーカーからさまざまな特長があるモデルが登場しています。それぞれのメーカーの特長を知っておくと洗濯機選びに役立ちますよ。気になる機能があったらチェックしておきましょう。
パナソニックのドラム式洗濯機は省エネ&スピーディーなヒートポンプ乾燥搭載の「LXシリーズ」と、洗練されたキュービックフォルムデザインの「Cuble(キューブル)シリーズ」を展開しています。洗剤の力を最大限に引き出す「温水泡洗浄W」や、水洗いできないコートや帽子などの除菌・消臭を行う「ナノイーX」、節電・節水をする「エコナビ」機能、スマートフォンと連携して外出先からの操作ができる「スマホで洗濯」機能が特長です。
日立のドラム式洗濯機「ビッグドラムシリーズ」は、運転時の熱を回収して再利用する省エネのヒートリサイクル乾燥「風アイロン」機能が特長です。高速の風で衣類のシワを伸ばしながら乾燥させるため、アイロンがけの手間が省けます。また、予洗いいらずの洗浄力で黄ばみもすっきり落とす「ナイアガラ洗浄」「温水ナイアガラ洗浄」機能も魅力です。また、AIが洗い方や時間を自動で判断する「AIお洗濯」、スマートフォンと連携してサポートしてくれる「洗濯コンシェルジュ」も魅力です。
プラズマクラスター洗濯乾燥機「ESシリーズ」を展開しています。毎秒100万個以上の微細な水滴で汚れを弾き飛ばす「マイクロ高圧洗浄」や、ヒートポンプ式とヒーター式のハイブリッド「ぽかぽか・おひさま乾燥」、スマホ連携の「AIoT機能」などが特長です。またシャープ独自技術のプラズマクラスターで衣類も洗濯槽も除菌・消臭します。
アクアのドラム式洗濯機の特長は、温水洗浄と多彩な自動洗浄コースです。お湯洗いコースでは、洗剤液を温め酵素の力を活性化、繊維の奥まで染みついた汚れや黄ばみ、菌まで洗い流します。また、衣類の素材や天候に合わせて脱水の回転数を選べる他、ダウンジャケットやコートを洗えるコースもあります。フラット&スクエアのシンプルなデザインも人気です。
おすすめのドラム式洗濯機をライフスタイル別に紹介していきます。
一日の洗濯物は1人あたり約1.5kgの目安なので、設置場所のサイズを考慮しながら洗濯・乾燥容量をご検討ください。
ワンルームマンションなど洗濯機の設置場所が狭い場合は、購入前に必ず設置場所のサイズを測りましょう。一人暮らしにおすすめのコンパクトなモデルや、静かな運転音で夜間でも洗濯機を安心して使用できるモデルなどを紹介していきます。
急いでいるときなど、洗剤をキャップに入れて計量する手間が煩わしいときがありますよね。ドラム式洗濯機の中には、タンクの中に洗剤や柔軟剤を入れておけば、自動計量して投入してくれるモデルがあります。詰替えタイプの洗剤を一袋まるまる入れることができる大容量タンクのモデルも!面倒な計量の手間が省け、洗剤の無駄遣い防止にも良い便利な機能です。
縦型洗濯機と比べると、比較的に価格が高い傾向があるドラム式洗濯機。コストパフォーマンスの高いモデルを紹介していきます。
ドラム式洗濯機について、メーカーごとの特長や注目の機能ほか、生活スタイルに合わせた選び方、おすすめ商品を紹介しました。
ドラム式洗濯機を選ぶ際は、自宅の防水パンなど置き場所のサイズや、搬入経路の幅を事前によく確認することが大切です。
また、最近のドラム式洗濯機は、アイロンがけの手間が省ける乾燥機能のあるモデルや、スーツやコートなど水洗いできないものを除菌・消臭することができるもの、外出先からスマホで遠隔操作できるものなど、さまざまな便利機能を搭載した高機能モデルが多数あります。どんな機能がご家庭の状況に合っているのか、この記事を是非参考にしてください。