2022.09.05

Joshin 試用レポート

静寂の中で聴く革新のサウンド。オーディオテクニカ「ATH-TWX9」を試聴レビュー

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オーディオテクニカ ノイズキャンセリング機能搭載 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン ATH-TWX9

オーディオテクニカより、高音質・高性能を妥協したくない方向けの、最新フラグシップ完全ワイヤレスイヤホン『ATH-TWX9』が登場しました。
新設計の高解像ドライバーや、2基のマイクによる高精度なノイズキャンセリング機能、さらに充電ケースには除菌システムを搭載と、かなりの本気度がうかがえます。
早速本体をチェックして、ATH-TWX9の魅力を見ていきましょう! ライター:もあ

オーディオテクニカ 最新フラグシップ完全ワイヤレスイヤホン「ATH-TWX9」

  • オーディオテクニカ「ATH-TWX9」
    オーディオテクニカ「ATH-TWX9」
  • 機能全部盛りのハイエンドモデル
    機能全部盛りのハイエンドモデル

2022年の今年、創業60周年を迎える日本の老舗音響機器メーカー、オーディオテクニカ。
高性能なハイエンドモデル、カラーバリエーションの多いポップでオシャレなモデル、スポーツタイプなど、様々なニーズに合わせた完全ワイヤレスイヤホンを手がけています。

今回新登場した『ATH-TWX9』は「革新のサウンド」と「特別な静寂」を実現した、新たなフラグシップイヤホン。
音質とノイズキャンセリング(以下:NC)機能だけでなく、高い通話性能に抜群の装着感、音を最適化する専用アプリなど、イヤホンにほしいポイントが全部詰まっています。
また、充電ケースにはイヤホン収納時に自動でLED除菌するという、これまで聞いたことがない機能もあり、イヤホンに妥協したくない方向けのモデルとして、かなり高い完成度。

早速、高級アクセサリーが入っていそうな充電ケースを開くと・・・これは!筆者が勝手に「密閉感があるのに圧迫感の少ないイヤホンNo.1」だと思っている、2020年発売の「ATH-CKR70TW」にそっくり!
ATH-CKR70TWを使った時のお気に入りポイントだった、タッチセンサーと一緒に使える物理ボタンも引き継がれています!これはうれしい!

ドライバーユニットには、音質だけでなくNC機能とのバランスも考えて新規設計された「φ5.8mm⾼解像ドライバー」を搭載。
ドライバーの出力を高める「外磁型」磁気回路と、振動板の固定にステンレス製の薄型プレートを使う「エッジマウント方式」によって、小型ドライバーとは思えないほどの、量感あふれる音を実現しました。

コーデックはATH-CKR70TWで対応していたQualcomm(R) aptXTM audio/AAC/SBCに、最大96kHz/24bitまでのハイレゾ相当の高解像度サウンドで再生するQualcomm(R) aptXTM Adaptive audioを追加。
さらにクオリティが上がったと思われる、原曲本来の魅力を存分に引き出す「オーテクサウンド」に期待大です。

アプリで最適化できる高精度なノイズキャンセリング機能

  • 小型MEMSマイクを2基ずつ搭載
    小型MEMSマイクを2基ずつ搭載
  • アプリでNC機能の最適化
    アプリでNC機能の最適化
  • 本体長押しで環境にあったNCが適応
    本体長押しで環境にあったNCが適応

ATH-TWX9のNC機能は、左右のイヤホンに搭載された2基のNC用「MEMSマイク」で周囲の音を取り込んで打ち消す「ハイブリッドデジタルノイズキャンセリング方式」を採用。
そのまま使っても、環境音が違和感なくスッと消える感覚を味わえますが、専用アプリ「Connect」と接続することで、さらにNC機能の効果がアップします。

ATH-TWX9を迎えた際、ぜひ最初に試してほしいのが、1人ひとりの耳の形状を読み取って最適なNCを作る「パーソナライズ・ノイズキャンセリングシステム」。
アプリで「NCの最適化」を選び、イヤホンを付けたまま数秒間流れる音楽を聴くと、自動で最適化されたNCモードが適応されます。

最初はそんなに変わるものなのかと半信半疑でしたが、風音や車の音がさらに聞こえにくくなり、NCの精度が上がったのがすぐに分かります。
通勤中に使うと、電車の走る音や駅特有の人のざわつきがかなり軽減されて、とても快適でした。
電車のアナウンスなど大きめの機械音は意識すれば聞こえますが、音楽に集中するのに充分な精度だと思います。

専用アプリでは電車内や街中など、あらゆるシーンに合わせた5種類のNCモードを選択することもできます。
シーン別でも設定できますが、マイクが周囲の音を計測して自動で適切なNCモードにする「Optimized」の精度が高いので、筆者は常にこのモードに設定していました。

  • 周囲の音を自然に取り込む「ヒアスルー機能」
    周囲の音を自然に取り込む「ヒアスルー機能」
  • 雑音が多い場所でもクリアな音声を届けます
    雑音が多い場所でもクリアな音声を届けます

イヤホンを付けたまま周囲の音を確認できる「ヒアスルー機能」も、アプリからレベル(5段階)とシーンを選択できます。
他のイヤホンを使っている時は「ヒアスルー機能にしても再生している音楽でアナウンスが聞き取れなかった」ということがよくあるので、ヒアスルー中の音量を調節できるのはとても有難い!
屋外で使った時は風音が少し多く聞こえるように感じ、全く違和感がないとは言いにくいですが、人の声は自然に聞こえるようになるので、レジ前など少し話したい時は重宝しました。

ATH-TWX9は近年使うことが多くなった通話の性能も高く、ビジネスシーンでも活躍します。
本体には、NC用のマイクとは別に通話用の高性能「MEMSマイク」が2基ずつ搭載され、これにより雑音の多い環境下でも相手にクリアな声を届けられます。
少し伸びた本体下部にあるマイクが口元に向いていて、小さな声でもしっかり拾ってくれますよ。
イヤホンは片方だけでも使えるので、自分の声も聞きながら自然な通話ができました。

外観と付属品

  • セット内容
    セット内容
  • 外観は「ATH-CKR70TW」と似ています
    外観は「ATH-CKR70TW」と似ています
  • 艶消しされた正面がクール!
    艶消しされた正面がクール!
  • ノズルが短くて圧迫感が少なそう
    ノズルが短くて圧迫感が少なそう
セット内容 本体、充電用USBケーブル(約30cm、Type-A/USB Type-C)、イヤピース(Short:XS、S、M、L/Standard:XS、S、M、L/Long:XS、S、M、L)
質量(約) 5.4g(片方)
対応コーデック Qualcomm(R) aptXTM Adaptive audio / Qualcomm(R) aptXTM audio / AAC / SBC
防水性能 IPX4相当
※IPX4:いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない

イヤホン本体は、下部が細長く伸びたスティック型形状。
艶消し加工の施された締りのあるブラックと、光のあたり方で色を変えるダークブロンズのツートーンカラーがとてもクール!
ATH-CKR70TWとよく似たデザインですが、ATH-CKR70TWのキラッと光る宝石のような感じではなく、シックで大人な雰囲気です。
オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンはカラーバリエーションが豊富なイメージがありますが、ATH-TWX9はこのブラックのみ。なんだか上位モデル感があって格好いいですね。

ノズルは短めで耳奥に差し込むタイプではなさそうですが、本体を横から見るとボコッと大きめの出っ張りがあり、これが耳のくぼみにしっかりフィットする予感。

  • 3タイプのイヤーピースが付属
    3タイプのイヤピースが付属
  • それぞれ導管の長さが異なります
    それぞれ導管の長さが異なります

イヤピースは「Standard」「Short」「Long」の3タイプがXS〜Lの4サイズ、計12ペアが付属。(StandardのMサイズは本体に装着)
タイプによって導管(軸部分)の長さが数ミリ変わるだけで、装着感や密閉感は大きく変わります。
筆者は耳への収まりが浅いと落としそうで不安になるので、しっかりとはめ込めるLongタイプが気に入りました。

これだけ種類が豊富だと、イヤピースのサイズを変えるだけだとちょうどいいフィット感を得られなかったという方も、自分にあったものが見つかりそうです。
イヤピースは、音質はもちろんNCの精度にも関わるので、たくさんの中から選べるのはうれしいですね。

イヤホンを清潔に保つ!除菌システムを搭載した充電ケース

  • LED除菌ができる充電ケース
    LED除菌ができる充電ケース
  • 中にミラーを発見!
    中にミラーを発見!
  • 収納するたび自動で除菌します
    収納するたび自動で除菌します
  • 滑りにくくて手馴染みがいい感じ
    滑りにくくて手馴染みがいい感じ
充電ケース質量(約) 55.9g
充電時間(約) 本体:2.5時間、ケース:3.5時間(ワイヤレス充電時:5.0時間)
連続再生時間(約) 6時間(イヤホンのみ)、18.5時間(充電ケース込み)
ワイヤレス充電 対応

貝のような独特のフォルムが特徴的な充電ケース。
個性的なのは形状だけでなく、なんとこの充電ケースLED除菌機能付きなんです!

なにそれ聞いたことない!そして本体を装着する部分の奥にあるミラーはなんだろう・・・?
どうやら、イヤホンを収納すると自動で細菌やウイルスを除去する深紫外線LEDが照射されるよう。
ミラーには、深紫外線の光を均等に行き渡らせる役割があるんだとか。
除菌されるのは本体全体ではなく、イヤピースの表面だけのようですが、耳穴に入れる部分が常に清潔な状態だと思うと、気持ちよく使えますね。

連続再生時間は本体で約6時間、充電ケースを含むと約18.5時間と、現在(※2022年9月)発売しているオーディオテクニカのイヤホンの中では少し心もとない印象。
NCの性能が他モデルに比べ格段に良くなっているので、その影響かもしれませんね。

音楽を聴いてみた

装着イメージと本体操作方法

  • 装着イメージ
    装着イメージ
  • 本体を耳穴に入れ、伸びた下部分が口元を向くように回転させて装着します。
    想像通り、ノズル部分の出っ張りが耳穴付近のくぼみにしっかりフィットし、少し手で触れた程度ではズレることはなく、落下の心配はなさそうです。
    Longタイプのイヤピースを使いましたが圧迫感が少なく、同じくらいのサイズのイヤホンに比べて、長時間付けたときに耳が痛くなりにくく感じました。

    耳穴をがっちり塞ぐので遮音性が高く、NC機能をオフにしていても周囲の音が聞こえにくいので、会話をしたいときはヒアスルー機能必須です。

  • タッチセンサーと物理ボタン
    タッチセンサーと物理ボタン
  • アプリで操作方法をカスタマイズ
    アプリで操作方法をカスタマイズ
  • スマホとペアリング
    スマホとペアリング

本体の操作方法

音楽の再生/一時停止 右側のボタンを1回押す
ボリューム(+/-) 左側のボタンを1回押す/左側のボタンを2回押す
曲送り/曲戻し 右側のボタンを2回押す/右側のボタンを3回押す
アンビエンスコントロール 左側のロゴ部分を2回タッチ(ANC機能→ヒアスルー機能→OFF)
クイックヒアスルー機能 右側のロゴ部分を2回タッチ

※上記の表はデフォルト設定の場合です。専用アプリで各項目の振り分けが可能です。

本体操作は、イヤホン中央のロゴ部分にあるタッチセンサーと、下部の物理ボタンで行います。
専用アプリで左右のタッチセンサー・物理ボタンにそれぞれ操作をカスタマイズできるので、できない操作が出ることはありません。
最近発売のイヤホンでは物理ボタンは久しぶりに見る気がしますが、誤操作が起こりにくく確実に押した感覚があると安心します。やっぱり物理ボタンいいなあ。
髪を触ったときなどに誤操作が起こりがちな、1回タップの操作を物理ボタンに振り分けると、とても快適ですよ。

ペアリング方法

本体をケースから取り出すと電源が入ってペアリングモードになるので、スマホなどの端末のBluetooth設定で「ATH-TWX9」を選び接続します。(※今回は発売前のサンプル機器を使わせていただいております)

スマホとパソコンなど同時に2台のデバイスと接続できる「マルチポイント接続」に対応しているので、パソコンで動画を見ている最中にかかってきたスマホの着信にすぐ対応する、なんてこともできますよ。

音の感想

  • 音全体の完成度がとても高い!
    音全体の完成度がとても高い!
  • アプリでイコライザー設定や細かいボリューム調整ができます
    アプリでイコライザー設定や細かいボリューム調整ができます

iPhoneと接続し、AACコーデックで「Amazon Music(※定額制課金サービスです)」の曲を聴いてみます。

ATH-CKR70TWは明瞭な高域を中心に全体のバランスがとれている印象でしたが、ATH-TWX9は中〜低音域の音の厚みに意識が向きました。
バランスの良い原曲に忠実な音作りは変わりませんが、新設計のドライバーで音の情報量が満たされたことにより、埋もれていた音がどんどん前に出てきます。
特に重低音の再現度は高く、小型ドライバーでここまで表現できるのかと驚くほど、しっかり深みのある音を楽しめました。

ATH-CKR70TWを使った時に試聴した「光/宇多田ヒカル」を聴いてみると、ベースラインがより濃くなりボーカルと楽器の音の距離感が分かりやすくなったように思います。
曲全体の迫力は増していますが、Aメロなどの静かな箇所のイメージを崩すことはなく、転調の流れもとても自然です。

立体音響「360 Reality Audio」にも対応しているので「群青/YOASOBI」を聴いてみたところ、全ての音にノイズやボヤけた印象がなくとてもクリアで、ライブ会場にいるような臨場感を楽しめました。
イヤホンによっては表現しきれないこともある、サビの高いボーカルの声もとても気持ちよく伸びていき、最高音質を実感します。

音にクセがないので音楽ジャンル問わず楽しめますが、音にこだわりのある方はアプリのイコライザーを設定しましょう。
どの曲を聴いてもドンシャリ系統になりにくいなと感じたので、音の高低差をハッキリ感じたいときは、イコライザープリセット「V-shaped」がいい感じでした。

アプリでは音量や左右のバランスも細かく調整でき、ちょうどいい聴こえ方をとことん追求できますよ。

まとめ

音質・性能・使いやすさについて探れば探るほど、全体がかなり高いクオリティで仕上がっているのが見えた『ATH-TWX9』。
なにか1つの機能に特化しているわけではありませんが、イヤホンにほしい機能が全部つまっていて、漠然と「いいイヤホンが欲しいな」と思った時にまず候補に入る1本です。

原曲の再現度の高い音質と、自分の耳に合わせたNC機能は、ぜひ多くの方に味わってみてほしいです。
オーディオファンはもちろん、高性能なイヤホンをお求めの方もチェックしてみてください! 2022.09.05 (もあ)

スタッフが使ってみました

今回使用した音源 ※別カートです

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