2022.12.27

Joshin 試用レポート

ソニー BRAVIAの液晶・有機ELをまとめて確認! X95KやA95Kの映像の違いを確かめてみた

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ソニー BRAVIA(ブラビア) 液晶テレビ「XRJ-65X95J」「XRJ-65X95K」、BRAVIA 有機ELパネル「XRJ-55A80K」「XRJ-55A95K」

事務所にソニーの大型テレビ4台が届いた。並べた。見比べた!
今回は液晶テレビ「XRJ-65X95J」「XRJ-65X95K」と、有機ELパネル「XRJ-55A80K」「XRJ-55A95K」をまとめてレポートします。
最近やっと液晶テレビと有機ELの違いが分かってきたけど、液晶テレビに「MiniLED光源」を使ったパネルが出たりしてまたややこしくなってきた。
最近のテレビの違いを知りたい方も、ソニーのブラビア XRシリーズを知りたい方も要チェック! ライター:ぴよこ

ソニーの液晶テレビ2台・有機ELパネル2台を会議室に並べた

  • 最初に言うのもアレですが、映像は全部キレイです
    最初に言うのもアレですが、映像は全部キレイです
  • 会議室にソニーのブラビア 液晶テレビ XRJ-65X95J※1・XRJ-65X95K※2 と、有機ELパネル XRJ-55A80K※3・XRJ-55A95K※4が届いた。
    (以下:※1 X95J / ※2 X95K / ※3 A80K / ※4 A95K)
    会議室が広いのでテレビの大きさが伝わりにくいかと思うけど、液晶テレビは65型、有機ELパネルは55型と大型なのだ!

    今回は液晶テレビ・有機ELパネルの新旧モデルを比較しながら特長を見ていく。
    液晶パネルの大きな違いは、光源が「直下型LED」と「Mini LED」か。
    有機ELは「従来の有機ELパネル」か「新パネルQD-OLED」か。
    それによって映像はどれほど違うのかを中心にチェックしていく。

ブラビア 4K対応 LED液晶テレビ X95J・X95Kの映像の違い

  • ブラビア LED液晶テレビX95J(直下型)、X95K(Mini LED)
    ブラビア LED液晶テレビX95J(直下型)、X95K(Mini LED)
  • 光の当たる白い部分もX95Kは細かく見える
    光の当たる白い部分もX95Kは細かく見える

ブラビアの4K対応液晶テレビである『X95J』と『X95K』。
液晶テレビといえばバックライトに直下型LEDを採用したモデルが一般的。
見た瞬間に「明るい!」と感じる華やかさはあるものの、黒の表現にはやや弱く、白っぽく見えるという欠点もあった。

そんな欠点を補うと最近注目を集めているのが、バックライトに「Mini LED」を採用した液晶テレビだ。
直下型LEDよりも小さなランプ(約1/100の大きさ!)をバックパネルにギッシリ敷き詰めることで、光を細かく制御でき、明暗の表現が上手く、高コントラストな映像が楽しめる。

つまりMini LEDの液晶テレビは「液晶テレビらしい明るさを持ちつつ、影(黒)の表現も上手い」のだ。
実際にバックライトが直下型の「X95J」と、Mini LEDを採用した「X95K」で同じ映像を見比べてみよう。
太陽光で照らされた動物の肌の凹凸や毛の状態が、X95Jでは明るい事で白トビとまではいかないが、X95Kと比べるとコントラストに欠けている印象。
X95Kは、質感が細かい所までくっきりと映しだされていた。

映り込みを抑えるパネルは斜めから見てもキレイ

  • X95Jを斜めから見た。蛍光灯は映りこんだが机の反射は気にならない
    X95Jを斜めから見た。蛍光灯は映りこんだが机の反射は気にならない
  • X95K。蛍光灯は映りこみ、うっすらと机の映り込みが見える程度
    X95K。蛍光灯は映りこみ、うっすらと机の映り込みが見える程度

液晶はバックライトの影響で、斜めから見た時など、角度によって白っぽく見えてしまうが、X95J/X95Kはソニー独自の光学設計「X-Wide Angle(エックスワイドアングル)」によって、斜めからでも正面から見た時と同じような高コントラスト表現ができる。
VAパネルの強みである高いコントラストを発揮しながら、弱みである視野角をしっかりカバーできている。

斜めから見ると天井の蛍光灯が映り込んでしまったが、X95Kの方は映り込みを抑えるパネル加工「エックスアンチリフレクション※」の効果があるのかわずかにましに感じた。
どちらも、全く映りこまないという訳ではないが、正面から見ている時は暗めの映像でも自分の姿などはほとんど気にならなかった。
※X95Jは75型、85型に搭載

X95Kはよりコントラストが高くて鮮やかに見える

  • カラフルな野菜。X95Kの鮮やかさが際立っている
    カラフルな野菜。X95Kの鮮やかさが際立っている
  • 黒が強いと質感がまったく異なって見える
    黒が強いと質感がまったく異なって見える

グラデーションになるよう並べられたカラフルな野菜がギュッと集まっている映像。
さすがどちらも4Kなだけあって高精細だが、光の制御が上手いX95Kは影の部分が際立っていて、野菜の艶やかさと奥行がはっきりと伝わってくる。
どっちが美味しそうかと言われると、圧倒的にX95Kだった。
野菜を手に取った時の質感までも伝わってくるようなリアルさがある。

同じ映像で同じ内蔵エンジン「XR コントラスト ブースター」だったとしても、バックパネルが違うだけで表現の仕方がより繊細にできている。
※ X95Jは「XR コントラスト ブースター 10」、X95Kは「XR コントラスト ブースター 15」を搭載

光が少ない部分は黒すぎると感じる場合も

  • 光と影の陰影さが激しいシーンだと
    光と影の陰影さが激しいシーンだと
  • X95Kだと少し暗すぎて情報が認識しにくい
    X95Kだと少し暗すぎて情報が認識しにくい

ここまでMini LEDパネルのX95Kを褒めているけど、時々「暗すぎる」と感じる場面も正直ある。
逆光の中、建物に座る子どもの映像シーンを見た時、X95Kは黒の深みがありすぎて黒潰れしてしまっている印象だった。
子どもの表情が確認しづらく、石の建物の地面や柱の模様も、直下型LEDのX95Jの方が明るくてハッキリと見えた。
シーンによってはこのような結果になることもありそうだ。

スピーカー部

  • 背面右側の端子に注目していると…
    背面右側の端子に注目していると…
  • チラッと見えるスピーカーを発見
    チラッと見えるスピーカーを発見
  • 左右にはトゥイーターを配置
    左右にはトゥイーターを配置

背面パネルを見ると内蔵されているスピーカーがチラッと見える。
X95Jは左右に音の定位と音場再現を向上させるトゥイーター、背面に独立したサブウーファー、画面から音が出ているように感じるミッドレンジスピーカーを2基搭載し、計5つのスピーカーで立体音響を生み出す。

X95Kはさらにサブウーファーを1つ増やし、計6つのスピーカーで映像の音を再現。
前後左右に加え、X95J・X95K共に高さ方向の音表現も可能にする立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応し、テレビのスピーカーだけで映像を楽しむ人を包み込むような音が体感できる。

設置環境に合わせて変更可能な3-Wayスタンド

  • スタンドは2段階で高さ調整できる
    スタンドは2段階で高さ調整できる
  • 高さを変えると隙間ができた
    高さを変えると隙間ができた
  • スタンドは中央寄せにもできる
    スタンドは中央寄せにもできる

4Kで高精細で大画面のテレビ。テレビのスピーカーだけでも良い音は楽しめるけれど「もっと」という方だとサウンドバーを設置する事もあるかと思う。
X95J&X95Kは、スタンドの位置を好みで調節できる「3-Wayスタンド」仕様になっていて、サウンドバーもスッキリ置ける。

画像のようにスタンドを外側に配置する他、中央に寄せて内側に付けられる。
高さは2段階で調整ができて、高さをあげるとテレビを台より少し浮かせたような状態になる。
本体とスタンドの支柱をネジ留めして固定するので、スイーベル(首振り)機構はない。

スタンドの高さを変えると「スタンドバースタイル」に変身!

  • 画面と被る事なくサウンドバーが置けた!
    画面と被る事なくサウンドバーが置けた!
  • HT-X8500なら画面の下に潜り込ませられます!
    HT-X8500なら画面の下に潜り込ませられます!

スタンドを伸ばせば「サウンドバースタイル」になり、スタンドとの間にサウンドバーを設置できる空間ができる。
今回、サウンドバーHT-X8500を用意してテレビの下に置いてみたらちょうどスッポリ!
ほぼ隙間なく納まる気持ちの良い見た目になった。
テレビの前にサウンドバーを置くと画面と重なるしケーブルの見た目もイマイチなので、サウンドバーをお使いの方はぜひスタンドの調整を行ってください。

ブラビア 4K対応 有機ELパネル A80K・A95Kの映像の違い

新パネル「QD-OLED」は有機ELとは思えない明るさ!

  • ブラビア 有機ELパネル A80K、A95K
    ブラビア 有機ELパネル A80K、A95K
  • こんなに明るさが違うのはなぜ…!?
    こんなに明るさが違うのはなぜ…!?

完璧な黒の表現ができ、高コントラストで色鮮やかな映像が特長の有機ELテレビ。
なぜ黒の表現がうまいのかというと、有機ELパネルは液晶テレビと違ってバックライトを搭載せず、パネルそのものが自発光する。
パネル全体をライトで明るく照らす液晶テレビに対し、有機ELは画素ごとに発光・消灯ができるので、完全な黒(パネルそのものの色)を使いながら、高コントラストな映像表現ができる。

A80K・A95Kの映像を見比べてみると、どちらもコントラストが高く高精細なのだが、A95Kの有機ELパネルらしくない明るさはなんだ?
その理由は改良された新パネル「QD-OLED」にあるらしい。

  • 野菜が万華鏡のように反射している映像
    野菜が万華鏡のように反射している映像
  • 自発光パネルの有機ELは斜めからでも鮮やか
    自発光パネルの有機ELは斜めからでも鮮やか
  • A80Kも高精細・高コントラストだが
    A80Kも高精細・高コントラストだが
  • A95Kの色彩が豊か過ぎる
    A95Kの色彩が豊か過ぎる

A95Kは新しい「QD-OLED」パネルを採用しており、A80Kにも採用されている従来の有機ELパネルより色彩輝度を最大で200%まで拡大。
映像や音を認識・分析する脳となる部分は同じ、認知特性プロセッサー「XR」だが、認知特性プロセッサー「XR」の信号技術をQD-OLEDパネルとかけ合わせることで、引き締まった黒と眩しい輝きを両立し、より鮮やかで高コントラストな映像表現ができるようになった。

難しい事は抜きにして、A80KとA95Kの映像を見れば、その発色の違いはよく分かると思う。
もちろん斜めから見ても映像が薄く見えたりすることなくクッキリ見えるから凄い。

液晶テレビと有機ELの明るさだけを比べるとどうなの?

  • 液晶テレビと並べると、明るさはやっぱり液晶テレビ
    液晶テレビと並べると、明るさはやっぱり液晶テレビ
  • 会議室では液晶テレビのX95J、X95Kと、有機ELのA80K、A95Kを横に並べていた。
    A80Kと比べて明るいA95Kだが、液晶テレビと比べると、当然だが液晶テレビの方が明るい。
    画像にするとその差がよく分かるのだが、実際に映像を見ると高コントラストでキレイな映像はやはり有機ELの方で、このコントラストの高さに液晶テレビの明るさが付くと目が疲れそうな気もする。

    ちなみに今回並んでいる4つのテレビはどれもハンズフリーで音声操作ができる。
    ここで「OK Google」というと全部反応するのだ。

A95Kのスタンドはフロント・バックで変更ができる

  • A80Kの脚は細く、3-Wayスタンド仕様
    A80Kの脚は細く、3-Wayスタンド仕様
  • A95Kはパネルスタンドで前後で向きを変えられる
    A95Kはパネルスタンドで前後で向きを変えられる

A80Kのスタンドは、X95J/X95Kと同じ、設置環境に合わせて変更可能な3-Wayスタンド仕様の細い脚だ。
A95Kは2つの佇まいが選べるデュアルスタイルのスタンドで、装着位置をテレビより前・後ろで変更できる。どちらもスイーベル機構はなし。

A95Kのスタンドをテレビより前にすれば「バックポジションスタイル」。
テレビの後ろに数センチだけ出てくるスタンドは、テレビの厚みと変わらないので、テレビを壁際ギリギリまで寄せての設置ができる。
壁掛けテレビのように部屋に溶けこみ、テレビ台の手前に空間ができる分、部屋の空間も少し広く感じられるかと思う。

スタンドを取り付ける時はスタンドの重量にご注意

  • スタンドはネジ留めされています
    スタンドはネジ留めされています
  • 持ってビックリ。スタンドの重さは約9.8kg! 重い!
    持ってビックリ。スタンドの重さは約9.8kg! 重い!
  • フロントポジションスタイルに変更!
    フロントポジションスタイルに変更!
  • 視界に映像しか入らない、高い没入感があるスタイル
    視界に映像しか入らない、高い没入感があるスタイル

スタンドがテレビの後ろに隠れる「フロントポジションスタイル」に変えてみよう。
スタンドはネジ留めを外せば簡単に着脱でき、方向を変えるだけ。
ただ、テレビを支えるスタンド支柱は5cm以上あり、重いテレビを持ち上げるのにこの高さは結構ツライ。
男性スタッフがテレビを持ち上げきったのを見計らい、素早く女性スタッフがスタンドを隙間から引いたのだが、実はこのスタンドがすごく重かった。
今回55型のテレビのスタンドだったのだが、スタンドだけで9.8kg、65型だと13.9kgだ!
今回は着脱時にその重さを知ったが、ご自身で設置・取り付けをされる場合には慎重に作業を行ってください。

スタイルを変更するとスタンドの存在が消えて、台の上に映像だけが浮いているかのような見た目になり、視界が映像で埋め尽くされる。
映像により没入したいならおすすめのスタイル。

A80K、A95Kのスピーカーは?

  • A95Kの背面端子付近
    A95Kの背面端子付近
  • A95KはA80Kよりも大型スピーカーを搭載
    A95KはA80Kよりも大型スピーカーを搭載

A80K、A95Kもドルビーアトモスに対応し、テレビのスピーカーだけで立体的な音が楽しめる。
搭載しているスピーカーの数だけでいうと、A80Kは5基(中央アクチュエーター、高音域をカバーした左右のアクチュエーター2基、テレビ下側にサブウーファー2基)搭載し、A95Kは4基(迫力のある重低音を出力するサブウーファー2基、画面を振動させて高音質を生み出すアクチュエーター2基)と、A80Kの方が多いが、A95Kの方が大型スピーカーで最大出力は60Wと大きい(A80Kは50W)。

A80Kはサウンドバーを設置しやすいスタンドではあったが、A95Kはスタンドとパネルが一体化に近い状態なので、サウンドバーをテレビの前に置くのはやや難しそう。
音質を求める方だとA95Kの60Wというのは少々物足りないと思うところもあるかも知れない。

まとめ

  • 【動画】
    【動画】X95KとA95Kの映像を動画にしてみました
  • 液晶テレビと有機ELパネル、結局どっちがいいの?という話をよく耳にするけど、どちらにもそれぞれ強み・弱みを持っているので一概に「こっち!」とは言えない。
    高コントラストを求めるなら有機ELパネルだけど、コスパをとるなら液晶テレビだったり、条件に合わせてお選び頂ければ納得の1台が見つかります。
    今回レポートしたソニー ブラビアの4機種だと、MiniLEDは液晶の弱いところをカバーしつつ、有機ELパネルのような高コントラストな映像表現ができるX95Kは、とてもバランスが良いモデルだと思います。
    X95KとA95Kが映し出す映像をカメラで撮影して動画にしたので、ぜひ参考にしてみてください! 2022.12.27 (ぴよこ)

ソニーBRAVIA 液晶テレビ X95J/X95K

ソニーBRAVIA 有機ELパネル A80K・A95K

登場したサウンドバー HT-X8500

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