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Joshin 試用レポート
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サイズ(mm):W×H×D (CIPA準拠 幅 × 高さ × 奥行き 突起部含まず) |
134.1×90.9×68.9 | 144.4×146.8×75.4 |
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質量(本体のみ) | 約498g | 849g |
記録媒体 | スロット1はUHS-T・II、 スロット2はUHS-T対応 |
スロット1,2共に UHS-T・IIに対応 |
電源 | BLH-1×1 | BLH-1×2 |
GPS フィールド センサーシステム |
- | 〇 |
撮像画面サイズ | 17.4mm×13.0mm | |
撮像センサー | 4/3型Live MOSセンサー | |
カメラ部有効画素数 | 2,037万画 | |
使用可能温度 | −10〜+40°C(動作時)、-20〜+60°C(保存時) | |
使用可能湿度 | 30〜90%(動作時)、10〜90%(保存時) |
センサーはOM-D E-M1 MarkIIと同じLive MOSセンサーを採用し、有効画素数は約2037万画素。画像処理エンジンも同じTruePic VIIIを採用しているのですが、それを2基搭載することで、起動時間などを短縮する他、「インテリジェント被写体認識AF」や「手持ちハイレゾショット」、「ライブND」といった撮影が可能になりました。
フラグシップ機が、撮影者の好みに応じてボディが選べるようになったのは嬉しい。今だけ100周年記念モデルとして、OM-D E-M1 MarkIIはシルバーも選べます(全世界2000台限定)。オールドデザイン感じるシルバー…良いなぁ…。
去年、M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROを含めた新しいレンズが登場しましたが、M.ZUIKO PROレンズのラインナップも揃ってきています。
小型軽量設計レンズなので、超望遠レンズを付けたとしても、他社のカメラに比べると小さめです。ここがシステム機動力という強みになっています。これまでのオリンパスのカメラと比較すると大きいものの、600mm相当のPROレンズでも手持ちでいけるとなると、同クラスのカメラと比べれば小型軽量です。三脚が使えない場所でも豊富なレンズ群すべてが手持ちで責められるというのは、やはりシステムの強みではないでしょうか。
PROレンズも防塵・防滴構造ですが、レンズの交換時に万が一、ボディ内部にゴミが入り込んだとしても、カメラのダストリダクションシステムによって超高速振動で弾き飛ばします。 OM-D E-M1Xには従来の機種に比べて新たにセンサーにゴミが付着しにくくするコーティングも施されていて、更に安心な仕様になっています。
OM-D E-M1Xのグリップは、医療デザインのノウハウを活かし、長時間握っていても疲れず、縦持ちに変えても操作性が変わらないボタン配置になっているなど、ホールディング性や操作性にこだわった設計になっています。長時間使っていると、そのフィット感が体感できるかと思います。グリップが大きい分、小指までしっかり安定します。重さは従来機種よりはやはり重いのですが、グリップが握りやすいので実際に片手で持ち歩きながら撮影していてもそんなに負担になっている感覚はありませんでした。
そしてOM-D E-M1Xは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROレンズとの組み合わせで最大7.5段という手ぶれ補正を実現!同組み合わせで最大6.5段だったOM-D E-M1 MarkIIでも強力でしたが、最大7.5段とさらに強力に!
1〜2秒という低速シャッターでも手持ち撮影が実現可能とも言われており、暗い場所や不安定な場所での撮影にも心強いですね。
ボタン部の配置も高さを変えたり、ボタンに突起があったりと、ファインダーを覗きながら操作を行う際に、指先の感触でどのボタンなのか判断しやすいよう工夫されています。
埋め込み式ダイヤルは前と後ろの両方に配置。さらにマルチセレクターが新たに配置され、AFエリアを素早く移動できます。このマルチセレクターも、縦横どちらの撮影でも操作可能となるように、親指で操作が行える位置に2つ配置されていますよ。
更にOM-D E-M1Xはボタンへの機能割当設定が設定画面でカメラの絵と機能を一覧で確認しながら行えます。分かりやすいですね。
設定画面を調べてみましょう。撮影方法の選択並びに、OM-D E-M1 MarkIIでも搭載されていたハイレゾショットがありますが、『手持ち』モードが追加になっています!
OM-D E-M1 MarkIIでは三脚を使って固定し、50M画素相当の高解像写真(OlympusViewer3などを使用すれば80M)を生成していましたが、OM-D E-M1Xでは手持ちハイレゾショットでも50M画素相当の撮影が行えます。
AFターゲットモード設定は新たにグループ25点が追加され、更にAFエリアが縦11点、横11点から任意のパターンをして指定できるようになっています。マルチセレクターの搭載などにより、AFの操作性はOM-D E-M1 MarkIIよりも向上しています。
堅牢性を高めたOM-D E-M1Xのバッテリー挿入部はカートリッジ式で、側面のつまみを回して引くと2つの電池が出てきました。2つのバッテリー使用時、通常撮影なら約870枚、低消費電力撮影なら約2580枚もの撮影が可能。
バッテリー残量や、2つのバッテリーのどちらを優先的に使用するかなど、設定画面で確認も行えます。 ちなみに、バッテリー1つでも問題なく使用できます。
さらにUSBによる充電/給電にも対応(端子はmicro-USB Type-C)しています。いざという時にモバイルバッテリーから充電ができるのは便利ですね!
カードスロット部も同じようにつまみを回してカバーを開ける、安全に配慮された設計です。メモリーカードはUHS-II対応ダブルスロットとなっています。ここもOM-D E-M1 MarkIIより良くなっていますね。
OM-D E-M1 MarkIIにもなかった新たな機能『ライブND撮影』。NDフィルターを使わずとも、NDフィルターを使ったかのような撮影が行える「ライブND」。
露光した複数の画像を合成し、スローシャッター効果が得られるという撮影機能です。シャッターを押さなくてもファインダーや液晶画面で効果も確かめられ、設定によりND段数も調整できます。
実際に流れる水を撮影してみました(モード:ND32)。難しい設定もいらず、楽にND効果が得られました。しかも手持ちで撮れました。こんなに簡単に撮れていいものなのか。しばらく同じ場所で水ばっかり撮影していました。
レンズの形状からフィルター装着ができない「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」との併用は特にお薦めです。
ディープラーニング技術を活用してアルゴリズムを開発した『インテリジェント被写体認識AF』。画像処理エンジンを2基搭載することでリアルタイム処理を実現。
追尾被写体設定を見てみると【モータースポーツ】【飛行機】【鉄道】と選択が行えます。それぞれの被写体モードを選ぶと、カメラが自動的にその被写体の認識をはじめ、シャッターを半押しすると、鉄道であれば運転席にピントを自動的に合わせます。
ミニカーでも反応したのでAFの動きを動画でご確認ください。白い枠が出て車の識別をし、シャッターを半押しすると、運転席にピントを合わせる緑の枠に変わります。
ピントを合わせるのをカメラに任せ、構図に集中して撮影したい、という場面で一役買ってくれます。より良い撮影に繋がる機能になっています。
一目見た時、あまりの大きさにマイクロフォーサーズの良さが消えちゃった!と思ってしまいましたが、使ってみるとグリップのフィット感が高いからか、ずっと持ちながら歩いていました。
重さにすぐに慣れたようです。エンジンが2基付いた事で、手持ちでハイレゾショットが可能になり、ライブND機能が追加され、AFの性能がアップしています。
指定レンズとの組み合わせで最大7.5段という手ぶれの強さもあり、三脚を使わなくても撮影できる場面も増えますので、使い勝手は良いのではないでしょうか。ライブNDが手持ち撮影できるのは感動しました。
筆者が使うのはどっち?と言われると、技量もないし、小型軽量に重きを置いているのでOM-D E-M1 MarkIIになってしまいますが…風景やスポーツなど、レンズを何本も持ってカメラを撮影されるカメラマンなら、縦グリップがあって、縦にしてもボタン配置が変わらず、三脚が立てられないような場所でも手持ちでハイレゾショットができて…などと、OM-D E-M1Xを選びたくなる要素があります。新たな選択肢として作り出されたOM-D E-M1X。どちらのフラグシップ機にするか、悩んでみてください。
2019.2.15 ぴよこ
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