2021.09.23

Joshin 試用レポート

国内イヤホンブランド「clariar」のファーストモデル『i640』を試聴レビュー!

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クラリア バランスド・アーマチュア型インイヤーイヤホン clariar i640 CLA-0048

イヤホン界に新たな国産ブランド「clariar(クラリア)」が誕生しました。
カスタムIEMの製造・開発に関わってきたエンジニアが「明瞭でリアルなサウンド」を求めて立ち上げたブランドで、早くも注目をあびています。

そんなclariarのファーストモデルとなる『i640』をお借りしたので、外観とサウンドを詳しくチェックしていきます!
少し試聴してみると、音全体がクリアで低音ベースに深みのある、個人的に「音楽をもっと聴きたい」と思わせるベストな音になっていることが分かる!これは期待大です!
ライター:もあ

clariarのファーストモデル「i640」の特徴

  • clariar「i640」
    clariar「i640」
  • 明瞭なリアルサウンドをつくる6BAドライバー構成
    明瞭なリアルサウンドをつくる6BAドライバー構成

日本のカスタムIEMブランドで製造・開発に携わったエンジニアが立ち上げた新ブランド「clariar」。
明瞭、鮮明、透明を意味する「clarity」から名付けられ、その名の通り「見通しの良い明瞭なサウンド」が特徴です。

そんなclariarのデビュー作となる『i640』は、埋もれがちな細かな低域や一瞬の音の立ち上がりを逃さない、いつも聴いている音楽の新たな魅力を発見できるイヤホン。
下記の6つのバランスドアーマチュア(BA)型ドライバー構成を採用して、曖昧さのないクリアなサウンドを作り上げます。

低域 :低域の再生能力に優れるKnowles製のベントホール付きデュアルBAドライバー ×2
中低域:質感に優れるSonion製BAドライバー ×1
中音域:カスタマイズされたKnowles製BAドライバー ×1
高域 :伸びが良く空気感の優れるKnowles製デュアルBAドライバー ×2

特に低域の応答性と、音かぶりのないクリアな音にはこだわっていて、近年人気の曲に多く使われる深い周波数帯を忠実に再現するため、イヤホン本体の内部にベントホールを設けて圧力を調整。
さらに他の帯域に影響しない芯の強い音になるよう、通常の音響抵抗フィルターに加えて高密度特殊多孔質フィルターを多段で音導管に配置する徹底ぶりです。

「迫力の低域といえば、ダイナミックドライバー」というイメージを持っていたので、低域に趣を置いたBA型ドライバーがどのような音を出すのか、すごく気になります・・・!

シンプルながら個性的な外観

  • ツートンカラーのシンプルな本体
    ツートンカラーのシンプルな本体
  • ステムも個性的
    ステムも個性的
  • MMCXコネクターに繋がるネジ止め
    MMCXコネクターに繋がるネジ止め
  • Acoustune製のイヤーチップが付属
    Acoustune製のイヤーチップが付属

セット内容:本体、フレキシブル4コア OFCケーブル、Acoustune イヤーチップ(AET07、AET02)レザーキャリングケース、保証書(1年間)
質量(約) :片方9g(ケーブルを除く)
ケーブルの長さ(約):1.2m

本体はブロンズとブルーグレーのツートンカラーで、MMCXコネクターにつながるネジ止めしたようなアクセントパーツがデザイン性抜群です。
CNC切削加工とサンドブラスト処理がされた、アノダイズドアルミニウム合金製のフルメタルボディで、マットな質感ですが光があたる角度によって反射したり影ができたりと表情を変える部分も。
色もデザインもシンプルながら個性が光り、飽きのないデザインになっていると感じます。

重量は片方約9gで、ズッシリと重量感があります。
この重さは長時間音楽を聴くときに気になるのでは・・・?と思いましたが、i640はカスタムIEMの技術も盛り込まれたイヤホン。
実際に装着すると、ステムにかけての凹凸が耳にうまくフィットして、思っていたよりも重くないなという印象です。
耳にかけるケーブルがとても細く軽いのもあって、この大きさのイヤホンでは装着感はトップクラスだと思います。

イヤーチップは、Acoustune製のシリコンタイプ(AET07)が3サイズと、フォームタイプ(AET02)が1つ付属しています。
ちなみに筆者は、標準型のシリコンイヤーチップでは、この「AET07」が1番好きかもしれないくらいお気に入り。
軸がしっかりして厚みがあるのでポロッと落ちそうになることがなく、中高域をクリアに聴かせてくれますよ!

写真にはありませんが、本革製のレザーケースも付属していて、本体、ケーブル、イヤーチップすべてをまとめて持ち運べます。

  • フレキシブル4 コアOFC ケーブル
    フレキシブル4 コアOFC ケーブル
  • ケーブル分岐部にもメーカーロゴが!
    ケーブル分岐部にもメーカーロゴが!
  • MMCX端子を採用
    MMCX端子を採用

ケーブルは、左右の遅延を軽減するOFC(無酸素銅)導体の4芯構造。
コネクター部はベリリウム銅 MMCX端子を採用し、プラグは一般的な3.5mmステレオミニ端子です。

Y字部分にはさり気なくメーカーロゴが入っていて、接続部やプラグは本体カラーと同じブルーグレーでデザインされています。
本体と接続した時には統一感があって、なによりメタリックなグレーは黒色にめちゃくちゃ映えます!やっぱりデザイン性が高い!

ケーブルは細身でほとんど重さを感じないくらい軽量。
ワイヤーはなく、耳掛けするときはしなやかに耳に添うように流すイメージです。

音を聴いてみた

  • 装着イメージ
    装着イメージ
  • 明瞭感のあるバランスのいいサウンド
    明瞭感のあるバランスのいいサウンド

装着してみた

コネクター部の赤色を右、青色を左に装着します。
耳穴まわり全体をすっぽり覆うように入れ込み、少し反時計回りに動かすと凹凸が耳のくぼみにしっかりフィットします。

カスタムイヤホンをあまり使ったことがないのもあり、本体の大きさからは想像できない装着感の良さに驚きました。
耳をしっかり塞ぐので遮音性も高く、音漏れの心配もなさそうです。

音の感想

どんな曲調でも「明瞭でリアルなサウンド」になるのか、ソニーのウォークマン『NW-ZX507』を使用して、様々な音楽ジャンルを聴きこんでみます。

最初に、楽器や声の重なる箇所の多いアップテンポでダンサブルな曲を試聴。
ノイズや音のくもりが一切感じられず、ハイエンドスピーカーで聴いている時のような空気感で、演奏が直接耳に届く印象です。
特にバスドラムの打ち込みなど低域の立ち上がりがとても速く「BAドライバーは中〜高域が得意」というイメージを覆されました。

BAドライバーではなかなか聴けない深みのある低域に気を取られますが、楽器の多いハデなサウンドの中でもボーカルの存在感は薄れず、浮かび上がるような立体感のある声が響きます。
これは音がどれだけ多くても、スッキリとまとまってバランスよく鳴らしているからだと思います。

様々な音楽ジャンルを聴いてみましたが、アップテンポな曲では音にキレがあり分離感も確認でき、ゆっくりとした曲調になると音がキレイに混じりあうように聴こえ、原曲の雰囲気を崩しません。
得意な音に尖りはなくバランス型で、音場が広く埋もれる音がないので「ここに音入っていたのか!」「このビブラートこんなに長く伸びていたのか!」などいつも聴いている曲でも新たな発見の連続でした。

Levitating / DUA LIPA

楽器も声も多く混ざり合う、迫力のあるダンサブルな曲です。
1音1音の輪郭がハッキリしているので音があやふやになることがなく、これだけ音が多い中でひとつの楽器を追い続けられるのは本当にすごい!
ドラムのアタックが強く音にキレがあり、後半の曲の盛り上がりにかけては特にパワフルな音をつくっています。

スロウダンス / 鬼束ちひろ

ゆったりとしたピアノ演奏からスタートしますが、分離感のあったアップテンポな曲と違い音が混ざり合うように流れていきます。
なにより驚いたのが入り出しのボーカルの声。
艶やかな声が遠くまで伸びていく様子に、音場の広さを実感します。
ボーカルの声がくっきりと浮かび上がり、立体感のあるサウンドに負けない絶妙な音のバランスを感じられました。

まとめ

「明瞭でリアルなサウンド」を求め作られた、新ブランドclariarのファーストモデル『i640』。

音のバランスが非常によく原曲に忠実な音作りですが、音がとてもクリアなので、今までは埋もれていた音がどんどん前に出てきます。
一通り音楽を聴くと「この曲はどんな風に表現されるだろう」と、次々といろんな曲を引っ張り出して聴きたくなる、かなり中毒性の高いイヤホンでした。

本体が少し大きめでフルメタルボディな分、重さは感じやすいですが、装着感のよさと音の聴きやすさで長時間聴くのも全く苦ではありません。
そのあたりはカスタムIEMの製造・開発を経験したエンジニアの技術が詰まっていると感じます。

ブランドのデビュー作として、とても高いクオリティに仕上がっている『i640』。
音にこだわりたい方、カスタムイヤホンよりも手軽に高音質を楽しみたいという方に特におすすめです。 2021.09.23 (もあ)

スタッフが使ってみました

視聴に試用したソニー ウォークマン NW-ZX507

今回使用した音源 ※別カートです

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