2022.05.19
Joshin 試用レポート
ながら聴きも没入感も両立するカナル型イヤホン!ソニー 完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」を試してみた!
ソニー ノイズキャンセリング機能搭載 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン LinkBuds S WF-LS900N
ソニー社から、高性能ノイズキャンセリング機能と、バランスのいい高音質を実現した完全ワイヤレスイヤホン『LinkBuds S』が登場しました。
カナル型イヤホンなのに、なぜオープン型イヤホン「LinkBuds」の名前を引き継いでいるのか不思議でしたが、外音取り込み機能の精度が高くて、オープン型同様ながら聴きにピッタリ!
音楽に集中したい時から周囲の音を自然に取り込みたい時まで、あらゆるシーンで使えるLinkBuds Sを試していきます!
ライター:もあ
ソニー「LinkBuds S」外観と主な機能をチェック
セット内容 | 本体、充電ケース、USBケーブル(USB Type-C/約20cm)、ハイブリッドイヤーピース(SS/S/M/LL)、保証書、使用上のご注意/主な仕様 |
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質量(約) | 4.8g(片方) |
対応コーデック | SBC/AAC/LDAC(※LDACはアプリで設定) |
防滴性能 | IPX4※ ※IPX4:いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
ソニー社が今回発売する完全ワイヤレスイヤホンは『LinkBuds S』だと聞き、あの独特の形状の「LinkBuds」にもう新モデルが!?と見に行くと、そこにあったのはよく見るカナル型イヤホン。
形状はコンパクトなカナル型の「WF-C500」に近く、穴も空いていなければ、ドーナツのようなリングもありません。
LinkBuds Sは、大人気のハイエンドモデル「WF-1000XM4」と同じ統合プロセッサーV1を搭載した高性能ノイズキャンセリング(以下:NC)機能を持つ完全ワイヤレスイヤホン。
ボディはNC機能とLDAC再生に対応しているイヤホンの中で世界最小・最軽量※で、耳からの飛び出しが少なく、長時間着けていても疲れにくい抜群のフィット感を実現しています。
(※ 2022年3月30日時点。ソニー社調べ)
ノイズのない中でソニーらしいクリアな高音質を楽しめるのはとても魅力的ですが、今のところLinkBudsとの共通点は「本体がめちゃくちゃ小さい」くらいしか見当たりません。
そもそも、LinkBudsは耳を塞がず周囲の音が自然に聞こえる、ながら聴きに最適なモデル。
遮音性を高くしてNC機能を搭載したLinkBuds Sは、ながら聴き向けではないのでは・・・と思ったら、周囲の音を取り込む「外音取り込み機能」が、かなり高レベルでした!
アプリで調節できる自然な外音取り込み機能
本体に内蔵したマイクで周囲の音を取り込む「外音取り込み機能」。
電車のアナウンスを聞きたいときやレジで会話をしたいとき、車や自転車に気を付けたいときなど、多くのシーンで重宝します。
LinkBuds Sの外音取り込み機能は、従来モデルよりも周囲の環境音を取り込む量を増やして、自然でクリアな音を実現。
実際に外音取り込み機能をオンにして室内で音楽を聴いてみたところ、人の声や電話の音などの環境音がとても自然に入ってきます。
本体が軽量なのもあって、LinkBudsのように耳に何も付けずスピーカーで聴いているような感覚を味わえました。
驚いたのは、他のイヤホンに多い「サーーッ」というホワイトノイズがほとんど確認できなかったことと、パソコンのキーボードの打鍵音が耳に突き刺さるような機械っぽい音ではなく自然に聞こえたこと。
外で試してみてもイヤホンを付けていない時のように周囲の音が聞こえます。
本体のマイク部がメッシュで包まれているからか、風の音は少しカットされているように聞こえました。
専用アプリ「Headphones Connect」を使えば、外音取り込み機能の強さを20段階で調整できます。
本体のタップでNC機能→外音取り込み機能と切り替えるときに短く音がなりますが、ブツッと音が途切れる様子がないのも、クオリティの高さを感じます。
長時間でも使いやすい小型・軽量設計
カラーバリエーションは、エクリュ/ブラック/ホワイトの3色。
エクリュはこれまでのソニーのイヤホンではあまり見なかった、黄色の強いくすみカラー。
ホワイトはWF-C500と同じく、少しグレーの混ざったオフホワイトです。
エクリュとホワイトはマットな質感でスベスベとしていますが、ブラックだけ本体とケース共にザラザラと指が引っ掛かる感じがあります。
ソニーのロゴマークはプリントされているものが多かったのですが、LinkBuds Sは刻印仕様です。
実際に手に取ってみると、本当に小さい!そして軽い!!
コロンとした本体の雰囲気はWF-C500によく似ていますが、LinkBuds Sはノズル部分がボコッと大きく盛り上がっています。
ノズルはあまり長くなく、耳の手前のくぼみにフィットさせるタイプのようです。
耳奥にグッと押し込むタイプではないので圧迫感が軽減され、イヤホンの重心が自分に近いことで落としにくい抜群の安定性を実現しています。
シリコン製のイヤーピースは、SS/S/M/LLの4サイズが付属。
LinkBuds SはNC機能もとても優秀で、圧迫感がなく自然に周囲の音をコントロールできますが、イヤーピースのサイズが合っていないと機能を充分に発揮できません。
使う前には、専用アプリで自分に合ったイヤーピースを測定してみましょう。
本体で約6時間、ケース込みで最大約20時間の連続再生が可能
ケースサイズ(約) | 35g |
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充電時間(約) | 3時間 |
連続再生時間(約) | 6時間(本体のみ)、20時間(ケース込み)※NCオン時 |
急速充電(約) | 10分間の充電で1時間以上再生可能 |
本体同様、充電ケースも手のひらサイズで、ポケットやバッグに入れてもかさばりません。
本体が小さいとケースを開いたときにポロッと落とさないか不安になることが多いのですが、LinkBuds Sは強い磁力で本体がケースに吸着するので安心です。
本体のみの連続再生時間は、NC機能が付いた分WF-C500より短くなりましたが、約10分間の充電で約1時間以上再生できる急速充電に対応しているので、あまり気になりませんでした。
試聴してみた
装着イメージとタッチセンサー操作
装着イメージ
本体を耳にまっすぐ入れて少し回転させると、耳のくぼみにピッタリとハマります。
装着時の圧迫感の少なさやズレる気配のない抜群の安定感は、WF-C500とよく似ていると感じました。
正面から見ると、耳からの飛び出しの少なさはWF-C500以上!
マスクを付けるようになってから耳付近を触れることが多くなり、その度にイヤホンがズレるのが気になっていたので、耳から飛び出さずスッポリ収まるこの形状はうれしいです。
本体操作方法
音楽の再生/一時停止 | 右側を1回タップ |
曲送り/曲戻し | 右側を2回タップ/3回タップ |
NC機能/外音取り込み機能の切り替え | 左側を1回タップ |
受話/終話 | 左側を2回タップ |
音声アシスタント機能 | 右側を長押し |
※上記の表はデフォルト設定の場合です。
専用アプリで外音コントロール/再生コントロール/音量コントロールが振り分けできます。
本体中央がタッチセンサーになっていて、タップして音楽の再生/一時停止などの操作ができます。
センサーの反応が良く、軽いタップでもしっかり反応するので、誤タップが多くなるかなと思いましたが、本体が耳からほとんど飛び出さないので誤って触れることはありませんでした。
バランスのいいクリアな高音質
ペアリング方法
ケースを開くとペアリングモードになるので、スマホのBluetooth設定で「LinkBuds S」を選んで接続します。
別の端末に接続するときは、充電ポートの隣にあるペアリングボタンを長押しすればOKです。
試聴してみた感想
アプリでBluetooth接続品質を「音質優先」に変更し、スマホでハイレゾ音源を聴いてみました。
中音域の解像度が特に高く、ボーカルの声がとてもクリアで「君に夢中/宇多田ヒカル」のように声の高低差の目立つ曲でも荒々しさがなく、スッと耳に入ってきます。
楽器の音が細かく複雑に混ざる曲ですが、バランスよくまとまっていて、原曲の良さがしっかり表現されています。
低域を増強したりなど音の味付けはあまりありませんが、アプリからイコライザーを変更すれば音にこだわりがある方も満足できると思います。
筆者は「Start The Healing/KOЯN」など重低音を楽しみたい曲をイコライザーで「Bass Boost」設定にして、身体を震わせるような迫力の音にするのがお気に入り。
イコライザーで音を変えてもクリアな中音域はつぶれることなく、バランスの良さは変わらないので、どの設定にしても聴きやすい音です。
ホワイトノイズが目立たないので、独唱など静かな曲も違和感なく聴けますし、中音域をメインに幅広い音域をキレイに鳴らすので、クラシックも得意だと感じます。
高音に抜け感のあるサウンドは、開放型のLinkBudsには1歩届かない印象ですが、耳を塞ぐ分細かい低音などを逃しにくく、音の迫力はLinkBuds Sの方があるように思いました。
まとめ
長時間着けても疲れにくい本体サイズや、ソニーらしい原曲に忠実な音作りなど『LinkBuds S』の良いところはたくさんありますが、1番スゴイと思ったのが「外音取り込み機能」です。
今まで多くの完全ワイヤレスイヤホンを使い、外音取り込み機能を試してきましたが、ここまで周囲の音を自然に取り込みながら曲も気持ちよく聴けるイヤホンはなかったように思います。
開放型じゃないし、リングもついていないのにどうして「LinkBuds」の名前が付いているんだろうと不思議でしたが、本体が小さく、ながら聴きに最適というポイントはしっかり受け継いでいました。
家にいるときは音楽に集中して外ではBGMにするなど使い分けしたい方、音漏れしにくいながら聴き用のイヤホンがほしい方にピッタリです。
「高性能だけど高価すぎないイヤホンを探している」と言われたらおすすめしたいアイテムの1つです。
2022.05.19 (もあ)