2021.09.06

Joshin 試用レポート

今までにない音の表現力!BA型+骨伝導ドライバー構成の「Mini MEST」をレビュー

メイン画像
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ユニークメロディ ハイブリッド型イヤホン Unique Melody Mini MEST UNM-8862

「ボーカルの声が凄く近いけれど、どの位置で鳴っているのか分からない!脳に直接声が響く!」
そんな今までにない音楽体験ができた、Unique Melodyの『Mini MEST』。

新感覚の正体は、バランスドアーマチュア(BA)型ドライバーに、骨伝導技術を組み合わせたハイブリッド構成。
他のイヤホンとは違う、空気振動と骨振動の2つで作り出されるクリアなナチュラルサウンドに、すっかり虜になりました。

どのように音が作られているのか詳しく探り、中音域を中心にじっくりと聴きこんでみます! ライター:もあ

Unique Melody「Mini MEST」

3基のBA型ドライバーと骨伝導ドライバー構成を採用

  • Unique Melody『Mini MEST』
    Unique Melody『Mini MEST』
  • セット内容一覧
    セット内容一覧

セット内容:本体、イヤホンケーブル、UMオリジナル・シリコンイヤーチップ、イヤーチップ(フォームタイプ)、Dignis製オリジナルレザーケース、クリーニングツール、保証書
質量(約) :5g(ケーブルを除く)
ケーブルの長さ(約) :1.22m

中国・珠海市を本拠地に、独自の補聴器技術をベースとしたカスタムインイヤーモニター(IEM)を製造・開発するUnique Melody(ユニークメロディ)。

今回レポートする『Mini MEST』は名前の通り、2020年5月に発売されたクワッドハイブリッド型 IEM「MEST」をコンパクトにまとめたモデル。
歪みのないクリアな音を作る3基のBA型ドライバーに、MESTで使用した骨伝導技術を採用し、空気振動と骨振動の2つの振動で、今までにない音楽体験ができるのが特徴です。

骨伝導とは
ドライバー自体が振動して、骨を通じて直接脳に音が伝えられるもの。
通常音を聞くときは、空気を伝って鼓膜を振動させ聴覚神経に伝わる。
実際に話す声(骨振動+空気振動)と、録音した自分の声(空気振動のみ)が違って聞こえるのは、音の伝わり方が違うためだと言われる。

MESTは8つのドライバーを搭載したクワッドハイブリッド構成でしたが、Mini MESTは低域/中音域/高域用に配置したBA型ドライバー3基+多層圧電セラミックス骨伝導ドライバー1基で構成。

中音域を担うBA型ドライバーは、専用にカスタマイズされたKnowles製のフルオープン型を採用し、音導管を介さずドライバーの音をダイレクトに届けます。
MESTと比べると規模は小さくなりましたが、ドライバーに骨伝導技術を用いているイヤホンはめずらしく、他のイヤホンではなかなか体験できない、ライブ会場で全身で音を浴びているような感覚をあじわえますよ!

3Dプリンターで精巧に作られたボディ

  • 「Mini MEST」本体
    「Mini MEST」本体
  • 側面のダークブルーが美しい・・・!
    側面のダークブルーが美しい・・・!
  • うっすらと内部が見える
    うっすらと内部が見える
  • 片方約5gと軽量
    片方約5gと軽量

音導管を介さないドライバーは配置が重要になるため、3Dプリンターで本体と一体化成型。
構造が複雑で組み立ての難易度が高く、職人の手によって1つ1つ丁寧に専用のキャビティが作られました。

本体はフェイスプレートに黒色をベースにした石のようなデザインで、他は青みの強いダークブルーととってもクール。
青い箇所はよくみると透明で、光のあたる角度によっては内部のドライバーがうっすらと見えますよ!

MESTよりも小型化し、重さは片方約5gと軽量。
ノズルが長めに伸びていて、耳の奥までしっかり届きそうです。

  • 2pin端子のケーブル
    2pin端子のケーブル
  • タッチノイズの少ない耳掛け式です
    タッチノイズの少ない耳掛け式です

ケーブルはカスタムイヤーモニターで使われることの多い「2pin端子」です。
プラグの接触不良がおこりにくい端子で、安定した高音質を楽しめますよ。

付属のケーブルは耳掛け式で、しっかりとしたハンガー部分が耳にフィットします。
耳掛けすることでタッチノイズが軽減され、髪やマスクを触るときに触れてもほとんどズレません。
本体が耳から大きく飛び出る形状なので、手が当たった拍子に落ちてしまうかと心配していましたが、問題なさそうで安心です。

ケーブルは3.5mmステレオミニプラグのみ付属。
バランス接続で聴くときはリケーブルをしてお楽しみください。

  • Dignis製オリジナルPUレザーケースが付属
    Dignis製オリジナルPUレザーケースが付属
  • 内部にはひし形の仕切りがある
    内部にはひし形の仕切りがある
  • 2種類のイヤーピース
    2種類のイヤーピース

持ち歩きにピッタリな専用PUレザーケースも付属します。
少し高さのある大きめのボックスで、中にはひし形の仕切りがあって本体とケーブルをしっかり保護できますよ!

イヤーチップは、シリコンが4サイズとフォームタイプが3サイズ付属。
どちらもカップが深めで、実際に装着すると耳穴を塞ぐというよりは、耳奥に差し込む印象です。
筆者は普段Mサイズを使用していますが、付属の中間サイズのイヤーチップは少し大きく、長時間付けると圧迫感がありました。
なかなか耳に合わない時は、1サイズ小さいものを使っても良さそうです。

音を聴いてみた

  • 装着イメージ
    装着イメージ
  • ボーカルの表現力の虜になります
    ボーカルの表現力の虜になります

装着してみた

耳に差し込むように入れて少し回すと、本体のカーブが耳のくぼみにフィットします。
耳の奥まで入れ込むのでイヤーチップが大きいと圧迫感がありますが、小さめのものだと軽く装着できますよ。
カーブ部分は丸くなっているので耳に触れても痛くなく、装着感はとてもイイです!

音の感想

フルオープン型BAドライバーが担う中音域を聴きこみたく、ソニーのウォークマン『NW-ZX507』を使用して、伸びやかでクリアな声が特徴の曲を中心に聴いてみました。

予想通り中音域はとてもクリアで厚みがあるのですが、1番驚いたのはボーカルの表現力。
一般的なイヤホンでは耳で聴いているはずのボーカルの声が、直接頭に流れてくるのです。
「ボーカルがすごく近くにいることは分かるけれど、どの位置にいるか分からない」という新しい音楽体験にすっかりハマりました。

最初はボーカルばかりに気を取られますが、数曲聴いて耳が慣れてくるとドラムやベースのズンとのしかかるように重い低域が頭に入ってきます。
特にキック音には締まりがあり、バンドミュージックなど曲によっては重低音が前に出ますが、ドンシャリにしている印象はなく音作りはナチュラルに感じます。
フォームタイプのイヤーチップを使えば細かな低域を逃がしにくく、より迫力のある音を楽しめますよ。

サウンドがメインのクラシックを聴くと、もう1歩付き抜けるような高音がほしいかなと思う箇所もありますが、音の拡がりは大きく、ホールで聴いているような臨場感もしっかりあじわえました。

群青 / YOASOBI

曲入り出しの吐息から耳で聴いている感覚がなく「なんだこの聴いたことない音は!?」と早速新たな音楽体験の虜になりました。
特に、声が複数入る箇所からサビへの切り替わりの空気感は、ライブ会場にいるような臨場感をあじわえます。
ボーカルの高音も艶やかで、スッと頭から身体に流れるように入ってくる感覚もたまりません。

Prisoner Of Love / 宇多田ヒカル

全体的にリズムを刻むドラムの音にハリがあり、他のイヤホンで聴くよりも前に出てきている印象です。
楽器の音が力強く輪郭もハッキリしているので音に迫力があり、サビではボーカルの伸びやかな声をしっかり持ち上げています。
曲終わりにかけてゆっくりと小さくなっていく声をここまでクリアに聴けたのはMini MESTが初めてでした。

まとめ

BA型ドライバーに骨伝導技術を組み合わせた『Mini MEST』。

耳を塞がないタイプの骨伝導イヤホンのように、近くにスピーカーがあるような聴こえ方なのかなと思っていたら、脳に直接声が響く!
耳をしっかりと塞ぎ、BA型ドライバーも3基搭載しているので、音の厚みと拡がり方が全然違います。
BA型イヤホンのクリアで明瞭感のある音と、骨伝導イヤホンの脳に直接音が届く感覚が合わさって、他のイヤホンにはない音楽体験ができました。

ドライバーに合わせて 精巧に作られた本体も美しく、持っているだけでテンションが上がります!
骨伝導技術を用いたサウンドを聴いてみたいけれど「MEST」までは手が届かないという方、ボーカルを中心に聴けるイヤホンがほしい方は、ぜひチェックしてみてください。 2021.09.06 (もあ)

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