2022.03.18
Joshin 試用レポート
軽量・高性能・高画質・タフネス OM SYSTEM ミラーレス一眼カメラ「OM-1」
OM SYSTEM ミラーレス一眼カメラ「OM-1」
OMデジタルソリューションズ株式会社(OM Digital Solutions Corporation)より
マイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラ『OM SYSTEM OM-1(以下:OM-1)』が登場!
OM SYSTEMの特徴である小型・軽量でありながら、高性能で高画質、アクティブに使っても大丈夫なタフネス性、その全てが大きく進化しました。
撮影シーンを選ばない、常に持ち歩けるフラッグシップモデルです。
一足先に実機を触る機会がありましたので、試用レポートをお届けします。
ライター:すいか
外観
外形寸法:約 | 幅134.8×高さ91.6×奥行72.7 mm(突起部を除く) |
---|---|
質量 | 約511g(本体のみ) |
ボディはマグネシウム合金製。E-M1 Mark IIIと比べサイズ感・重量感は大きく変わりありません(E-M1 MarkIII 約504g)。
詳しい違いは下記の性能/比較のスペック表でご覧ください。
グリップもしっかりと小指まで収まります。
カメラを持った時のフィーリングはバッチリ、自然と良い写真が撮影出来る気がします。
EVFは素晴らしいのひと言。
576万ドットの精細な表示に加え、表示遅れはなんと0.005秒
120コマ/秒の高速表示性能もあります。自分の目で見るよりハッキリしています。
OM-1はEVFに防曇処理も搭載されていますので、結露がおきやすい環境でもファインダーで撮影が可能です。
環境が悪い中でも撮影出来るOM SYSTEMがさらに使いやすくなりましたね。
液晶モニターはバリアングル仕様。
画面サイズ自体は3.0インチとE-M1 Mark IIIと変わりありませんが、画素数が増え、見やすくなりました。
親指オートフォーカス(AF)派の方々、おまたせです。
背面に独立したAELボタン、AF-ONボタンが追加されました。
E-M1 Mark IIIのAEL/AFLボタンに、同じ機能をカスタマイズしていた方も多いのではないでしょうか。
いつも、撮影するときはシャッターボタンを半押ししてAFを合わせると思います。
いざ撮影しようと半押しの状態からシャッターを押し込む際に、指が浮いてしまい再度AFがスタートしてしまった経験ありますよね。
AF-ONボタンを利用すると、シャッターボタンを押す際にAFが動かないので、意図したピントを外す事故が防げます。
シャッターチャンスに集中出来ますので、使ったことのない方は是非使ってみてください。
望遠レンズを利用する際には特に便利ですよ。
フロントダイヤルとリアダイヤルはE-M1Xと同様に半埋め込み式に変さらになりました。
E-M1 Mark IIIはダイヤルが上部に露出していたため、移動中カバンに入れた後、何かに接触してダイヤルが動いてしまい設定が変わってしまっていたということもありましたが、埋め込み式だと少しですが安心できます。(撮影前は必ず設定を確認しましょう)
2つあるSDカードスロットは、両方ともUHS-II対応になりました。
"UHS-II"とは最大転送速度が速いSDカードの規格です。
激しいスポーツなど高速連写が必要な撮影や4k動画を撮影する際に効果を発揮します。
スポーツは撮影しないな……と思った方!
被写体が何であれ、撮影後パソコンに取り込むときの時間がめっちゃ!速いですよ。
(※UHS-II規格のSDカードとUHS-II対応SDカードリーダーが必要です)
E-M1 Mark III、M1Xと性能比較
OM-1 | E-M1 Mark III | E-M1X | ||
---|---|---|---|---|
外形寸法 (約)幅×高さ×奥行mm(突起部を除く) |
134.8×91.6×72.7mm |
134.1×90.9×68.9mm | 144.4×146.8×75.4mm | |
質量(本体のみ) | 約511g | 約504g | 約849g | |
カメラ有効画素数 | 2037万画素 | |||
撮像センサー | 4/3型 裏面照射積層型 Live MOS センサー |
4/3型Live MOS センサー | 4/3型Live MOS センサー | |
画像処理エンジン | TruePic X | TruePic IX | TruePic VIIIx2 | |
ISO感度 | 約80相当〜102400 | 約64相当〜25600 | 約64相当〜25600 | |
測距点 | 1,053点 (クロスタイプ位相差AF) |
121点 (クロスタイプ位相差AF) |
121点 (クロスタイプ位相差AF) |
|
ボディ内手ぶれ補正 (シンクロ手ぶれ補正時) |
7.0段 (8.0段) |
7.0段 (7.5段) |
7.0段 (7.5段) |
|
動画記録時間制限 | 無制限 | 約29分 | 約29分 |
主な性能
新開発の有効画素数約2037万画素 裏面照射積層型 Live MOS センサー
今までのマイクロフォーサーズ規格のカメラは、センサーのサイズ上どうしても大型センサーを搭載しているカメラに比べ引け目を感じる場面がありました。
無論、小型・軽量・高性能が生かされる場面も多く、画質も性能も問題はありませんでしたが、"もう少し"欲しかったのは事実です。
OM-1は有効画素数約2037万画素 裏面照射積層型 Live MOS センサーを搭載した事で
欲しかった"もう少し"を飛び越し、マイクロフォーサーズ?と驚くほど画質が向上しました。
オートフォーカス(AF)の測距点はオールクロス1053点。
カバー率は100% 全画素、全撮影領域で位相差検出ができます。
E-M1X/E-M1 Mark IIIの測距点は121点でしたので桁違いの進化です。
実際に使っていても、暗い/低コントラストなどのAFが苦手な場面やファインダー端の被写体で素早く正確にフォーカスが合いました。
動いている被写体の撮影は、慣れるまで画面内に捉える事もむずかしく、ピントが合っていない写真を量産してしまいがちですが、新エンジン(TruePic X)の高速演算能力と新AFアルゴリズムによりOM-1は素早く正確に動く被写体を捉え続けます。
また、AI被写体認識AFを利用すれば、より簡単にピントを合わせることができます。
対応している被写体は『フォーミュラーカー・バイク、飛行機・ヘリコプター、鉄道、鳥、動物 (犬、猫)』となっています。
5軸手振れ補正はボディ単体でも最高補正能力7段※、OM SYSTEMの強みです。
※ 150-400使用時(150mm側):最大8段、12-100使用時(100mm側):最大7.5段
しっかりとホールドすれば秒単位で手持ち撮影も可能です。
意図しないスローシャッター時でも強力な手振れ補正により失敗を防げます。
三脚が必要な夜景シーンでも手持ちで撮影できるので、撮影の幅が広がります。
プロキャプチャー 最高120コマ/秒 (AF/AE固定) 連写
シャッターボタン半押しで記録を開始、シャッターボタン全押しの瞬間から最大70コマさかのぼって記録する事で、一瞬のタイムラグで見逃していたシーンの瞬間を切り抜くことが可能です。
鳥が羽ばたき飛び立つシーンなど、撮影条件が難しいシーンでもしっかりと撮影できます。
50コマ/秒に設定するとAF/AEが追従します、鳥がエサに向かって飛び出しエサを採るまでをAFで追尾し適正露出で撮影が可能です。
各種動画撮影に対応
ミラーレス一眼カメラでの動画撮影はもはやスタンダードになっていますが、OM-1もついに動画記録時間制限が無くなりました。
Vlog撮影の際に長回しが可能な4K 60pでの撮影に対応し、キレイに撮影出来ます。
外部機器への12ビットで動画RAW記録が可能で、動画上級者の方も満足出来ますよ。
(対応する外部機器: Atomos社製 NINJA V, NINJA V+)
作例
望遠/高感度/スナップ
・カモメ
AI被写体認識(鳥)で設定し、カモメを撮影してみました。
カモメをOM-1で捉えると、画面内に白い枠線(AI被写体認識)が表示されます。
特に難しい設定もなく、簡単にカモメの目にピントが合っている写真が撮影出来ました。
・夜の路地裏
ISOオート(約80-25600 ※出荷時)に設定し撮影に向かいました
はじめに、路地裏の提灯を撮影しました。
高感度(ISO 2000)になりましたが、ノイズは少なく、提灯表面の質感もハッキリと見て取れます。
つぎは、手押しポンプを撮影。
暗かったので上限である25600まで感度が上がりました
ノイズは流石にありますが、解像感もあり充分に使えるレベルです。
・夕方、交差点へ
暦の上では春ですが、夕暮れの時間はまだまだ速いです 超広角レンズで青空と夕日に照らされた建物を撮影しました。
ダイナミックレンジの広さのおかげで、明るい空の部分、夕日に照らされた建物の部分、影になっている部分としっかりと表現が出来ています。
・日の入り、橋の上から下から
橋の上から。
奥には沈む夕日の光、向かいの橋には渋滞の車列。
明暗差が激しい条件下での撮影となりましたが、川の水面のさざ波と、細かい木々の枝の1本1本まで解像しています。
橋の下から。
水面に近い位置からの撮影です、超広角レンズを柵に付けて撮影してみました。
コンピュテーショナル フォトグラフィ
近年スマートフォンのカメラで話題となったコンピュテーショナル フォトグラフィ。
フィルムカメラからデジタルカメラに変わり、私たちは写真を撮影した後にパソコン上で明るさを変えたり、ノイズを抑えたりと様々な表現を行ってきました。
OM SYSTEMは以前よりその表現方法をいち早くボディにとりいれて、カメラのみでも簡単に様々な表現が出来るようになっています。
新エンジン TruePic Xが実装されていますので、今までよりも、さらに早くキレイに仕上がります。
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深度合成機能
被写界深度が深い(手前から奥までピントが合っている)写真は主に広角レンズを使いますが
OM-1の深度合成機能を利用する事で、通常は難しい望遠レンズやマクロレンズを利用した被写界深度の深い写真が簡単に撮影出来ます。
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ライブND機能
本来、明るいなかでシャッター速度を抑えて撮影する際に必要なものが"NDフィルター"です。
その"NDフィルター"機能を、手軽に再現出来るのがライブND機能です。
フィルターは着け外しが思ったより大変です。(そして必要な時に限って自宅に忘れます)
ライブND機能はレンズを選ばず(円形フィルターが取り付けられない超広角レンズでも!)いつでもスローシャッター表現が得られます。
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ライブコンポジット機能
星が弧を描くように流れている写真や、車のライトとブレーキランプの軌跡の写真、花火が複数画面いっぱいに上がっている写真を見たことがあると思います。
主にBULB撮影(長時間露光)で撮影するのですが、撮影時は経験とカンとテクニックに頼って撮影している事が多いです。
OM-1のライブコンポジット機能を利用すれば、仕上がりを画面で見ながら撮影するだけ。
経験もカンもテクニックも特に必要ありません、凄く簡単です。
さらにOM-1はライブコンポジット撮影時に手ぶれ補正が可能となりました。
三脚推奨ですが手振れ補正が強力なので、ごく短い時間であれば手持ちでも撮影できます。
他にもOM-1にはコンピュテーショナル フォトグラフィとして
8枚合成で80Mの高画素を実現する三脚ハイレゾや、12枚合成で50Mの高画素手持ちハイレゾ
ダイナミックレンジの広い写真を簡単に実現するHDR撮影機能があります。
[動画]スロー撮影したカモと水面
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1920 x 1080 240fps/24pの設定でスロー撮影を行ってみました。
OM-1は240fpsのハイスピード撮影時、フレームレートを24pに設定する事でスロー撮影が簡単に行えます。
いちばん右側の水鳥が下から上に移動する際の水面の揺らめきに注目してご覧ください。
おまけ 担当スタッフオススメ設定
OM SYSTEMの特徴として豊富なボタンメニューのカスタマイズが可能です。
設定を触っていると、他社と比べて類を見ないカスタマイズが出来ることに驚きます。
その中でも担当スタッフのオススメのカスタマイズ設定を紹介します。
FNレバー上下を電源ON/OFFにカスタマイズ設定することで、右手のみで電源ONからの撮影操作が出来るようになります。
OM-1はE-M1 Mark IIIとFnレバーの向きが逆になり、直観的にFnレバーを扱えるようになりました。
山歩きなど常に両手をあけておきたい場面で、カメラを構える際に右手だけで電源オンからシャッターを切る事が可能になります。
電源をこまめにON/OFFする事で、バッテリー消費も抑えられます。
是非一度、利用してみてください。
まとめ
今回OM-1で実際に撮影して感じた事は、狙った場面を思った通りに表現してくれる心地よさです。
そうそう、こういうのが撮影したかったんだ、を新しいセンサーと映像エンジンで叶えてくれます。
小型軽量なので、どこにでも持っていけます。
重いカメラはどうしても「よいしょ」の掛け声が必要になってきます。
OM-1はいつでも持ち歩いてなんでも撮影出来る、良い相棒になりますよ。
2022.03.18 (すいか)