2024.02.23
Joshin 試用レポート
手持ちで星景撮影?常識を覆すミラーレス一眼カメラ OM SYSTEM「OM-1 MarkU」が登場!
ミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-1 Mark II」 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 II / M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS
OMデジタルソリューションズが展開する「OM SYSTEM」に「OM-1」を継承する新モデル「OM-1 MarkU」が登場!
手振れ補正が世界最高レベルということなので興味津々です!
マイクロフォーサーズセンサーのカメラとして高画質と小型軽量を両立し、自由な撮影スタイルを実現させた名機「OM-1」から、どこまで進化したのでしょうか?
携帯性に優れた超広角ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6U」や超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS」を装着して見て行きましょう。
ライター:くっきー
OM SYSTEMのロゴが刻印された「OM-1 MarkU」
セット内容 | 本体、リチウムイオン充電池(BLX-1)、ACアダプター (F-7AC)、USBケーブル (CB-USB13)、ショルダーストラップ、取扱説明書、保証書 |
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サイズ(約) | 幅 134.8×高さ 91.6×奥行 72.7mm(突起部含まず) |
質量(約) | 511g(本体のみ) |
OM SYSTEM「OM-1シリーズ」も2世代機になり、正面のロゴが「OLYMPUS」から「OM SYSTEM」に変更されています。
唯一無二の顧客体験を提供し続ける決意を込めて2021年に誕生した新ブランド「OM SYSTEM」も定着してきましたね。
マイクロフォーサーズシステムの特徴を活かし「どこにでも持ち歩ける」「感じたものが思ったままに撮れる」を両立させることで「写真を撮りに行くことをもっとわくわくする体験に変えていきたい」という思いが込められています。
OM-1 MarkUは、そんな「OM SYSTEM」のフラグシップモデルなんです。
裏面照射積層型Live MOSセンサー、画像処理エンジンは「TruePic ]」
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撮像センサー「裏面照射積層型Live MOSセンサー」、画像処理エンジン「TruePic X」は前モデル OM-1と同じです。
解像感が高く高性能であるため変更する必要がなかったのでしょう。ノイズ耐性に優れ、高感度で発生しがちなノイズを効果的に低減してくれます。
常用高感度は ISO 25600、最高ISOは102400まで設定が可能。
十分な明るさを得られない環境下においても高速シャッター撮影が可能で、動きの速い被写体も確実に撮影することができます。暗部から明部まで諧調豊かに表現する高ダイナミックレンジも特徴の1つです。
撮像センサー | 4/3型 裏面照射積層型 Live MOS センサー |
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画像処理エンジン | TruePic X |
画素数 | カメラ部有効画素数 約2037万画素 / 総画素数 約2293万画素 |
常用ISO感度 | LOW(約80相当)25600 |
手振れ補正(最大) | 8.5段(5軸手振れ補正)、8.5段(5軸シンクロ手振れ補正) |
モニター形式 | 3.0型2軸可動式液晶/162万ドット |
最大撮影コマ数 | 120fps時[JPEG LF]約219枚[RAW]約213枚 |
プロキャプチャーモード | 最大120コマ |
AI被写体認識AF | 人物、動物(犬、猫)、鳥、車、オートバイ、飛行機、ヘリコプター、鉄道 |
手振れ補正は最大で、ボディ単体が補正段数:8.5、シンクロ手振れ補正時が補正段数:8.5と、前モデル OM-1(ボディー単体が補正段数:7.0、シンクロ手振れ補正時が補正段数:8.0)からさらに進化し、世界最高レベルの驚異的な補正効果を実現しました!
10秒を超える手持ち長秒撮影も可能で、なんと星景写真も手持ちでピントを合わせて撮影することができます。
実際に夜間の手持ち長秒撮影や手持ち星景写真にもチャレンジしたので、作例でご確認ください。
外観はロゴ以外前モデルとの違いを感じませんが、前後のダイヤルがエラストマー素材に変更されたことで、より回しやすくなっています。
グリップは深めで握りやすく、シャッターも非常に押しやすい位置にあります。
握ったままでのモードダイヤルや前後のダイヤルの操作も快適でした。
背面のモニター部はバリアングルモニターで解像度は約162万ドットと前モデルと同じですが、メニュー画面上部のタブの切り替えがタッチで操作できるようになっており、操作性が向上しています。
底部にバッテリー挿入部があります。
対応バッテリーは、リチウムイオン充電池「BLX-1」で2,280mAhの大容量バッテリーです。
右側面のメモリーカード挿入部はダブルスロットになっていて、その横にリモートケーブル端子があります。
左側面の端子カバーを開くと「外部マイク入力端子」「ヘッドホン端子」「HDMI端子(Type-D)」「USB端子(Type-C)」があり、欲しい端子はすべて揃っているようです。
ライブND撮影によるスローシャッター効果
複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばし、高輝度下でもスローシャッター効果を簡単に実現させるライブND撮影機能は 、前モデル OM-1の6段階(ND2〜ND64)から、7段階(ND2〜ND128)へ拡張しました。
濃いND128が加わったことで、シャッタースピードをさらに遅く設定でき、水流を絹のように滑らかに表現できます。
実物のNDフィルターではないのでレンズの口径サイズなどに悩むことがなく、全てのレンズでスローシャッター効果を得られるのがとても便利!
モードダイヤルの「S」か「M」でしか使用できないのでご注意ください。
木々の隙間から光が差し込んだ風景を撮影してライブNDの有無を比較してみましたが、明るいシーンでのスローシャッター効果を十分に得ることができました。
上の写真を見ると、NDフィルターの効果で一気に上級者っぽい仕上がりになったのがわかります。
フィルターを取り付ける手間が不要で、持ち物が少ないのも嬉しいです。
手軽にNDフィルターの効果を得られるので、頻繁に使いたくなりますよ。
ライブGND(グラデーションND)撮影で風景写真を極める
「OM-1 MarkU」には、OM-1シリーズの新機能となるライブGND撮影機能が搭載しています。
カメラ内のデジタル処理でハーフNDフィルターの効果を出すことにより、明暗差の大きなシーンを美しく表現することができるようになりました。
複数枚の画像を高輝度部と低輝度部で異なる合成を行うことで、より美しい作品に仕上げます。
GND段数(2, 4, 8)、フィルタータイプ(Soft, Medium, Hard)、フィルター効果の境界位置や角度を、ファインダーをのぞきながら細かく調整することも可能です。
前述のライブND撮影と同様に超広角や魚眼レンズなどレンズを選ばず全てのレンズでGNDフィルター効果を得ることができます。
モードダイヤルの「P」、「A」、「S」、「M」で使用可能です。
ライブGND:OFFで撮影すると、ピントを手前の風景に合わせると空が白飛びしてしまいました。
空に合わせると今度は手前の風景が暗くなりすぎて、黒つぶれになります・・・。
そんな時にライブGND撮影を活用しましょう!
手前の風景に明るさを合わせた状態でライブGNDをONにし、GND段数をGND4(2EV)、フィルタータイプをSoftに設定。
ハーフNDフィルターの効果を空側半分に効かせて撮影すると、手前の風景はそのままで空側の白つぶれが解消されました。
操作はとても簡単で、今まで悩まされていたことがウソのようです。
手前の風景と空の明るさがバランスよく調整され、雰囲気がグッと良くなりました。
ライブGND撮影は風景写真を撮影するにあたり、極めて有効な撮影機能だと実感しました。
超望遠レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISとの相性は?
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OM-1 Mark IIの発売に伴って、35mm判換算で300-1200mmとなる超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS」が登場!
レンズのサイズはØ109.4mm(最大径)×264.4mm(全長)、重さは2,065g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く)。
携帯性に優れており、普段持ち歩くバッグに収納したり、カメラを首から下げたまま持ち歩きが容易で、撮影も軽快に行えます。
実際に飛行機の撮影や人生初の野鳥撮影にもチャレンジしました。
三脚は使用せず、手持ちでかなり遠くの被写体を撮影することが出来たのでとても満足です。
焦点距離 | 150-600mm / 300-1,200mm相当(35mm判換算) |
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レンズ構成 | 15群25枚(スーパーEDレンズ4枚,EDレンズ2枚,HRレンズ6枚,HDレンズ1枚) |
最短撮影距離 | 0.56m(150mm時)、2.8m(600mm時) |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大口径比 | F5.0(150mm時) - F6.3(600mm時) |
最小口径比 | F22 |
5軸シンクロ手振れ補正は、焦点距離150mm時 7.0段補正 / 焦点距離600mm時 6.0段補正。
レンズ手振れ補正は、焦点距離150mm時 6.0段補正 / 焦点距離600mm時 5.0段補正。
1200mm※まで撮影できる超望遠レンズとしては小型軽量で「OM-1 MarkU」との5軸シンクロ手振れ補正により1000mm※を超える領域での手持ち撮影が可能です。
※35mm判換算
レンズの先端を前後に動かすと素早く安定したズーミングが可能な「直進ズーム操作」に対応。
ズームトルク/ロックスイッチを「S」にすることで滑らかなズーム操作がおこなえます。
ただ「S」はトルクが軽く、自重による伸び縮みが発生してしまうので、そのようなときはトルクの重い「T」に切り替えましょう。
持ち運びの際はワイド端で固定される「L」にするなど、3つのスイッチを使い分けてください。
その他「フォーカスリミットスイッチ」「フォーカス切り換えスイッチ」「ISスイッチ」と、「L-Fn(レンズファンクション)ボタン」が3つ搭載しています。
また今回は撮影できませんでしたが、最短撮影距離Wide端0.56m、Tele端2.8mの優れた近接撮影性能による迫力のテレマクロ撮影にも対応しています。
「OM-1 MarkU」に超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS」を取り付けて、空港近くの公園で手持ち撮影をおこないました。
手振れ補正が優秀なので超望遠レンズを使用しても手持ち撮影が可能です。
1200mm※の領域での撮影は初めてだったので、パイロットの顔までわかるほどの倍率に圧倒されました。
マイクロフォーサーズセンサーだからこそ超望遠レンズがこのサイズ?と、取り回しの良いコンパクトボディが実現できたのでしょう!
最初はTele端で被写体を狙っていたので、なかなか被写体を捉えることが出来ず苦労しましたが、Wide端で被写体を捉えてから徐々に倍率を上げていく撮影方法に変えることで、快適に撮影が出来ました。
優秀な連写機能やAF性能、手振れ補正のおかげで、決定的瞬間を逃すことなくピンボケする写真も少なかったです。
超望遠レンズでの撮影なのにシャッター半押しでピントが合い、ブレもなくピタッと止まってくれるのが楽しくなり、2時間ほど撮影に没頭していました。
※35mm判換算
OM SYSTEM「OM-1 MarkU」の機能を動画で確認する
作例
まとめ
マイクロフォーサーズの特徴である「小型軽量」はカメラ本体だけでなくレンズにも該当し、超望遠レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS/300-1200mm相当(35mm判換算)も手軽に持ち出せるサイズ感に収まっています。
最大8.5段の手振れ補正は世界最高レベル!
三脚を使えない場所での写真撮影も、これなら大丈夫です。
手持ちで星景写真を撮影したり、野鳥や動物など遠くの被写体を撮影したりと今までの常識を覆してくれるので撮影の楽しさも大幅にアップします。
プロキャプチャー機能により動きの速い被写体にも対応していて、防塵防滴はIP53なので登山・アウトドアに持ち出しての撮影にも大活躍。
OM-1 MarkUは、今までできなかったことが簡単にできてしまう、そんな夢のようなカメラです。
※今回の作例はすべて三脚を使わず手持ちで撮影しています。 2024.02.23 (くっきー)