2021.12.20
Joshin 試用レポート
1.0型イメージセンサーを搭載したSIMフリースマホ!ソニー「Xperia PRO-I」を実機レビュー
ソニー Xperia PRO-I SIMフリースマートフォン XQ-BE42
ソニーより、カメラ機能に特化したSIMフリースマートフォン『Xperia PRO-I』が登場!
メインカメラにコンパクトカメラ「RX100VII」と同じ大型の1.0型イメージセンサーを搭載し、明暗差のある場所でもノイズの少ない高画質を実現しました。
レンズの絞り値を2段階で切り替えできたり、高精度のリアルタイムトラッキングや瞳AF機能があったりと、スマホというよりも「スマホ型のカメラ」という印象。
一眼レフカメラ「αシリーズ」のようなUIで操作できる専用アプリを使って、スマホとは思えない本格的な撮影を楽しみます!
ライター:もあ
世界初!1.0型イメージセンサーを搭載したSIMフリースマホ「Xperia PRO-I」
ソニーの「Xperia PRO-I」は、写真、動画撮影にこだわりたい方のためのSIMフリースマホ。
背面の3眼カメラの中央に、上位クラスのコンパクトカメラ「RX100VII」で使われる1.0型イメージセンサーをスマホ向けに最適化した「Exmor RS」を搭載し、スマホなのに本物のカメラのような撮影ができるのが特徴です。
Exmor RSよってスマホでは難しかった暗所での撮影や、自然で美しい背景のボケ感を実現。
RX100VIIが得意とする高速処理技術も持ち、動きのある被写体もピンポイントで追従してブレのない撮影が可能になりました。
カメラ機能に特化した機種ですが、スペックはフラグシップモデル「Xperia 1 III」をベースにしており、5G対応の高速CPU、臨場感に満ち溢れたディスプレイ、指紋認証やおサイフケータイなど、スマホとしての機能も充実しています。
防水/防塵性能もあり、一般的なカメラでは撮影しにくい環境下で使えるのもポイントです。
外観とスペックをチェック
OS | Android 11 | |
---|---|---|
CPU | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform | |
ディスプレイ | 約6.5インチ / 有機EL 21:9ワイドディスプレイ / 4K / HDR対応 | |
リフレッシュレート | 最大 120Hz | |
メモリ(RAM) | 12GB | |
ストレージ | 約512GB | |
カードスロット | nano SIMスロット ×2 | |
本体サイズ(高さ×幅×奥行) | 高さ166×幅72×奥行き8.9mm | |
質量 | 約 211g | |
生体認証 | 指紋認証 | |
カメラ | 16mm(超広角) | 有効画素数約1220万画素 / F値2.2 |
24mm(広角) | 有効画素数約1220万画素 / F値2.0・4.0 / 1.0型 Exmor RS CMOSセンサー | |
50mm(望遠) | 有効画素数約1220万画素 / F値2.4 | |
フロント | 有効画素数約800万画素 / F値2.0 | |
バッテリー容量 | 4500mAh(内蔵電池) | |
ワイヤレス充電 | - | |
イヤホンジャック | 〇 | |
外部ストレージ | microSD/microSDHC/microSDXC(最大1TBまで) | |
防水/防塵 | 防水(IPX5/IPX8)/ 防塵(IP6X) | |
おサイフケータイ | 〇 | |
セット内容 | 本体、取扱説明書 |
本体のカラーはデジタルカメラ「RX100シリーズ」と同じくブラック一色。
少し高さがありますが側面に波形状の凹凸があって、本体を持った時に滑りにくくなっています。
この凹凸はどこかで見たことがあると思ったら、ソニーの1番小さなデジタルカメラ「DSC-RX0シリーズ」の側面にそっくり!
縦に細長いシルエットはXperiaのスマホらしいのに、ふとしたところにデジタルカメラっぽさを感じます。
カメラだけでなくスマホとしての性能も高く、CPUは2021年現在スマホに使われる中で最高峰の「Snapdragon 888」を搭載。
5Gにも対応しており、高い情報処理能力でグラフィックのキレイなゲームもスムーズに動きます。
また、1秒間に何回画面が更新されるかを計る値「リフレッシュレート」も最大120Hzと非常に高く、画面のスクロール操作がすごく滑らかでWebサイトやSNSを見るときも快適です。
画面ロックは指紋認証に対応して、本体を握ったときにちょうど右手親指があたる位置にある電源ボタンで解除します。
顔認証は非搭載ですが、外ではマスクの装着が習慣づいているので困ることはありませんでした。
全体的なスペックと、おサイフケータイや防水/防塵性能も搭載しているところをみると、性能は一般的なハイスペックスマホと同等レベルです。
カメラ機能に特化した機種ですが、Xperia PRO-Iを撮影用のサブ機に・・・というのは少しもったいない気がします。
本体を実際に操作している様子を動画撮影しました。
高速スクロールでもブレが確認できないほど滑らかに動き、長文のネット記事がとても読みやすい!
画面が縦に長い分、Webサイトと動画などを2分割にして見れる「マルチタスク」が使いやすかったです。
ゲームをさらに楽しくするのが、Xperiaおなじみのゲームサポートアプリ「Game enhancer」。
画面のリフレッシュレートやタッチの反応速度などのゲームプレイ環境を細かく設定でき、マルチタスクボタンを使えばゲームを中断しなくてもWebサイトやYouTube動画から情報を検索できます。
実際に使っていてすごくいいなと思ったのが、Xperia 1 IIIから新たに追加された、画質とサウンドの設定ができる「L-γレイザー」。
画質設定ではゲームに合わせた色の調整を行えるのですが、暗い部分を明るく表示するモードがあり、FPS系のゲームなどで隠れている敵や障害物がとても見えやすくなります。
サウンドの設定では「オーディオイコライザー」が搭載され、ゲーム音のカスタマイズが可能。
敵の足音を大きくしたりノイズになる障害物の音は小さくしたり、ゲームに勝つ環境を考えながら整えるのがとても楽しいです!
本体の左右フロント部分にはステレオスピーカーが搭載され、ソニーらしい立体感のあるキレイな音を放ちます。
低域が強めで迫力があるので、映画やライブ配信も満足の音で楽しめそう!
もっと音を細かく聞きたい!というときに、3.5mm端子のイヤホンジャックが搭載しているのもうれしいです。
カメラ機能を詳しくチェック
スマホとしての性能の高さもまだまだ言い切れないほどありますが、ここからはメインのカメラ機能について詳しく見ていきます。
背面のカメラは上から、16mm超広角レンズ、24mm広角レンズ、50mm標準レンズの3つで構成。
1.0型イメージセンサーを搭載しているのは中央の大きな24mm広角レンズのみですが、超広角レンズと標準レンズも高画質で、広い範囲の撮影を楽しめます。
側面にはシャッターボタンがあり、デジタルカメラのように構えて撮影できるのもポイント!
シャッターボタンを押す感覚はデジタルカメラと比べると軽いけれど、半押しでピントを合わせて撮影する動作は変わりません。
筆者はスマホで写真を撮るとき、すごく画質が良くてもなんか物足りないと思いがちなのですが、物理的なシャッターボタンを押したかったんだと気が付きました。
また、寒くなってくると手袋をすることが多いので、ボタンがあるのはとても助かります。
画面ロック中でもシャッターボタンを長押しすると自動的にカメラアプリ「Photography Pro」が起動します。
シャッターボタンの隣のショートカットキーには好きなアプリを1つ登録できるので「Videography Pro」などの動画撮影アプリを登録すると、写真・動画どちらもすぐに撮影モードに入れて便利ですよ。
デザインのベースとなったXperia 1 IIIとの違いの1つとして、左側面の下側にストラップホールが追加されています。
側面全体に凹凸があるので手は滑りにくいですが、ストラップを通すと安定感と落とさないという安心感が増します。
絞り値をF2.0とF4.0で切り替え
24mm広角レンズは可変絞り機能を搭載し、絞り値をF2.0とF4.0の2段階で切り替えできます。
大型センサーによって他のスマホよりも背景のボケ表現が得意な上に、絞り値をF2.0にすることでデジタルカメラで撮った写真のような自然なボケ感ができます。
全体の色がはっきり出て解像度が高いと感じるのはF4.0ですが、物撮りやポートレート撮影などはF2.0のほうが背景がボケて被写体がより目立ちます。
絞り値の切り替えは先述のカメラアプリで行うのですが、その時に「シャッ」とレンズが動く音にテンションが上がります!こんなスマホ初めて!!
それぞれのレンズの画角
同じ場所から3つのカメラを使って撮影してみました。
どのレンズも空のグラデーションまでキレイに写り、画質が大きく変わる印象はありません。
四角い建物を被写体にしましたが、歪曲収差の少なさにも驚きました。
超広角レンズだと。よく見ると少し歪みを感じるかもしれませんが、広角レンズ、標準レンズでは歪みはかなり軽減されています。
一眼カメラのようなUIを採用したカメラアプリ
昨年発売された「Xperia 1 II」から続いている、標準カメラアプリ「Photography Pro」。
デジタル一眼カメラ「αシリーズ」に合わせたUI(ユーザーインターフェース)で「P(プログラムオート)」「S(シャッタースピード優先)」「M(マニュアル露出)」を選択して撮影できます。
一般的なスマホアプリと同じようなUIになるベーシックモードと、カメラがシーンを判別して自動で適切な色に調整するオートモードもあり、設定よりも素早く撮影したい!というときも安心です。
画面を見ながらISO感度や露出補正、シャッタースピードなどを変えて、じっくり撮影するのがとても楽しい!
オートモードだと全体的にコントラストが高めだったので、植物や食べ物は光を多く取り入れてふんわりさせていました。
画面と設定ボタンが左右で大きく分割されているのが使いやすく、普段デジタルカメラを使う方はすぐに慣れると思います。
動く被写体にピントを合わせる「リアルタイムトラッキング」も試しましたが、ピンポイントでしっかり付いてきています!(動画で確認していただけます)
1秒間に最大20枚の連続撮影も可能で、スポーツ時や動き回るペットにもピントを合わせて撮影できますよ。
サブモニターとグリップを装着して自撮りを極める
大型センサーを搭載した24mm広角レンズは魅力的だけれど、メインのアウトカメラにしかないので自撮りではつかえない・・・。
そんな時活躍するのが、Xperia PRO-I専用のアクセサリー「Vlog Monitor」。
Vlog Monitorは3.5インチの液晶ディスプレイとスマホを固定するホルダー、ケーブルがセットになっていて、モニターを見ながら高画質で自撮りができます。
ホルダーに三脚用のネジ穴があるので、αシリーズやVLOGCAMでおなじみのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」に装着してみます!
ホルダーにXperia PRO-Iと液晶ディスプレイを装着したらケーブルで繋ぎ、ホルダー底面のネジ穴でグリップに取り付け。
頻繁に自撮りをする方は撮影後はスマホだけ取って、ホルダーとグリップはつけっぱなしにしておいても良さそうです。
3つのアイテムを組み合わせただけあって、なかなか本格的な見た目になりました。
Vlog Monitorが対応しているのは、カメラアプリ「Photography Pro」と動画撮影アプリ「Videography Pro」のみ。
接続するとスマホ画面のプレビューは非表示になり、背面に取り付けた液晶に自分が映ります。
グリップを使うと手ブレが軽減され、持ち歩きの動画がすごく撮りやすくなりました!
三脚としても使えるので、Vlogなどの動画撮影には必需品になりそうです。
2つのアプリで動画を撮影
動画撮影用のアプリは、以前からあった映画のような映像が撮れる「Cinematography Pro」に、Vlogなどちょっとした動画を撮りやすい「Videography Pro」を追加。
絞り値やシャッタースピード、ISO感度など自由に設定できるところは同じですが、Videography Proの方が操作はカンタンで、動画撮影の専門知識があまりなくても気軽に撮影できるようになっています。
瞳AF/オブジェクトトラッキング機能も使え、周りが暗い場所でもしっかり動物の瞳にピントを合わせられました!
大きく編集しない自撮りや日常を映すのにおすすめです。
Cinematography Proはフォーカスを2箇所設定したり、スローモーション撮影ができたりなど、プロが撮影するような本格的な動画作りが楽しめます。
8段階で色味を調整する「Look(色相・画作り)」を使うだけでも、普段撮るのとは全然違う、雰囲気のある動画が出来上がりますよ!
作例
まとめ
元々Xperiaはカメラ機能が優れている印象があったので、カメラに特化した機種と聞いても「そんなに変わるのかな」と思っていたのですが、使ってみると「これはスマホじゃなくてαシリーズのデジタルカメラなのでは」と思うようになりました。
αシリーズと同じような操作で撮影し、側面にあるシャッターボタンを押して、スマホとは思えないほど高画質な写真が出来上がります。
アプリで細かく撮影モードや絞り値、シャッタースピードなどを調整しながらじっくり撮る感覚をスマホで味わえるとは思いませんでした。
5G対応の高速CPUを搭載し、防水/防塵性能やおサイフケータイもあるなどスマホとしてのスペックも充分です。
スマホのカメラ性能にこだわりたい方、αシリーズを手軽に持ち歩きたい方はぜひチェックしてみてください。
2021.12.20 (もあ)