2023.11.20
Joshin 試用レポート
使い方の幅が広がる縦型折りたたみスマホ!motorola razr 40 を実機レビュー
モトローラ SIMフリースマホ motorola razr 40
モトローラのハイエンドスマホ「razr」シリーズに、新たなフォルダブル(折りたたみ)モデル『razr 40』が登場!
先に発売した上位モデル「razr 40 ultra」よりアウトディスプレイは小型ですが、バッテリーやカメラ性能が向上し、電子決済FeliCaにも対応しています。
折りたたみスタイルならではの魅力にも注目しながら、実際に使っていきましょう! ライター:もあ
モトローラ SIMフリースマホ motorola razr 40
スマホで動画やゲーム、電子書籍を楽しむことが多い方に人気の大画面スマホ。
しかしスマホを選ぶ際、常に持ち歩くものがポケットに入らないのはちょっとなあ・・・と選択肢から外してしまう方もいると思います。
そこで近年、大型スマホ派の中でブームになっているのが、折りたたんでコンパクトになる「フォルダブルスマホ」です。
今回登場したモトローラのハイエンドスマホ『razr 40』は、約6.9インチの大型ディスプレイを搭載した縦折り型の折りたたみスマホ。
高さのある大型スマホですが、半分に折りたたむことで手のひらサイズに早変わりし、一般的なスマホよりも断然持ち運びやすくなります。
razr 40は、3ヶ月ほど先に発売したフラッグシップ機「razr 40 ultra」の弟のような立ち位置。
大きな違いは、折りたたんだまま使えるアウトディスプレイのサイズで、razr 40 ultraは背面の約半分がディスプレイだったのに対し、razr 40は3分の1ほど(1.5型)の小型サイズです。
razr 40 ultraと比べるとプロセッサーやリフレッシュレートなどのスペックは少し落ちますが、バッテリー持ちは長くなり、電子決済「FeliCa」に対応、メインの広角カメラの画素数も大きく上がっています。
「アウトディスプレイでできる操作はそこまで多くなくていい」という方は、razr 40の方が使いやすいと感じそうですね。
しかしアウトディスプレイが小型でも、折りたたみができることで通常のスマホとは使い勝手が大きく変わりますので、折りたたみスタイルならではの便利な使い方を見てみましょう。
自由な角度で使える折りたたみスタイル
実は筆者がフォルダブルスマホを使うのは、今回が初めて。
縦に折りたためると聞いたときは「ガラケーに帰っていってない?」と思いましたが、折りたたんだままアウトディスプレイで操作すると「スゴイ!近未来的だ!」と印象が一気に変わりました。
隙間なくピッタリと折りたためるので厚みは気にならず、ディスプレイ上の折りたたみの境界線も光にあてないと分からないくらい自然です。
アウトディスプレイは右にスワイプすると、時刻・天気・アラーム・カレンダー・ボイスメモなど小さな画面でも操作しやすいアプリ並び(設定より登録します)、左スワイプでは音楽の再生コントロールができます。
上スワイプはWi-FiやBluetooth設定など、下スワイプで通知が表示されます。
折りたたむとポケットに余裕を持って入るだけでなく、座った時に飛び出しが全くないため落とす心配がありません。
ハイエンドスマホは年々サイズが大きくなり、筆者もスマホをポケットに入れたのはすごく久しぶりだったのですが、バッグをゴソゴソするのに躊躇いのある満員電車でも取り出しやすいという点が強すぎです。
ポケットサイズのスマホっていいなあ・・・!
折り曲げたまま自由な角度で自立するので、スマホスタンドなしでもハンズフリーで動画を楽しめます。
画面は半分になりますが、料理中に近くに置いてレシピ動画を確認するのに重宝しました。
セルフィー撮影もとてもカンタンで、本体を自立させたままインカメラにしてこちらを写し、手を振るジェスチャーをすると3秒後にシャッターが切られます。
歩き撮りなどのVlog撮影のときは、本体を折り曲げて横持ちにし、ハンディカムのようなスタイルで構えると画角が安定しますよ。
「razr 40 ultra」と外観・スペックを比較
カラーバリエーションは、明るいベージュカラーの「バニラクリーム」と、青みがかった濃いグレーの「セージグリーン」の2色。
背面はヴィーガンレザー仕上げになっていて、大人っぽく上品な雰囲気です。
レザー素材はスマホに使われることの多いガラス素材より滑りにくいので、大型サイズですが落としそうになることはなく安心して使えました。
カメラレンズの飛び出しは少なくフラットで、平置きしてもガタつきが気になりません。
大型ゆえに横画面のゲームを両手で持ってプレイするとき親指が画面中央に届かなかったので、置きスタイルでプレイしやすいのはとても嬉しい!
レザーが滑り止めになり、ゲーム中に本体がズレることが少ないのもGOODです。
付属品はSIM取り出しピンとガイド類のみで、充電に必要なUSBケーブル(USB Type-C)とACアダプタは付いていません。
忘れず別途ご用意ください。
razr 40 | razr 40 ultra | ||
---|---|---|---|
OS | Android 13 | ||
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon 7+ Gen 1 | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 | |
ディスプレイ | メイン | 約6.9インチ/有機EL(pOLED)/2,640 x 1,080 (FHD+) | |
アウト | 約1.5インチ | 約3.6インチ | |
リフレッシュレート(最大) | メイン | 144Hz | 165Hz |
アウト | 60Hz | 144Hz | |
本体サイズ(約) | 通常 | 高さ170.82×幅73.95×奥行7.35mm | 高さ170.9×幅73.95×奥行6.99mm |
折りたたみ時 | 高さ88.24×幅73.95×奥行15.8mm | 高さ88.42×幅73.95×奥行15.1mm | |
重量(約) | 188.6g | 188g | |
背面素材 | ヴィーガンレザー | Corning® Gorilla® Glass Victus (前面・背面両方) | |
メモリ/ストレージ | 8GB/256GB | ||
カードスロット | nanoSIM スロット×1、eSIM(DSDV対応) | ||
バッテリー容量 | 4,200mAh | 3,800mAh | |
おサイフケータイ | NFC/FeliCa対応 | NFC対応 | |
防水/防塵 | IP52相当 | ||
生体認証 | 指紋認証/顔認証 | ||
スピーカー | ステレオスピーカー(Dolby Atmos対応) | ||
カメラ | [広角(メイン)] | 約6,400万画素 OIS(f/1.7) | 約1,200万画素 OIS(f/1.5) |
[超広角+マクロ] | 約1,300万画素 | ||
インカメラ | 約3,200万画素 | ||
カラーバリエーション | バニラクリーム/セージグリーン | インフィニットブラック |
サイズ・重さはrazr 40 ultraとほぼ変わりませんが、アウトディスプレイが小型なため、razr 40 ultraのように本体を閉じたままメッセージを送ったりマップを確認したりはできません。
スペック面は、SoCにQualcomm社の「Snapdragon 7+ Gen 1」を搭載。
Snapdragon 7シリーズはミドルレンジスマホでよく使われているイメージがありますが、リフレッシュレートが最大144Hz駆動と高いため、ゲームをプレイしていてもrazr 40 ultraと大きな差はないように感じます。
ページの立ち上がりが速く、長文ページのスクロールや動画視聴でのカクつきもないためストレスフリーでした。
メモリとストレージはrazr 40 ultraと同じ8GB/256GB。
microSDカードスロットはありませんが、256GBあれば動画の保存やゲームのダウンロードなど容量を気にせずたっぷり使えます。
電子決済は、交通系ICカードや、楽天Edy・nanacoなどに使える「FeliCa」に対応しています。
razr 40 ultraは「NFC」にしか対応していないので、これはかなり大きなポイントですね。
バッテリー容量は4,200mAh
バッテリー容量は4,200mAhと、razr 40 ultraの3,800mAhから大幅にアップ。
実際にYouTube動画を約1時間再生したところ、razr 40は5%ほど減少で、razr 40 ultraは7%ほど減少しました。
スペックが落ちることでバッテリー持ちも悪くなるのではと心配しましたが、杞憂でしたね。
しかし、発熱はrazr 40 ultraの方が抑えられている印象です。
また、30Wの急速充電とQi規格のワイヤレス充電にも対応していて、バッテリー持続時間をさらに長くする「バッテリーセーバー」機能なども搭載しています。
大型スマホはバッテリー面が不安というイメージがあったので、razr 40の満足度の高いバッテリーは嬉しいです。
画面操作の様子
ロックの解除は指紋認証と顔認証で、指紋認証センサーは電源ボタンに配置しています。
画面は有機EL(pOLED)ディスプレイを採用しているためコントラストが高く、日のあたる屋外でも色鮮やかで見やすいです。
引き締まった色が大画面と相まって迫力があり、長文のWebページ、SNS、動画、ゲームなどのシーンでも必要な情報が自然と目に入ってきました。
女性の筆者ではとても片手では操作できないサイズですが、画面の下部をスワイプすることで情報が画面の下半分に表示される「片手モード」を使えば、ページの上段もすんなりと操作できます。
画面が大きいので、動画とページなど2つのアプリの2分割表示も使いやすいです。
(実際の画面操作の様子は冒頭の動画でご確認いただけます)
ゲーム専用のサイドバーには、パフォーマンス(リフレッシュレート)の変更や画面録画、通知の設定などゲーム中に役立つ項目が並びます。
音楽・映画・ゲームのそれぞれで好みの音に設定できるイコライザーも用意されていて、エンタメを充分に楽しめます。
IP52相当の防水・防塵性能とおサイフケータイ
防水/防塵性能はIP52相当※を搭載。
※ IP52相当:防塵が入ったとしても安全性が損なわれない、垂直から15°以内の範囲で落ちてくる水滴に対して本体機能を保護する
防水性能はハイエンドモデルの中ではあまり高くなく、普段使いであれば雨の日でも問題ありませんが、海などのアウトドアシーンは少し不安です。
背面には「FeliCa」マークがあり、この部分をかざすことで電子決済が完了します。
スマホを閉じたまま決済できるのですが、パスケースのような形状とレザーの質感で"ピッ"とするのが個人的に大人っぽくて気に入っています。
あらゆるシーンをキレイに写す高性能カメラ
カメラはメイン(広角)と超広角+マクロの2眼構成。
メインカメラの画素数は約6,400万画素と、razr 40 ultraの約1,200万画素と比べてものすごく高くなっています。
インカメラも約3,200万画素としっかりあり、光の多い場所や暗所、室内などあらゆるシーンで鮮明な写真に仕上がります。
自身でシャッタースピードやISOを設定する「プロモード」や、夜景撮影、パノラマ撮影、タイムラプスなど豊富なモードでこだわりの撮影ができます。
インカメラで撮るときには人の顔を判別し、目の大きさや輪郭、肌色などを調整する加工モードもあります。
同じ位置から広角・超広角カメラで撮ってみました。
どちらもとても色鮮やかで実際の風景より明るく、コントラストも高めに写る印象です。
超広角でも充分キレイですが、画素数の高いメインの広角カメラは空のグラデーションがより美しく、植物の色も鮮明に写りました。
マクロ撮影は、ピントがなかなか合いにくいスマホも多く難しいと思っていたのですが、razr 40はピタッとピントが合う場所が多くとても撮りやすかったです。
花を接写しましたが、背景も良い感じにボケてとてもキレイに仕上がりました。
作例
夜景や空の色など「本当にスマホで撮ったの!?」と思うほど鮮明に写るものが多く、カメラの満足度はかなり高いです。
少し暖色の多い「グルメ」やレトロな雰囲気になる「ロマンス」などフィルターも豊富で、SNSでシェアしたくなる印象的な写真がたくさん撮れました。
1番最後の画像のように、特定の色だけピックアップして写すのも面白いです。
スマホを半分折ってハンディカムのように構えることで、真上とローアングルが一気に撮りやすくなり、普段スマホではあまり撮らない画角にも挑戦できました。
スマホを閉じたまま使うなら「razr 40 ultra」がおすすめ!
「せっかく折りたたみできるなら、たたんだまま操作したい」という方も多いと思います。
そんな方は、今回は比較で登場した上位モデル「razr 40 ultra」がおすすめ!
折りたたんだ時、一面がディスプレイになっており、キーボードを打ってメッセージを送ったり、マップを見たり、SNSやネット記事の閲覧、ゲームもスマホを開かずに操作できます。
パフォーマンスもrazr 40より高く、エンタメを存分に楽しむだけでなく細かな動画編集もできるので、よりクリエイティブに使いたい方にもピッタリです。
まとめ
独特な設計で大画面をコンパクトに持ち歩けるフォルダブルスマホ。
「縦に折りたたみ」だけを聞くとガラケーに戻っていない?という印象を持ちますが、全く新しい感覚で便利に使え、この先大画面スマホを求める方が増えるとどんどん流行っていきそうです。
『motorola razr 40』はアウトディスプレイでできる事はあまり多くありませんが、ハイエンドモデルの中では比較的手が出しやすい価格帯で「動画や電子書籍をスマホの大画面で見たい」「ゲームを迫力満点でプレイしたい」という方にピッタリです。
個人的に気になっていた、画面上の境界線やつなぎ目のボコボコした質感も、折りたたみであることを忘れるくらいとても自然に溶け込んでいて、一般的な大型スマホのような感覚で使えました。
大画面スマホを手軽に持ち歩きたい方には最適のモデルです。
これまでスマホを選ぶ際、大型を選択肢から外していた方も、ぜひ1度チェックしてみてください。 2023.11.20 (もあ)