2022.07.26
Joshin 試用レポート
大阪・生野区生まれのシューズブランド「リゲッタ(Re:getA)」の工場へ潜入レポート!
リゲッタ(Re:getA)の工場へ潜入レポート!
歩きやすくておしゃれな靴をお探しの皆様、コンフォートシューズブランドの「リゲッタ(Re:getA)」はご存知でしょうか?
リゲッタ(Re:getA)は、快適な履き心地と洗練されたデザインを両立させ、オシャレで歩きやすい靴作りを目指しているブランド。
たくさんのこだわりが詰まったシューズは、職人さんが1足1足手作りしています。
今回は株式会社リゲッタの自社工場と協力工場さんの元に潜入し、繊細な靴作りの工程を見せていただきました!
ライター:みにとまる
Re:getA...「下駄(Geta) をもう一度(Re:)」
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『楽しく歩く人を増やす』ためのブランド
「リゲッタ(Re:getA)」は、2005年に靴づくりの街大阪・生野区で生まれたコンフォートシューズブランド。
ブランド名の由来は下駄から来ており、実は機能的な履き物である下駄を、硬いアスファルトを歩く現代人の足にフィットするように再設計し、作り上げられたのが「リゲッタ(Re:getA)」なんだとか!お恥ずかしながら、筆者はブランド名だけを聞いてもピンと来なかったのですが、この船のような丸みを帯びたフォルムのサンダルを見て、「あー!ネットで見たことある!買おうか迷ってたやつだ!」とガッテン。(※画像は同じく株式会社リゲッタのブランド「リゲッタカヌー(RegettaCanoe)」)
もともと工場見学は大好きだし、自分が気になっていたシューズの製造工程を見られるなんて、楽しみでしかない!
工場見学に行く前に、リゲッタさんの本社へご挨拶。
案内して頂いたお部屋には「リゲッタ(Re:getA)」「リゲッタカヌー(RegettaCanoe)」のシューズや、過去に手塚治虫作品とコラボして作られたシューズなどが展示されていました。
従来のコンフォートシューズというと、機能性重視でおしゃれさに欠けているものが多いイメージ。
リゲッタのシューズはドイツ靴の機能性やイタリア靴の洗練されたデザインを取り入れているとのことで、履き心地抜群で、オシャレな靴が多いんです!
筆者も同行スタッフも「コラボシューズがかわいすぎる…!」「デザインがいい。サンダルほしい!」と大はしゃぎ!
お部屋を出てすぐの廊下の角には、とっても雰囲気のあるアトリエを発見!
木のあたたかみと照明の柔らかな光を感じられるレトロチックなお部屋で、こんな空間で作業してみたいなぁ…。
さすがデザイン性を追求するシューズブランドの会社というだけあり、展示もアトリエもオシャレで見ていて楽しいです。
自社工場と協力工場の靴職人たちが、1つの靴を作り上げる
まずは自社工場へ突撃!
リゲッタのシューズはなんと1足1足手作り!
生野区にある自社工場と100近い協力工場の靴職人さんが協力してシューズを作りあげています。
クオリティにこだわるため行程ごとに工場を分け、たくさんの職人さんたちの手から手へバトンを繋ぎながら、1つのシューズを作っています。
製造工程は大きく分けて4つ。
@生地(アッパー部分)の裁断 |
A生地の縫製、刺繍のデザイン |
Bアッパーとインソール、アウトソール(底材)の接着/圧着 |
C検品、梱包 |
自社工場では@生地の裁断とBアッパーとインソール、アウトソール(底材)の接着/圧着の過程を見せていただけることに。楽しみです!
みにとまる『地元の職人さんが関わるので、地域の活性化にもつながりますね!』
リゲッタさん『いわゆる地域密着型ですね。生野区は靴づくりが有名な町なので、それぞれの職人さんたちが卓越した技術を持っています。
ただ最近は職人さんたちも高齢化が進んで引退される方が増えていますし、跡を継ぐ方も減ってきているので…。
そんな背景からできたのがこの自社工場なんです。
将来的には自社工場だけで製造できる製品を増やしたいという想いもあります。
なので職人さんが引退される前に、弊社の若手社員が修業をして、技術を継承していくつもりです。未経験から始めた従業員が多いんですよ』
なるほど…。職人の世界というだけあって、跡継ぎ問題はけっこうシビアな模様ですが、職人さんたちの素晴らしい技術が途絶えないよう、頑張ってほしいです…!
@生地(アッパー部分)の裁断
それでは靴づくりの現場を見学させて頂きましょう。
まず始めに、アッパー部分(足の甲部分の生地)や、ベルト部分の生地の裁断をします。
大きな1枚布から、品番ごとに用意した型で裁断します。
機械で裁断しますが、型をつける場所やタイミングも職人さんの判断次第です。
特に本革の場合は、表面に傷があったり凹凸があったり全面が綺麗ではないので、職人さんの目視で型取る場所を選んでいるそう。
できるだけ生地に余りが出ないように慎重に、それでも余る生地はノベルティなどに再利用するなど、SDGsにつながる取り組みにも注力されています。
にしても、作業が流れるように早く丁寧で、思わず見惚れてしまいます…。
A生地の縫製、刺繍のデザイン
裁断した生地はその後、切れ込みを入れたり、ベルトを通す穴をあけてミシン縫いします。
サイズによって生地の大きさが異なるため、生地の折り込み部分に切れ込みを入れサイズを特定しています。
この日は自社工場では縫製作業はお休み中でしたので、後に協力工場さんの元で見せて頂きます。
この時にふと生地の一部にギザギザとした面がある事に気がついて質問してみました。
リゲッタさん『靴業界では一般的なのですが靴のサイズを表しています。縫う前に印でサイズを判断し、合わせる生地を間違えないようにしています。
縫うと隠れるのでお客様が目にすることはない隠し印です』
靴の秘密を1つ知れて、ちょっと得した気分です。
Bアッパーとインソール、アウトソール(底材)の接着/圧着
縫製したアッパーとインソールは接着材を使ってしっかり接着し、熱を加えてアウトソールと接着を行えば、見慣れた靴の形になりました。
底剤の接着には工夫が必要で、接着剤をなじませるための液体をインソール側に塗らないと、底剤を接着させるのは困難だと言います。
リゲッタさん『液体は…まるで嫁と姑に挟まれた旦那のよう…(しみじみ)』
みにとまる『例えが妙に生々しくて嫌だなぁ』
まず接着剤を使っている事も意外で驚きましたが、液体と接着剤を接着させるという発想にも脱帽。靴づくりの奥は深い。
接着をしたのち、プレス機をつかってより接着の強度を上げます。
リゲッタさん『歩くと靴にはものすごく負荷がかかってしまいますからね。
万が一にも剝がれてしまうといけないので、プレスは必須です。
剝がすつもりで思いっきり引っ張ってみてください』
みにとまる『うわ…びくともしない!』
リゲッタさん『さらに検品や梱包の段階で、圧着から出荷までに3日ほど寝かせて、接着剤をもっと安定させて剝がれにくくするんですよ』
みにとまる『さらにダメ押し!?ぬかりない…』
この後は隅々まで検品を行い、1つずつ梱包材で包み完成です!工程が…工程が多い!
協力工場さんの元へ潜入!
続いて、縫製作業の協力工場の1つである『三大工芸』さんの元にお邪魔させて頂きました。
作業場には家電量販店ではお目にかかれない、年季の入った特殊なミシンがたくさん!
もう部品が手に入らない貴重なミシンもあり、自社工場で製造が難しい商品は協力工場さんが担当されています。
複数の針で縫い上げステッチやロゴをデザインするミシン、ボタンを留めるミシン、ウェーブやギャザーをデザインするミシンetc.などなど、用途に合わせて多数のミシンを使い分けているそう。
ボタン留めやギャザーのデザインがミシンでできるなんてビックリですし、職人さんの生地を縫うスピードが早すぎて、さらにビックリです。
こちらは接着/圧着〜検品、梱包作業を担当されている協力工場の『真本貼り場』さん。
作業自体は自社工場で見た工程と変わらないのですが、特筆すべきはその作業の早さ!
カメラで追うのが困難なほどシューズが次々に接着されてゆき、気づけば山積み!
職人さん『これでもカメラを意識してゆっくりしている方ですよ。普段はもっと早い。
生活がかかっていますからねぇ(笑)』
一同『(苦笑)』
…って最後の一言に気を取られてしまったけど、これでもゆっくりとは…?!
職人さんはカンタンそうにやっているけど、ズレないようにソールを貼り合わせるのも大変なハズ…。
不器用な筆者がやったら、1足接着するのに10分くらいはかかりそうだ…。
工場見学はこれにて終了になります。
人生で初めて靴づくりの現場を見ることができて、何から何まで新鮮で楽しかったです!
お忙しい中ご協力頂きましたリゲッタさん、協力工場の皆さん、本当にありがとうございました!
商品紹介
足や環境の事を考えながらもワクワクする靴を作られています
SDGsに配慮し、ペットボトルから資源を再利用して作られている「スゴィヌ-SDoGs-」や、指圧代用器で足裏の血流を促し、筋肉のコリを解消する「ルームリゲッタ ポカドッツ」など、様々なシューズがございます。
同行スタッフはインソールを普段から革靴の中に入れているそうですが、1日歩いても疲れにくいそうで、筆者も革靴に入れたくなりました。
個人的にはプロ野球12球団コラボのシューズがかわいくてかわいくて…推し球団がある方には堪らないのではないでしょうか!
まとめ
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靴職人さんというと、勝手に寡黙なイメージを持っていましたが、実際はとても気さくで優しい方たちでした。
どうか、そんな職人さんたちの技術が未来にも受け継がれていってほしいと願うばかりです。帰りにリゲッタ本店さんにお邪魔して何足か試着させて頂いたのですが、ソールが足の裏全体に沿うようにピタッとくっついて歩きやすいし、パンプスやローファーなどのビジネスシューズも先端が丸く広いので、足の指が窮屈にならず、とても快適でした。
筆者は学生時代に無理をして履いていたローファーとパンプスで外反母趾気味になってしまったので、もっと早くリゲッタの靴に出会いたかったし、これからでも遅くないので、お気に入りの1足を見つけて買おうと思っています。
オシャレで歩きやすい靴をお探しの方は、ぜひ1度リゲッタさんのシューズを履いてみてください!