2021.05.18
Joshin 試用レポート
ソニーの新たな空間音響技術「360 Reality Audio」を「SRS-RA5000」「SRS-RA3000」で体感する
ソニー 360 Reality Audio対応 Bluetoothスピーカー SRS-RA5000/SRS-RA3000
ソニーの空間音響技術を駆使して作られた新たな音楽フォーマット「360 Reality Audio」がついに国内で始動!
音が左から右へ流れていく様子や、広い空間で様々な方向から音が聴こえる、臨場感のある音場を実現しました。
対応のスピーカー『SRS-RA5000』『SRS-RA3000』で「生演奏ライブの音をおうちで楽しむ」をコンセプトに作られた新技術をじっくりみていきます。 ライター:もあ
360 Reality Audioで新たな音楽体験
360 Reality Audioとは
ボーカルや楽器の音源ひとつひとつを球状の空間に配置した、360°立体音響技術。
ヘッドホン・イヤホン・スピーカーを使って、スマホや一部のウォークマンから対応のストリーミングサービスの曲を再生すれば、全方位から降り注ぐ生演奏に包まれているかのような、没入感のある立体的な音を体感できます。
初めて360 Reality Audioに対応したスピーカー『SRS-RA5000』『SRS-RA3000』は、天面にもスピーカーユニットを搭載した「全方位スピーカーシステム」で、部屋のどこで聴いても同じ音量で、立体感と臨場感のある高音質を楽しめます。
従来のスピーカー「SRS-XBシリーズ」も360°音を放ちますが、上にも音を広げることで、より音に包まれる感覚を体感できるようになりました。
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RS-RA5000の電源を入れると、スピーカーが周囲の広さや環境を測定して、設置場所に最適な音のバランスに調整します。
音の方向や距離を感じられる立体音響には欠かせない動作で、少し時間をかけて空間の測定をすることが多いのですが、RS-RA5000の環境測定機能「サウンドキャリブレーション」は、測定時間がとても短くて驚きました。
動画で確認していただけますが、ビームのような音が数回鳴り、約20秒ほどで準備完了の合図があります。
あまりの速さに「本当に測定した!?」といいたくなりました。
環境測定は本体の♪マークとCALボタンを長押しするか、アプリの設定画面から何度でもやり直しができますよ。
正確に測定するため、環境測定を行う時は本体から1m以上離れましょう。SRS-RA3000は音楽再生中に環境測定を行って、自動で最適な音に調整していきます。
電源を入れたときの起動音やアナウンスはありませんが、すぐにペアリングモードになってスムーズにスマホと接続できます。
SRS-RA5000/SRS-RA3000の外観をチェック!
セット内容:本体、ACアダプター(SRS-RA5000)、ACコード(SRS-RA3000)、取扱説明書
サイズ(約)
SRS-RA5000:(幅)235×(高さ)329×(奥行)225mm
SRS-RA3000:(幅)146×(高さ)247×(奥行)155mm
質量(約)
SRS-RA5000:4.9kg
SRS-RA3000:2.5kg
SRS-RA5000は、上方向に3つ、中央に3つの6.1chのスピーカーシステムと、下部に重低音を強化するサブウーファーが1つの、合計7つのスピーカーユニットが搭載。
縦に長い三角柱型で、天面にある3つの上向きスピーカーが目立つ独特な形状です。
5kg近くある重量モデルですが、中央にかけてのくびれ部分を両手で抱きかかえれば持ち運びしやすいです。
SRS-RA3000は上部にオムニディフューザー、中央に80mm径フルレンジスピーカー、側面にはビームトゥイーターと重低音を増強させるパッシブラジエーターを2機配置。
SRS-RA5000と比べると小さく見えますが、SRSシリーズで1番大きな「SRS-XB43」よりもひとまわり大きく、スピーカーから距離のある場所にいる人へも立体感のある高音質をしっかり届けます。
カラーバリエーションは、SRS-RA5000はブラック1色、SRS-RA3000はブラック/グレーの2色展開です。
両機種とも内蔵バッテリーはなく、付属のACアダプターやACコードを接続して電源を入れます。
SRS-RA5000のアダプターは大きめですが、底面に接続してそのまま後ろにコードを流せるので、邪魔になることはありません。
SRS-RA3000はコードだけで使えるので、別の部屋で音楽を聴きたいときの持ち運びに便利です。
オーディオケーブル端子でハイレゾ音源を楽しむ
本体はBluetooth対応スピーカーですが、背面には3.5mmステレオミニの出力端子があり、ウォークマンなどを有線ケーブルで直接つないで再生可能。
入力されたアナログ信号をSRS-RA5000は96kHz/24bit、SRS-RA3000は48kHz/24bitのADコンバーターで処理してデジタル化することで、より高品質な音を楽しめます。
音楽を聴いてみた
360 Reality Audioの世界を体感する
360 Reality Audioの音を楽しむ準備をしていきます。
まず必ず用意しなければいけないのが、Wi-Fiネットワーク環境と、Google Homeアプリまたはソニー専用の「Music Center」アプリ、対応のストリーミングサービスのアプリです。
2021年4月時点では、ストリーミングサービスは「Amazon Music HD」と「nugs.net」に対応しています(※どちらも定額課金制サービスです)。
本体と必要なアプリをインストールしたスマホをペアリングし、アプリから対応の音楽を再生。
「nugs.net」は洋楽中心のサービスなので、流行りの邦楽も楽しめる「Amazon Music HD」で試聴してみました。
音の感想
SRS-RA3000は上方向にも音を広げることで、これまで聴いてきたスピーカーとは全く異なる、開放的な音を楽しめます。
左側からギターの音、右側からはベースの音など、音の位置と距離を把握できる聴こえ方で、ライブ会場でよく聴くボーカルの声が移動していく様子も感じられました。
SRS-RA5000と比べると低音域はなめらかな印象ですが、音の輪郭がハッキリしていて迫力があります。
SRS-RA5000は、その場の空気が震えるような力強い低音域と、音の立体感が特徴的です。
スピーカーの音ではなく、目の前で生演奏を聴いているように、音を身近に感じられました。
SRS-RA3000も音の距離や動きはハッキリわかりましたが、SRS-RA5000は音の解像度が高く迫力があって、上から音が降り注ぐ感覚もあじわえるので、音楽の世界に入り込むような没入感をより強く体感できました。
どちらもひとつのスピーカーで鳴らしているとは思えないほど音が広く、あらゆる方向から音が聴こえてきます。
天井や壁に音が反射するとまた違った聴こえ方になるので、設置場所を変えて試してみるのも面白いです。
「Immersive AE」で臨場感のある音を楽しむ!
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本体の♪ボタンを押して「Immersive AE(Audio Enhancement)」をオンにすると、360 Reality Audioに対応していないストリーミングサービスの曲も開放感のある音に変わります。
360 Reality Audioの音と全く同じではなく、少し機械的に音の空間を広げている印象ですが、他のスピーカーではあじわえない臨場感あふれる音楽が楽しめます。360 Reality Audioの対応楽曲はこれからどんどん増えていくので、お気に入りの曲が追加されるのを待ちながら、まずはImmersive AEでライブ会場にいるようなサウンドを楽しむのもアリです。
まとめ
これまでに聴いたことない、音の立体感と臨場感を楽しめる「360 Reality Audio」。
2021年4時点で対応楽曲が洋楽と邦楽を合わせて約4000曲とあまり多くなく、定額課金制のストリーミングサービスアプリが必須と、少し敷居が高い印象ですが、360°音に包まれる、まるでライブ会場にいるような感覚は1度あじわうと忘れられません。
この先コンテンツが大きくなり、360 Reality Audioで聴ける機会がもっと増えれば、これからの音楽スタイルは大きく変わるのではとワクワクします。
生演奏ライブのような音がおうちで楽しめるソニーの新たな音楽フォーマットを、ぜひ『SRS-RA5000』『SRS-RA3000』で試してみてください。 2021.05.18 (もあ)