2022.09.08
Joshin 試用レポート
高性能・高色域ディスプレイを搭載したクリエイター向けノートパソコン ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137X
ASUS 16.0型 ノートパソコン ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM テックブラックASUS Dial 搭載モデル UX7602ZM-ME137X
独自のインターフェイスASUS Dialを搭載し、映像制作や写真編集、イラスト制作などのクリエイティブ作業に最適なASUSのノートパソコンZenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137X。
美麗な有機ELディスプレイや第12世代(Alder Lake)の Core™ i7プロセッサー、NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 Laptop GPUを搭載したハイスペック機をレポートします。
ライター:すいか
ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137X
外観
本体のサイズは、幅357mm×奥行き253mm×高さ16.9〜20.9mm、重量は約2.4kg。
大型の16インチディスプレイを搭載していますが、ベゼルは5.89mmの超薄型を採用していますので、一般的な15インチのパソコンに近いサイズです。
ボディはアルミニウム合金製、安定した製品品質でエアフローを考えた複雑なデザインを実現するため、CNC加工で製造されています。
シンプルでソリッドなデザインとテックブラックカラーがとてもカッコ良いです。
エアフロー・冷却機構
ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137Xの特徴的なポイントは、ディスプレイを開くとキーボードが"グッ"と持ち上がり、約7°の傾斜がつく事です。
これは、ASUS Active Aerodynamic System Ultra (AAS Ultra)と言う機構で、角度がつくことでタイピングが行いやすくなるのと同時に、キーボードのサイドと背面が大きく開くことでエアフローを改善する事が出来るシステムです。
AAS Ultraを通して得られた空気は、ASUS IceCool Proサーマルテクノロジーと言われる冷却機構に引き継がれます。
キーボード下にある97枚のブレードを持つファン2基が大量の空気を吸い込み、CPUやチップセット、電源トランジスタを効率的に冷却出来る新型の3Dベイパーチャンバー(空気整流用の箱状ダクト)を通して底面のスリットから排気されます。
エアフローと冷却機構を組み込んだデザインによりパフォーマンスモードでは合計で最高140WのTDPを連続で維持することが可能になっています。
筆者は、過去に動画編集を行うためにパフォーマンス目的でゲーミングノートパソコンを利用していた事があり、一般的なノートパソコンのエアフローではスペック上のパフォーマンスが高くても、発熱によるパフォーマンスの低下は容易に起こってしまう事を経験しています。
ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137XはAAS UltraとASUS IceCool Proサーマルテクノロジーにより、そういった心配がなく利用出来るのがとても魅力的です。
付属品
主な付属品は、ASUS Pen 2.0/USBイーサネットアダプター/製品マニュアル、製品保証書/WPS Office 2 Standard Edition (3製品共通ライセンス付) /ACアダプター/電源ケーブル。
ACアダプターは200Wモデル、大きめサイズで重さもありますので持ち運び時は注意が必要です。
スペック
OS | Windows 11 Pro 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー P-core 2.3GHz/4.7GHz (6コア) / E-core 1.7GHz/3.5GHz (8コア) インテル®スマート・キャッシュ24MB |
メモリ | 32GB LPDDR5-5200 オンボードメモリー(増設不可) |
SSD | 1TB (PCI Express 4.0 x4接続) |
グラフィック iGPU(CPU内蔵) | インテル® Iris® Xe グラフィックス |
グラフィック dGPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 Laptop GPU 6GB (NVIDIA® Optimus™ Technology対応) 外部ディスプレイ出力 最大7,680×4,320ドット |
ディスプレイ | 16.0型OLED (有機EL) 3,840×2,400ドット QUXGA Wide HDR グレアパネル タッチパネル搭載 |
スピーカー | 6スピーカー内蔵(1W×4、2W×2) |
マイク | アレイマイク内蔵(クアッドマイク) |
Webカメラ | 207万画素赤外線(IR)カメラ内蔵 |
LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T (RJ45) |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth® 機能 | Bluetooth® 5.1 |
センサ | アンビエントライトセンサ、RGB光センサ、ToFセンサ、指紋認証 |
端子類 | Thunderbolt™ 4 Type-Cポート x2※ USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート x1 HDMI 2.1ポート x1 マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック x1 SD Express 7.0に対応のSDカードリーダー x1 ※データ転送と映像出力、本機への給電をサポートしています。 すべてのデバイスの動作を保証するものではありません。 |
サイズ(幅x奥行きx高さ) | 357.0×253.0×16.9〜20.9mm |
質量 | 約2.4kg |
端子類・インターフェイス
端子類
本体左側には、電源入力端子/USB3.2 Gen2 Type-Aポート/Thunderbolt™4 Type-Cポートx2が搭載されています。
最近のPCはType-Cポートのみを搭載しているケースも多いですが、Type-Aポートを利用する周辺機器もまだまだあるので1ポートでもあると、とても便利です。
Thunderbolt™ 4※は、40Gbpsのデータ転送、4k映像2画面もしくは8k映像出力のサポート、最大100WのPCへの電力供給も出来ます。
ノートパソコンは拡張性が無いイメージがありますが、Thunderbolt™ 4を利用する事で様々な機器と接続が可能です。
※すべてのデバイスの動作を保証するものではありません。
右側にはHDMI 2.1ポート/マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック/SD Express 7.0に対応のSDカードリーダーを搭載。
注目したいポイントはSDカードリーダー。
次世代規格のSD Express 7.0に対応しており、対応SDカードを利用した場合、規格上最大985MB/sというSATA SSD(理論値約600MB/s)よりも高速転送が可能になっています。
現状対応しているリーダー搭載PCもSDカードも数えるほどしかありませんが、手に入ればいち早く利用出来ますので大容量ファイルを扱うことが多いクリエイターにはとても役に立つと思います。
キーボード
7°の角度がついた90キー日本語(オールキーWhite RGB イルミネート)ErgoSenseキーボードは、キーピッチは19.05mmとフルサイズキーボードと同程度、キーストロークは1.35mmと同クラスのノートパソコンの中では深めで非常に良いタイピング体験が得られます。
キーボードの右端列のみ、特殊な配置となっており文字入力の際は注意が必要ですが、Adobe社のソフトを利用する方は頻繁に利用するショートカットキーですので、効率アップにつながりそうです。
タッチパッド
タッチパッドのサイズは約150x90mm(アクティブエリア約147.2x87.2mm)とかなり大きめ、表裏面に感圧センサーを内蔵し指で触った時に"押した感"をフィードバックする触覚タッチパッドを搭載しています。
タッチパッド右上にあるテンキーマークのセンサーをタップする事で、LED照明を持つテンキーパッド、NumberPadを起動する事が出来ます。
左上にあるアイコンをタップする事で輝度レベルを2段階で変更する事も可能です。
便利なのが、左上アイコンをスワイプする事でOSの電卓アプリを素早く表示できます。
ASUS Dial
ASUS Dialは中央にあるボタンと円形のタッチパッド部分を利用する直感的で没入感の高い新しいクリエイターツールです。
対応しているアプリは主にAdobe Photoshop、Premiere Pro、Lightroom Classic、Illustrator、After Effectsなどのプロフェッショナル向け。
各アプリを起動している時に中央のボタンを押すと、ズーム、輝度、コントラストの調整、ブラシサイズの変更などそのアプリに適したASUS Dialメニューが表示されます。
ProArt Creator HubアプリからASUS Dialの様々な設定が可能です。
クリエイター向けディスプレイ
比率16:10、解像度はUHD4K(3840×2160)よりも広い3,840×2,400ドットのQUXGA Wide 16インチ有機ELディスプレイを搭載。
コントラスト比は1,000,000:1、応答時間は0.2ms、ピーク時の輝度最大550nits、最低0.0005 nitsのディープブラック輝度とノートパソコンのディスプレイとしては類を見ないスペックです。
クリエイティブ環境で利用する際に、正しく色を表示出来るかは気になるポイントだと思います。
ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137Xは業界標準であるPANTONE®認定を取得しており、100% DCI-P3の色空間表示も可能です。
もちろんカラーキャリブレーションにも対応しています。
ProArt Creator Hub内の色校正メニューから簡単に再キャリブレーションを行えます。
対応キャリブレータは現在X-Rite i1 Display Proのみですが、将来的には他のカラーキャリブレータも対応予定だそうです。
ディスプレイに関しては1つだけ注意点があります。
10bit(約10億7300万色)で表示できるのはACアダプターを繋いだ時のみとなり、バッテリー駆動時は8bit(約1677万色)表示となります。
ACアダプターは常に持ち歩きたいですね。
性能
インテル®Core™ i7-12700H プロセッサー
CPUには第12世代(Alder Lake)の Core™ i7プロセッサーを搭載。
性能重視のP-coreを6コア12スレッド、効率重視のEコアを8コア8スレッドの計14コア20スレッドで強力なパフォーマンスが得られます。
NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 Laptop GPU 6GB GDDR6
NVIDIA AmpereアーキテクチャのRTX 3060 Laptop GPUを搭載。
CUDAコア数は3840、第2世代RTコア、第3世代Tensorコアを搭載していますので、ゲームでのリアルなレイトレーシング効果や、ライティング/影/エフェクトの向上、画期的な AI レンダリングテクノロジであるNVIDIA DLSSの利用が可能です。
また、ソフトによっては強力なGPU支援が得られますので、LightroomでRAWデータの編集を行う際にエフェクト効果が素早く表示されたり、Premiere Proでの書き出しの高速化が得られたりとクリエイターのパフォーマンスが大幅に向上します。
パフォーマンスを活かすためにファンモードの設定を変える
CPUやGPUのパフォーマンスを活かして作業を行う際は、ProArt Creator Hub内のファンモードの設定を必ず行いましょう。
特に時間がかかる動画編集などを行うときはフルスピードモードで作業を行うと、発熱によるパフォーマンス低下を防ぐことが出来ます。
CPUやGPUのパフォーマンスをあまり使わないWEBブラウジングや、テキストベースの作業を行う際は、ウィスパーモードに設定する事でほぼ無音での作業も可能です。
ゲーミングPCとしても
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ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM-ME137Xは高速なCPUと強力なGPUを搭載していますので、ハイパワーを要求されるPCゲームも楽しく遊べます。
各部位にLEDを搭載していますので、My ASUSからライティング効果の設定を変えれば本格的なゲーミングノートに早変わり。
作業に疲れたら、そのままゲームが出来るのはかなり魅力的です。第2世代RTコアから生み出されるレイトレーシングとNVIDIA DLSSによるFPSの向上により没入感あふれるゲーム体験が出来ます。
応答速度0.2msのディスプレイは一般的なゲーミング液晶モニターよりも圧倒的に高速ですので、スムーズな画面描写も得られます。
ただし、ディスプレイのリフレッシュレートは60Hzですので、ゲームによっては外部モニターの利用をオススメします。
まとめ
スペックが要求される作業やゲームにピッタリのハイスペック機。
筆者の使用用途(写真編集と動画編集)では不満点はありませんでした。
外出先でも最高の環境で作業を行いたい、気分転換に家の中の様々な場所で作業したいと言う方にオススメのノートパソコンです。
キレイな有機ELディスプレイで作業すると作業も捗り最高ですよ!
2022.09.08 (すいか)