2023.08.21
Joshin 試用レポート
FUJIFILM X-Sシリーズ最新モデル「X-S20」が、ボディサイズを維持したまま第5世代画像処理エンジンを搭載して登場!
FUJIFILM X-S20 / XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZレンズキット
小型・軽量で高性能なカメラとして人気の高かったFUJIFILM「X-S10」が、最新の画像処理エンジンを搭載してパワーアップ!
気になっていたバッテリーや動画撮影の制限時間が改善され、被写体検出機能や手ぶれ補正はさらに高精度になりました。
FUJIFILMならではのフィルムシミュレーションも「ノスタルジックネガ」の追加で、色表現の幅が広がっています。
使いやすさを追求し、あらゆる撮影に対応できるX-Sシリーズ最新モデル「X-S20」を、X-S10からの変更点を中心にレポートします。 ライター:くっきー
小型・軽量はそのままで第5世代画像処理エンジン搭載のX-S20
セット内容 | 本体、充電式バッテリーNP-W235(リチウムイオンタイプ)、ACパワーアダプターAC-5VJ、プラグアダプター、専用USBケーブル、ショルダーストラップ、ボディーキャップ、冷却ファン用端子カバー、使用説明書(基本操作編)、保証書一式 |
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サイズ(約) | 幅127.7×高さ85.1×奥行65.4mm(最薄部:32.9mm) |
質量(約) | 491g(バッテリー、 SDメモリーカード含む) / 410g(バッテリー、 SDメモリーカード含まず) |
FUJIFILM「X-S20」は、APS-Cセンサーのミラーレス一眼カメラ。
Xマウントのフラッグシップ機(X-H2S・X-H2)と同じ最新の画像処理エンジン「X-Processor5」を搭載して登場です!
X-Sシリーズならではの、持ち出しやすい小型・軽量サイズは継承され、前機(X-S10)※から幅がわずか約1.7mm広がっただけにとどまりました。
デザインもX-S10とよく似ていて、正面右上のロゴがないと外観だけでの判別は難しいほどです。
※X-S10のサイズ(約):幅126.0×高さ85.1×奥行65.4mm(最薄部:32.9mm)
大容量バッテリー使用
質量は約491gとX-S10※1と比べて約26g増えていますが、これは大容量バッテリー(NP-W235)に変更されたためで、バッテリーとSDカードを除く質量では約5gの軽量化に成功しています。
バッテリーサイズが大きくなっているにも関わらず本体のサイズがほぼ変わっていないのは、見た目上ではわからないものの内部構造はかなりサイズ調整が図られたということになります。
「X-Sシリーズのサイズ感を継承させる」という、開発者の確固たる思いがひしひしと感じられますね。
フラッグシップ機(X-H2S・X-H2)と共通の大容量バッテリー(NP-W235)へ変更されたことで、X-S10のウイークポイントであったバッテリーの持ちは大きく改善!
画像処理エンジン「X-Processor5」を搭載したことによる低電力化と重なり、X-S10の2倍以上の撮影可能枚数を実現しています。
「X-S20」の静止画撮影可能枚数※2は、ノーマルモードで約750枚、エコノミーモードで約800枚です(X-S10はノーマルモードで約325枚)。
長時間の撮影でも電池残量を気にすることなく、安心して撮影に集中できますよ。
わずかに広がった幅はグリップに影響しているようですが、X-S10から継承された「ホールド性の高い大型グリップ」は、さらに握りやすくなっています。
小型ボディですが、大きなレンズを使ってもしっかり握れて安心ですよ。
※1.X-S10の質量(約):465g(バッテリー、SDカード含む)/415g(バッテリー、SDカード含まず)
※2.XF35mm F1.4 R 使用時
繊細なこだわりで操作性UP
「X-S20」は、より操作性をアップするためにボタンやダイヤルなどにも"開発者のこだわり"が追加されています。
ファインダーの横に並ぶ小さなボタン類には微妙な角度が追加され、親指のような太い指にも感触が伝わりやすくなり、押しやすいです。
ボタン同士にしっかり間隔があるのも、押しやすさに影響しているように感じました。
ISOボタンとQボタンは繋がっているかのようにくっついています。
ボタンの隙間が指の感触でわかるように傾斜しているので、ファインダーを覗きながらでも確実な操作ができるようになっています。
リヤコマンドダイヤルを回したときの感覚も、1コマずつカチカチとハッキリ指に伝わるようになっていますので、微調整には有り難いです。
ボディ側面のグリップ部分にはヘッドホン端子(φ3.5mm)が追加されました。
これにより、録画中の音声をヘッドフォン等でリアルタイムに確認しながら撮影できます。
撮影性能の向上
センサーはX-S10と変わらず、第4世代の「X-Trans CMOS 4」(裏面照射型・約2610万画素)を採用していますが、画像処理エンジンは第5世代の「X-Processor5」に変更されました。
そのためX-S10と比べ約2倍の高速処理が実現し、被写体検出機能やボディ内手ぶれ補正などの進化につながっています。
被写体検出AF設定
被写体検出AFは、動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンにまで検出対象が広がりました。
ピントを合わせたまま狙った被写体を自動的に追尾※してくれるので、 シャッターチャンスや構図にだけ集中すれば良く、撮影がとても楽しく感じます。
シーンに最適な撮影モードをカメラが自動的に認識/撮影できるAUTOモードに、新たにAUTO被写体検出機能が搭載されました。
モードダイヤルを"AUTO"に選択しておけばカメラが自動で被写体を検出し、ピントを合わせたまま追尾※してくれます。
※動きのある被写体の撮影には、フォーカスモード「コンティニュアスAF」への設定が適しています。
ボディ内手ぶれ補正が進化
ブレ補正5軸はX-S10と変わりませんが、画像処理エンジン「X-Processor5」を搭載したことにより低周波のブレを防げるようになったので、最大7.0段の防振性能へ進化しました。
フラッグシップ機(X-H2S・X-H2)と同等の最大7.0段の強力な手ぶれ補正により、夜景なども安心して手持ちで撮影することが可能です。
キットレンズと単焦点レンズ(別売)
キットレンズにはX-S10でお馴染みの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」がセットされています。
ボディサイズはX-S10とほぼ変わらないので、このレンズとのサイズ感は抜群です!
同様に小型で相性がいい単焦点レンズと比較してみましょう。
単焦点レンズ:XF8mmF3.5 R WR(別売)は12mm相当の超広角単焦点レンズです。
非常にコンパクトで質量はわずか約215g。
サイズも最大径:φ68mm、長さ:52.8mmと小さく、持ち出しに便利なレンズなんです。
カメラと三脚を固定し、レンズだけを取り替えて撮影しました。
キットレンズの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」の焦点距離15mmの画角と、単焦点レンズ「XF8mmF3.5 R WR」の焦点距離8mmの比較ですが、画角の差が大きく表れています。
8mm超広角は特殊な世界というイメージがありますが、人が見えている範囲以上にぼんやり見えている世界まで写すことができますので、非常にダイナミックな撮影が可能です。
カメラ本体と相性の良いキットレンズ「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」をお持ちの上で、次のステップとして単焦点レンズ「XF8mmF3.5 R WR」をご検討されてみてはいかがでしょうか。
進化した動画性能
画像処理エンジン「X-Processor5」の搭載により、動画性能も大幅にアップしております。
なんと、6.2K / 30Pの動画記録に対応しました。
X-S10のウイークポイントであった動画撮影の30分制限もなくなり、30分以上の連続記録が可能になりました。
さらに動画の記録時間を伸ばす"LPモード"が新搭載されたことで、画角が若干クロップされるものの長時間撮影も可能です。
フラッグシップ機(X-H2S・X-H2)で使える別売りの冷却ファン「FAN-001」も装着できるようになり、ファンの回転数はカメラ側のメニューで変更可能です。
Vlogモードが追加
モードダイヤルには、自撮りの動画撮影に最適な"Vlogモード"が追加されています。
バリアングル式モニターで動画を確認しながら、セルフィーに便利な6つのモードを画面タッチで操作しつつ撮影がおこなえるので、自撮りをされる方にとっては非常に便利なモードです。
商品撮影モードに設定すると、顔のピントに引っ張られることなく手前に持ってきた商品に素早くピントが合ったので、これは使えると感じました。
動画撮影時の手ブレ補正
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動画撮影時のブレ防止モードを検証してみました。
OFF(ブレ補正なし)、IBIS/OIS(センサーシフト式と光学式のブレ補正)、IBIS/OIS+DIS (センサーシフト式と光学式+電子式のブレ補正)と3つのモードがあり、それぞれのモードで動画を撮影しました。ゆれを気にせず下り坂をバタバタと降りていった映像です。
OFF(ブレ補正なし)を基準にIBIS/OIS(センサーシフト式と光学式のブレ補正)やIBIS/OIS+DIS (センサーシフト式と光学式+電子式のブレ補正)のブレ補正効果を【動画】ブレ補正比較でご確認ください。
※ブレ防止モードブーストはONの設定で撮影しています。
レンズキットの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」で自撮り時の画角を調査しました。
腕を伸ばすと背景が広く映りますが、腕を伸ばし切らなくても十分、周りの風景ごと撮影できます。
腕を伸ばして撮影しているとすぐに腕が疲れてくるので、これは非常に助かりますね。
やっぱり自撮りの動画撮影には別売の三脚グリップ(TG-BT1)が必要です。
ズーム操作も手元で簡単にできますしね・・・。
カードスロットはバッテリーと同室でシングルスロットですが、UHS-UのSDカードに対応しています。
転送速度の速いUHS-Uが使えるのは動画や大容量データを扱う時に安心ですね。
作例
まとめ
軽々持てる小型サイズや高いホールド性など、X-S10の使い勝手の良さをしっかり引継ぎ、画像処理エンジンの刷新と大型バッテリーへの移行によりウイークポイントもほぼ克服されました。
さらにAUTO被写体検出機能を使えば、撮影者はピントを気にせずシャッターチャンスや構図に集中するだけ。
※動きのある被写体の撮影には、フォーカスモード「コンティニュアスAF」への設定が適しています。
ボディサイズはそのままで、ここまで性能をアップさせられのは本当に凄いです!
FUJIFILMの特徴である使い勝手の良いサイズ感や色味、フィルムシミュレーションに興味がある方には断然おすすめのカメラですので、是非チェックしてみてください。
2023.08.21 (くっきー)