2021.08.23

Joshin 試用レポート

持ち歩きに最適!クラシカルなデザインが人気のニコン ミラーレス一眼カメラ「Z fc」を実機レビュー

メイン画像
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ニコン ミラーレス一眼カメラ「Z fc」

ニコンのミラーレス一眼カメラ「Zシリーズ」の最新モデル『Z fc』が登場しました。
1977年に発売されて以降、長年愛され続けるフィルム一眼レフカメラ「FMシリーズ」にインスパイアされたクラシカルなデザインで、発表当初から注目を集めています。

3つのダイヤルを使ったシンプルな操作で撮影でき、コンパクトなボディは持ち歩きにもピッタリ!
初の本格的なカメラや、ポートレートやお散歩用のカメラが欲しい方におすすめです。

同シリーズ「Z50」と外観を比較し、実際に撮影して詳しく見ていきましょう。 ライター:もあ

ニコン ミラーレス一眼カメラ「Z fc」

ニコンの旧ロゴを用いたクラシカルなデザイン

  • 「Z fc」パッケージ
    「Z fc」パッケージ
  • フィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなデザイン
    フィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなデザイン
  • 1970〜1980年代に使用されていた旧ロゴ
    1970〜1980年代に使用されていた旧ロゴ

ニコンZシリーズの最新モデル『Z fc』の最大の特徴は、1982年発売のフィルムカメラ「FM2」から受け継いだクラシカルなデザインです。
ペンタプリズム部のデザインやブラックとシルバーの色バランス、ボディサイズが「FM2」に近い形で再現されていて、中央には1970〜1980年代に使用されていた旧ロゴを採用。
昔ながらのニコンファンにとって見逃せないデザインは、商品発表時にSNSを中心に大きな反響をよびました。

基本スペックはAPS-Cセンサーを搭載した「Z50」と同等ですが、ボディの天面にISO感度・シャッタースピード・露出補正の設定ダイヤルを配置し、背面モニターは360°回転するバリアングルモニターを採用したことで、より撮影しやすくなっています。

Z fc自体を撮りたくなるオシャレなデザインで、グリップレスのフラットなフォルムは、バッグに入れてもかさばりにくいです。
普段一眼レフカメラを使っている方も、荷物を極力減らしたいポートレート撮影などで使うサブ機として活躍しますよ。

  • 「Z fc」レンズキット セット内容一覧
    「Z fc」レンズキット セット内容一覧
  • グリップレスでスリムなボディ
    グリップレスでスリムなボディ

セット内容:本体、レンズ(NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR)※「Z fc」レンズキットに付属、Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL25、バッテリーチャージャー MH-32、ストラップ AN-DC23、ボディキャップ BF-N1、接眼目当て DK-32

実際にカメラを構えてみると、グリップがない分指への引っ掛かりは少ないです。
手が滑って落下してしまうのを避けるため、ワンハンドで持ち歩きするよりもストラップをつけて首や肩にかけておく方がよさそう。

普段一眼レフを使っていて「グリップが無いと心もとない!」という方や、大きな望遠レンズをよく使う方は、別売の専用グリップもございます。

  • しっかり覗き込める大きめのファインダー
    しっかり覗き込める大きめのファインダー
  • アイセンサーでファインダーと画像モニターが切り替わる
    アイセンサーでファインダーと画像モニターを切り替え
  • 設定を割り当てできるファンクションボタン
    設定を割り当てできるファンクションボタン

Zシリーズはミラーレス一眼カメラですが、ファインダーがあって一眼レフカメラのようなカメラらしいスタイルになっています。
Z50と同じく、コンパクトボディながらも大きなファインダーで、しっかり覗き込んで撮影できます。

電子ビューファインダーは約236万ドットの有機ELパネルを採用。
ファインダーを囲うアイピースに、FM2と同じ丸形を採用しているのも見逃せません。
日当たりがいい野外ではモニターが反射して見づらい事もありますし、より被写体に集中して撮影できるファインダーがあるのは便利です。

ファインダーと画像モニターは、アイセンサーによって表示が自動で切り替わります。
画像モニターを見ながら撮りたい構図を作り、ファインダーを覗いて撮影の流れがとてもスムーズにでき、個人的に1番使いやすいと思ったポイントです。

カメラを構えたときにちょうど右手の指がかかるレンズの隣位置に、よく使う撮影のモードや設定を割り当てできるファンクションボタンがあります。
ファインダーを覗きながらでも操作しやすいので、筆者はピクチャーコントロールを割り当てして、被写体を見ながらより魅力的に写るモードを探していました。

「Z50」と外観比較

  • 「Z fc」と「Z50」外観比較
    「Z fc」と「Z50」外観比較
  • 天面
    天面
  • 背面
    背面
  • 本体のサイズ感と重量はよく似ています
    本体のサイズ感と重量はよく似ています
  • Z fcはグリップがなくフラットです
    Z fcはグリップがなくフラットです
Z fc Z50
寸法(幅×高さ×奥行き) 約134.5×93.5×43.5mm 約126.5×93.5×60mm
質量(本体のみ) 約390g 約395g
モニター バリアングル式3.0型TFT液晶モニター チルト式3.2型TFT液晶モニター
有効画素数 2088万画素
手ブレ補正 レンズシフト方式(VRレンズ使用時)
視野率 上下左右とも約100%(対実画面)
倍率 約1.02倍(50mmレンズ使用時、∞、-1.0m-1のとき)
ISO感度 100〜51200
連続撮影速度 低速連続撮影:約1〜4コマ/秒
高速連続撮影:約5コマ/秒
高速連続撮影(拡張):約11コマ/秒
USB Type-C端子 Micro-B端子

Z fcはスペックのベースはZ50を継承していますが、外観の雰囲気は大きく変わります。
1番のポイントはグリップの有無で、外観を見た感じだとZ fcの方がスッキリしてコンパクトに見えるのに、実際に構えてみるとホールド感の高いZ50の方が軽く感じました。

またZ fcの天面には大きめのダイヤルが3つあり、クラシカルなデザインに拍車をかけています。

  • 「Z fc」はバリアングルモニターになりました
    「Z fc」はバリアングルモニターになりました
  • シーンモードは省略
    シーンモードは省略
  • USB Type-Cで給電が可能!
    USB Type-Cで給電が可能!

Z50は上下に動くチルト式モニターでしたが、Z fcはシリーズで初めて360°自由に動かせられるバリアングル式モニターを採用。
モニターを横方向に開くことで、三脚にセットしながらでも自撮りが可能になり、YouTubeやVlog動画も撮りやすくなりました。

Z50のダイヤルにあった撮影モード選択はISO感度設定ダイヤルと同じ場所になり、シーンモード・スペシャルエフェクトモードは省略されています。
使う頻度の高い方が多かったであろうポートレートや風景は、Z fcでは「Creative Picture Control」に入っていますよ。

また、Z50ではMicro USB充電だったのが、Z fcはUSB Type-C対応になり、充電だけでなく給電も可能になりました。
動画を長時間撮りたいときに、充電しながら撮影できるのはありがたいです。

操作しやすい3つのダイヤル

  • 本体左側にISO感度と撮影モード選択ダイヤル
    本体左側にISO感度と撮影モード選択ダイヤル
  • 右側にシャッタースピード/露出補正ダイヤル
    右側にシャッタースピード/露出補正ダイヤル
  • ダイヤルは高さがあって大きめ
    ダイヤルは高さがあって大きめ

Z fcは、ISO感度/シャッタースピード/露出補正の設定ダイヤルが、それぞれ独立して配置されています
黒地に白色の文字が見やすく、レトロな雰囲気をかもしだしていてとってもオシャレ!
ボディの右側にはF値を表示する小さなモニターもあって、どんな設定で撮影しているのかが天面を見ればすぐに分かりますよ。
細かい設定は難しそうだなと思う方も、シンプルなダイヤル操作で、どのように設定すれば思う通りに映るかを考えられます。

ダイヤルは重さがあり少し力を入れて回しますが、サイズ大きく高さもあるので女性の小さな手でも操作しやすいです。
回すときの「カチカチッ」という音がメカニカルでカッコよく、特に意味もなくカチカチしたくなります。

Zシリーズ初のバリアングルモニター採用

  • 自撮りのしやすいバリアングルモニター
    自撮りのしやすいバリアングルモニター
  • ハイ/ローポジションの撮影もカンタン
    ハイ/ローポジションの撮影もカンタン
  • 様々な角度から撮れる
    様々な角度から撮れる

バリアングル式モニターになったことで可動範囲が広がり、自撮りやハイ/ローポジションの撮影がしやすくなりました。
アングルの自由度が高くなって、普段あまりしなかった縦持ちの撮影にも挑戦したくなります。
撮影するときに1度モニターを開く動作はありますが、個人的にはモニターに傷が付かないように閉じておけるのはうれしいです。

素早くピントを合わせる瞳AFと動物AF

  • 人だけでなく動物の瞳にもピントを合わせられる
    人だけでなく動物の瞳にもピントを合わせられる
  • サイレント撮影で動物をびっくりさせません
    サイレント撮影で動物をびっくりさせません

AFは人の瞳にピントを合わせる「瞳AF」の他に動物(犬・猫)専用の「動物AF」もあります。
たまたま遭遇できたノラ猫を撮ってみたところ、ピントが合わせにくい暗い場所でしたが、バッチリ瞳にピントが合っています。

ちなみに、望遠レンズじゃなくても近い距離で猫ちゃんを撮れたのは、メニュー設定からシャッター音を無音にできる「サイレント撮影」を使ったからです。
シャッター音にびっくりして逃げることもないので、動物を撮るときに重宝しますよ。

派手に動き回るペットを撮りたいときは連写撮影もできますし、Z fcでは動画でも瞳AF・動物AFに対応したので、動画で残すのもアリです。

全20種類の「Creative Picture Control」

  • 設定によって色味が変わるピクチャーコントロール
    設定によって色味が変わるピクチャーコントロール
  • 色味を変えて個性的な写真を作れます
    色味を変えて個性的な写真を作れます

ピクチャーコントロールでは、動画・静止画で使える8つのシーン撮影と、20種類の「Creative Picture Control」があります。

シーン撮影
オート/スタンダード/ニュートラル/ビビッド/モノクローム/ポートレート/風景/フラット
Creative Picture Control
ドリーム/モーニング/ポップ/サンデー/ソンバー/ドラマ/サイレンス/ブリーチ/メランコリック/ピュア/デニム/トイ/セピア/ブルー/レッド/ピンク/チャコール/グラファイト/バイナリー/カーボン

同じ被写体でも、色鮮やかなビビッドとベールがかかったようなやわらかなピュアでは、写真の雰囲気が大きく変わります。
どのイメージを選んでもノイズが出ることなく、自然に色味を変えてくれますよ。

作例

  • レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 絞り:f8 シャッター速度:1/2000 ISO:1250 露出補正:+0.3 ピクチャーコントロール:スタンダード
    レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
    絞り:f8
    シャッター速度:1/2000
    ISO:1250
    露出補正:+0.3
    ピクチャーコントロール:スタンダード
  • レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 絞り:f5 シャッター速度:1/4000 ISO:1600 露出補正:+0.7 ピクチャーコントロール:風景
    レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
    絞り:f5
    シャッター速度:1/4000
    ISO:1600
    露出補正:+0.7
    ピクチャーコントロール:風景
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 絞り:f3.5 シャッター速度:1/15 ISO:320 露出補正:-0.3 ピクチャーコントロール:モノクローム
    レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
    絞り:f3.5
    シャッター速度:1/15
    ISO:320
    露出補正:-0.3
    ピクチャーコントロール:モノクローム
  • レンズ:レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 絞り:f5 シャッター速度:1/3200 ISO:500 露出補正:+0.7 ピクチャーコントロール:オート
    レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
    絞り:f5
    シャッター速度:1/3200
    ISO:500
    露出補正:+0.7
    ピクチャーコントロール:オート
  • レンズ:NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR 絞り:f4.5 シャッター速度:1/15 ISO:2500 露出補正:+2.7 ピクチャーコントロール:ポートレート
    レンズ:NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
    絞り:f4.5
    シャッター速度:1/15
    ISO:2500
    露出補正:+2.7
    ピクチャーコントロール:ポートレート
  • レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 絞り:f4.5 シャッター速度:1/4000 ISO:1000 露出補正:+0.7 ピクチャーコントロール:ビビッド
    レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
    絞り:f4.5
    シャッター速度:1/4000
    ISO:1000
    露出補正:+0.7
    ピクチャーコントロール:ビビッド
  • レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 絞り:f14 シャッター速度:1/8 ISO:640 露出補正:+1.7 ピクチャーコントロール:ニュートラル
    レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
    絞り:f14
    シャッター速度:1/8
    ISO:640
    露出補正:+1.7
    ピクチャーコントロール:ニュートラル
  • レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 絞り:f8 シャッター速度:1/100 ISO:640 露出補正:+2.3 ピクチャーコントロール:スタンダード
    レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
    絞り:f8
    シャッター速度:1/100
    ISO:640
    露出補正:+2.3
    ピクチャーコントロール:スタンダード
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 絞り:f4.5 シャッター速度:1/125 ISO:1000 露出補正:0 ピクチャーコントロール:ピュア
    レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
    絞り:f4.5
    シャッター速度:1/125
    ISO:1000
    露出補正:0
    ピクチャーコントロール:ピュア

まとめ

実際に撮影してみると、見た風景をそのままキレイに映す印象で、ピクチャーコントロールを使ったときは個性的な色味を作りやすいです。
ストラップをつけて1日中肩にかけて歩き回りましたが、大きなレンズをつけない限り重さが負担になることもなく、持ち歩きしやすかったです。

長年に渡って人気のZシリーズですが、Z fcは特に本格的なカメラを初めて持つ、初心者の方もすごく使いやすそうだと感じました。
天面に配置している3つのダイヤルで直観的に操作ができ、ピント合わせもカンタンで、ピクチャーコントロールを使って個性的な写真も思いのまま。
撮影した写真は専用アプリ「SnapBridge」を使ってスマホに自動送信して、すぐにSNSでシェアできます。
持っていると目を惹きそうなオシャレなデザインで、どこへでも持っていきたくなりますよ。

メインの一眼レフカメラを持っている方も、ポートレートやお散歩カメラ用のサブ機としていかがでしょうか?
ニコンの昔ながらの伝統的なデザインが魅力的な『Z fc』で、ぜひ撮影を楽しんでみてください。 2021.08.23 (もあ)

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