水に浸して切手のように貼るというお手軽な施工方法が話題の、パッチワーク壁紙「Hattan(ハッタン)」。
発売以来「ふすまにも貼れますか?」というたくさんのお問い合わせをいただいております。
回答はずばり、
「ふすまに貼るなら、両面テープで貼ってください!」
一般的なふすま紙の上に水に浸したHattanを貼ると、下地が水分を吸収し、本体の「反り」やふすま紙が剥がれる原因となることがあるためおすすめできません。
1〜2枚を部分的に貼る程度であれば水で施工しても問題ないこともありますが、ふすま全面に貼る場合は両面テープでの施工がおすすめです。
こちらの記事では、Hattanを両面テープで貼るときのポイントやアレンジ例をご紹介します。
2021年10月末に、Hattanの素材がリニューアル!
フリース(不織布)の裏面にあらかじめのりが加工され、水に浸すだけで貼れる素材になりました。
リニューアル後のHattanも両面テープで施工できますが、極端に湿気が多い場所ではのりが湧いてくる可能性がありますのでご注意ください。
ふすまをリメイクする前に
まずは、ふすまをリメイクする前に知っておきたい「ふすまの原状回復」について。
どういった方法で施工する場合も、紙製のふすま紙が貼られたふすまは原状回復できません。
一般的なふすま紙は和紙などの紙素材が用いられていることが多く、表面を傷つけないテープの代表格「マスキングテープ」ですら、剥がすと表面を傷つけてしまいます。
表面がコーティングされているふすま紙やビニール壁紙が貼られたふすまであれば、両面テープの接着部分をマスキングテープでカバーしておけば原状回復が可能です。
原状回復が必要な場合は、施工の前に下地の素材を慎重に見極めましょう。
ふすま施工には Hattanが何枚くらい必要?
ふすまの標準サイズは、幅90cm前後、高さ170~180cm前後とされています。
Hattan1枚は45cm角なので、1枚のふすまを貼るのに8枚(ヨコ2枚×タテ4枚)ほど必要ということになります。
正方形タイプのHattanは1セット6枚単位での販売となるため、3セットでふすま2枚貼れるイメージ。
Hattanの施工におすすめの両面テープ3選
後ほど改めてご紹介しますが、施工の際はHattan裏面の四辺に両面テープを貼るのがおすすめ。
Hattan1枚につき1.7mほどの両面テープを使用するので、標準サイズのふすまを1枚施工する場合、約13〜14mの両面テープが必要です。
Hattanの施工におすすめの両面テープは、以下の3種類。いずれも幅4〜5cmほどある幅広タイプになります。
一番安価でHattanとの相性も抜群。強力に貼れるタイプです。透明なテープで透けることもありません。
接着力が強いので一度貼ってしまうと貼り直しはできません。テープを剥がす際にHattanの素材も傷めるため、繰り返し使用したい場合には不向きです。
裏表の粘着力が違う両面テープ。しっかりと押さえるまでは微粘着なので、施工の際の調整がしやすいタイプになります。
裏表いずれもHattanへの接着力が弱いため、Hattan自体はほとんど傷めることなく剥がすことができます。
ただ、Hattanへの接着が弱いため両面テープの裏紙が剥がしにくいという難点あり。テープの素材が白色系のため、下地となるふすま紙の色やHattanのデザインによってはテープラインが透けることがあります。
- クッションフロア用両面テープ
使用感は❶とほぼ同じ。床材の施工をした余りなどがあればご活用ください。
弱粘着タイプの両面テープは上手く接着しないことがあります。
ex. 床材用はがせる両面テープは、Hattanに上手く接着しませんでした。
下地の透け具合
Hattanは薄いフリース素材のため、隠蔽性が低く下地が透ける場合があります。
どの程度透けるのか気になりますね。そこで白い木目のHattanを使い、2種類のふすま紙の柄で透け方を比べてみました。
下地が透ける例
ベージュ地に濃紺や黒など、背景と柄のコントラストが強いデザインは非常に透けやすいことがわかります。
下地が透けない例
ベージュ地に白や薄ピンクの花柄といった、全体的に淡い色味の柄はほとんど透けませんでした。
Hattanの折りじわを伸ばすには…アイロン!
Hattanは折り畳まれた状態で配送されるため、お手元に届くときには折りじわがついています。
通常の施工方法の場合は水に浸す過程でシワが伸びますが、両面テープで施工する場合は、アイロンでシワを伸ばすのがおすすめ。「中」程度の温度でかけましょう。
- スチームを使うとのりが湧いてくるため使用しないでください。
- 色や柄によって若干シワが残って見えることがあります。
- 同じところにアイロンを繰り返しかけると、素材に伸びやヨレ、毛玉などが生じることがあります。
両面テープでHattanをふすまに貼る手順
ここからは、両面テープを使ったHattanの施工手順やポイントをご紹介します。
手順1:割り付けを考える
ふすまのサイズやデザイン、柄合わせの有無に応じて「割り付け(どのように配置して貼るか)」を考えます。
Hattanは端を少し重ねて施工するのがおすすめですが、薄い素材なのでどこが重なっているのか見た目でわかる仕上がりとなります。そのため割り付けのバランスは重要なポイント。
イチオシ!上下左右を均等に貼る
中央に印をつけたり、基準線を引いておくと作業がスムーズ。
カットは最大4辺。少し手間はかかりますが、イチオシの方法です。
一方のコーナーに合わせて貼る
カットは最大2辺で済みますが、デザインによってはバランスの悪い印象になる恐れあり。
あえて不揃いな感じが生きるデザインもあるかも!?
ふすま縁のラインに沿って貼る
カット不要で一番お手軽ではありますが、柄合わせのあるデザインには使えません。
3つの貼り方をご紹介しましたが、パッチワークタイプの壁紙なので貼り方もアレンジ自在!
不揃いに重ねてみたり、部分的に貼ってみたり、頭に浮かんだアイデアを自由に楽しんでください。
手順2:Hattanに両面テープを貼り、ふすまに施工
両面テープはHattanの裏面、四辺ぎりぎりのラインに貼るのがおすすめ。しっかり押さえて接着させておくと、裏紙を剥がすときにテープがヨレません。貼った後にカットする場合は、両面テープを貼る位置を調整しましょう。
ふすまの引き手はあらかじめ取り外しておきましょう。(※引き手を取り外す手順はこちら>>)
Hattanを貼るときは、最初に一辺をしっかりと固定し、全体をピンと張るように伸ばして残りの辺を張り合わせていきます。
強力タイプの両面テープで施工する場合は、固定する一辺の両面テープの裏紙のみ先に剥がし、固定後にその他の裏紙を剥がすと不要な部分への接着を避けることができスムーズです。
下側から貼り進めることで、重ねる部分の継ぎ目を上から覆うことができます。素材の断面が目立ちにくいだけでなく、断面にホコリやゴミが溜まるのを防ぎ、剥がれにくくする効果も期待できます。
★ふすまを立てかけて施工する場合は、上下を逆さにして置くと作業がしやすくなります。
- 端を少し重ねて施工するため、Hattan側に両面テープを貼っておくと重ねる部分までしっかりと接着させることができます。
- ふすま本体に両面テープを貼る方法も試しましたが「Hattanがヨレやすい」と感じました。テープをHattanの端の位置にくるよう貼るのが案外難しく、線や印をつけて作業する必要があり手間がかかりました。
- ふすま本体を立てかけて作業するより、貼る面を上に平置きして作業した方がきれいに貼りやすかったです。スペースに余裕がある場合はおすすめ。
手順3:余分と引き手用の穴をカッターでカット
余分をカットするときは定規や地ベラなどをガイドに、ふすま縁に沿ってカットします。
必ずカッターの刃がふすま縁にあたるようにして使いましょう。ふすま本体を切ってしまうと、下地ごと剥がれ落ちてくる恐れがあります。
ふすまの本体部分が盛り上がりふすま縁に刃をあてられない場合は、あらかじめ必要なサイズにカットしてから貼りましょう。
引き手の部分もカットします。
手順4:引き手を取り付け、ふすま縁をアレンジ
カットが済んだら引き手を取り付けます。(※引き手を取り付ける手順はこちら>>)
今回はHattanのデザインに合わせて引き手を交換し、ふすま縁もリメイクシートでアレンジしてみました。
細部までこだわるとワンランク上の仕上がりに。
※ふすま縁に使用しているリメイクシートは旧タイプとなります。
完成!
Before
真っ黒な漆塗りのふすま縁×小花柄のあしらわれたふすま紙。標準サイズ、かつ王道なイメージの本襖です。ふすま紙はところどころに小さな剥がれやシミがありました。
After
白い木目のHattanを、目地をタテに8枚使って施工。フローリングのお部屋にも合わせやすそうなふすまに生まれ変わりました。
使用品番:まっすぐ-ホワイトウッド HWD-02
Hattanを使ったふすまのリメイク、アレンジ例
木目デザインのHattan×窓枠用リメイクシートでアレンジ
貼り方の手順でご紹介した木目シリーズのHattanは、ふすまのリメイクに使いやすいデザインです。色味の合う窓枠用リメイクシートとの組み合わせをご紹介します。
人気の白い木目
ホワイトインテリアやシャビーな雰囲気の空間と相性抜群◎
使いやすいナチュラルな木目
幅広いインテリアに合わせやすいナチュラルな木目。
重厚なダークブラウンの木目
落ち着いた雰囲気のインテリアを目指すなら深い色味の木目がおすすめ。
Hattanの木目シリーズは同色で「ななめ」のデザインもあります。
ヘリンボーンやパーケットなど、木目をアレンジして貼るのもいいですね◎
ビンテージデザインのHattanで華やかなふすまに
本記事の検証のため、いろいろな方法でHattanを貼りまくられボロボロになったふすまがありました。
せっかくなのでこのふすまもHattanでリメイク!
Before
元々貼られていたのは越前和紙のふすま紙(唐子)。検証の跡が刻まれています。
Hattanを貼る前に、大きく剥がれている部分は表面に影響しないよう剥がしました。
After
ビンテージの輸入壁紙をリデザインした華やかなHattan Pattern Vintageより、人気のブルー系デザインをセレクト。
下地の黄色味が少し影響しているように見えますが、これはこれでいい塩梅◎
使用品番:Hattan Pattern Vintage / HPV-B08
割り付け中の様子
割り付けが崩れないよう、地面側から両面テープで貼り付けていきました。最後に周囲の不要な部分をカットし、引き手を取り付けて完成。
やはり平置きの方が作業しやすかったです◎
まとめ
部屋をアレンジする過程で、イメージの合わない「ふすま」の存在に頭を悩ませている人は多いと思います。
ふすまのリメイクにもぜひ、お手軽なパッチワーク壁紙「Hattan(ハッタン)」をご活用ください。
フェルトのような素材感が、他の壁紙やリメイクシートとは一味違うやわらかな雰囲気を演出してくれます。
今回は木目とビンテージ柄での施工をご紹介しましたが、Hattanはとにかくデザイン豊富!
きっとお好みの柄が見つかるはずです。