襖(ふすま)の構造・種類と特長

ふすま紙&障子紙

ふすまと障子を知ろう!

(ふすま)障子の構造・種類と特長

ふすま・障子の構造を知ることで、自分に合ったふすま紙・障子紙を選べ、また、ふすま紙・障子紙の貼り替えに役立ちます。一言で、ふすま・障子といっても、さまざまな素材や貼り方があります。伝統的な日本の建具であるふすま・障子の構造と種類、特長を知って、心地よい和の空間を作って下さい。

ふすまの構造・種類と特長

ふすま

  • ふすまの種類
  • 特長
本ふすま
(組子ふすま)

従来からあるふすまです。組子の上に何重か重ねて貼って仕上げます。
伝統的に使用されてきました。

  • ソリやねじれに強い。
  • 貼り変えの即応性がある。
  • 通気性がある。
  • 量産できない。
板ふすま

組子にベニヤ板が貼ってあります。
洋室と和室の仕切りに使われている場合が多いです。

  • 丈夫である。
  • 重量がある。
  • 枠がはずせない。
発泡プラスチックふすま

芯材としてプラスチックの発泡体を用いています。
最近の住宅に多く使用されています。

  • 軽量で、量産できる。
  • コストが安い。
  • 枠がはずせない。
  • 貼り替えに難点がある。
  • 強度が弱い。
ダンボールふすま

芯材としてダンボールを用いています。
最近の住宅に多く使用されています。

  • 軽量で、量産できる。
  • コストが安い。
  • 枠がはずせない。
  • 貼り替えに難点がある。
  • 強度が弱い。

ふすま紙

タイプ紙の種類特長
鳥の子タイプ 鳥の子ふすま紙 製紙から印刷まで機械生産される普及タイプです。
グラビア印刷も可能で柄数も豊富です。
本鳥の子ふすま紙 伝統的な手漉き和紙で、その色合いが卵の殻の淡黄色に似ていることから鳥の子と呼ばれるようになった高級タイプです。
うらばり紙 雲花紙と言われるもので、押入れなど裏面で見えないところに貼ります。
糸入りタイプ 新紗織ふすま紙 スフ糸を粗く平織りにし、紙を裏打ちしたものです。
丈夫で実用的なタイプです。
麻織ふすま紙 横糸に麻糸を用いたものです。
純和室にあった風合いが得られます。
シルケットふすま紙 横糸に麻糸、縦糸に綿糸を用いた平織りタイプです。
ビニールタイプ ビニールふすま紙 汚れても水拭きできるタイプです。

ふすまの構造

ふすまの構造

ふすまのサイズ

  • 幅72cmサイズ
    72cm
    幅72cmサイズ
    ふすま4枚で1間半です。
    (団地サイズと言われているものです)
  • 幅95cmサイズ
    95cm
    幅95cmサイズ
    ふすま2枚で1間です。
    (一般的な普及サイズです)
  • 幅135cmサイズ
    135cm
    幅135cmサイズ
    ふすま2枚で1間半です。
    (広巾サイズです)

障子の構造・種類と特長

種類と特長

障子の「障」は「遮る」「隔てる」「塞ぐ」などの意味です。室内の境に使用する建具の総称であり、昔は現在の襖を「障子」、障子を「明り障子」といいました。障子紙は和風インテリアとしての美しさだけでなく、室内に湿気がこもるのを防ぎ、温度変化を抑えるとともに、通気性に富んだ空気清浄作用があります。また、カーテンやブラインドなどとは異なり、陽光をほどよく通し、四方に拡散させ、室内に落ち着いた明るさを作りだします。障子の種類には、桟の間隔が狭いものや広いものなど、組み方の違いがあるほか、腰板の有無、ガラスをはめた額入りなど各種あります。

特長1

やわらかな光を取り入れる。

特長2

夜間照明効果が向上する。

特長3

冬暖かく、夏涼しい「省エネ」効果がある。

特長4

室内をコントロールする。換気・清浄化・吸湿性・温度変化の調整をし、湿気の多い日本に最適です。

障子紙

タイプ紙の種類と特長
手漉き
楮(こうぞ)や三椏(みつまた)
楮や三椏などの樹皮を主原料とし、人の手加工で紙に漉いたものです。
薄く、張りがあり丈夫な最高級品です。価格も高くなります。
機械漉き
パルプ・レーヨン混合品
質的にも価格的にも最も実用的で一番多く使用されています。
レーヨンの含有量が多いほど価格は高くなり、保温性に富み丈夫になりますが、変色しやすくホコリを吸いやすくなります。
パルプ・麻混合品
マニラ麻とパルプの混合品です。
風合いがよく、丈夫ですが変色しやすい欠点があります。
パルプ・ケナフ混合品
1年草の雑草を主原料にしたものです。森林伐採を防ぐ環境保全の観点から使用されています。ケナフだけでは障子紙としての強さ、風合いが出ないためパルプとの混合で使われています。
パルプ・ポリエステル混合品
破裂強度に強く破れにくい障子紙として使用されています。
ポリエステル100%もありますが、障子紙の風合いとしては劣ります。
プラスチック加工品
紙の片面あるいは両面にプラスチック加工を施した障子紙です。
丈夫で湿気に強く通気性がないので冷暖房の部屋に適しています。
障子枠の一例
  • 雪見障子
    雪見障子
  • 水腰障子
    水腰障子
  • 額入り障子
    額入り障子
  • 腰付障子
    腰付障子

おもな材料

  • 材料名
  • 特長
パルプ

木材片を砕いて繊維を取り出したものです。障子紙の主たる材料になっています。

レーヨン

合成繊維。人絹とも呼ばれています。

ビニロン

綿に近い性質です。

その他

麻・楮・三椏・ポリエステルなど。

障子紙のサイズ

  • サイズ
  • 特長
一枚貼り

幅が94cmのものです。長さは3.6〜7.2m、障子枠2〜4枚分のものが多いです。その他に、69cm幅のもの、最近では135cm幅のものもあります。

美濃判

アサヒペン商品のサイズは、28cm×18.8m。
但し、地方によっては、美濃判で27.2cm〜30.3cm、半紙判で24.2cm〜26.6cmの場合があります。

半紙判

アサヒペン商品のサイズは、25cm×22.5m。

その他

地方特有のサイズのものです。

一枚貼り(フリーサイズ)
  • 幅69cmサイズ
    69cm
    幅69cmサイズ
    障子4枚で1間半です。
    (団地サイズと言われているものです)
  • 幅94cmサイズ
    94cm
    幅94cmサイズ
    障子2枚で1間です。
    (一般的な普及サイズです)
  • 幅135cmサイズ
    135cm
    幅135cmサイズ
    障子2枚で1間半です。
    (広巾サイズです)

そのほかに、長さでは、障子2枚分、4枚分、8枚分など障子戸の枚数に合わせた長さがあります。また、最近では建具サイズ215cmまで対応できるように紙の長さを対応している障子紙もあります。

施工方法による分類

  • 貼り方
  • 施工方法
糊貼りタイプ

昔からの貼り方です。桟にハケで糊を付けて貼っていきます。糊の付け方に慣れが必要です。

アイロン貼りタイプ

アイロンの熱で接着します。片面にアイロンの熱で融ける樹脂が付いています。

両面テープ貼りタイプ

両面テープを桟に貼り、障子紙を貼り付けていきます。