ウッドデッキ基礎部材THILFEのDIY施工方法
【シングル工法編】
ウッドデッキ基礎システムTHILFE(シルフ)は、鋼製束や鋼製根太を使用する基礎組みと比べて、ビス留めを最小限に抑えた簡単に設置できる基礎部材です。ここでは、高さ調整しやすい樹脂束と、規格サイズ「根太セット」を使ってシングル工法で基礎を作り、その上に人工木デッキ材RESIN WOODを施工する方法を解説しています。
基礎システムTHILFE(シルフ)とは?
THILFE(シルフ)は、組み立て工程の殆どが、パーツをはめ込むだけのシンプルな構造!従来の鋼製部材で作る基礎と比べて、ビス留めやカットの手間を最小限に抑え、組み立てて置くだけで簡単&スピーディーに基礎を組むことができる画期的なシステム部材です。デッキサイズに合わせて20パターンから選べる規格サイズの「根太セット」なら、さらに作業が簡素化されDIYに最適です。
その上に人工木デッキ材RESIN WOODを施工する方法を紹介します。
THILFEのDIY施工を動画でcheck!
THILFE × RESIN WOOD 施工方法(シングル工法編)
-
準備するもの
電動ドライバー(プラスビット・下穴用ドリルビット)、水平器、電動丸ノコ、ノコギリ(木材・金属用)、メジャー、差し金、印付け用ペン、ゴムハンマー、手袋、皿ドリルビス(幕板取付用)
-
施工するのは一戸建ての掃き出し窓に面した庭。THILFEの規格サイズ「根太セット」で基礎を組んで設置し、その上にRESIN WOODデッキ材を張ってウッドデッキを施工します。
-
使用する材料
【THILFE】
根太セット 2700×2184
束セット H190-320 ×21セット
束セット H355-460 ×7セット
幕板取付用コネクタ ×16個
アルミ根太用 固定クリップセット ×5袋
シングル工法スタートクリップセット ×必要数
幕板下地レール(2段用)×16本【RESIN WOOD】
デッキ材 5ケース
幕板材 12枚 -
※基礎部分(土間コンクリート・束石等)は、設置場所に応じて事前にご準備ください。
STEP01. 割り付け
今回は、THILFE(シルフ)の規格サイズ2700×2184で基礎を組んでいきます。図面を元に、束材や根太材の部材の配置を確認し、デッキ材の割り付けも決めておきます。
※各サイズの設計図面は根太セット購入ページよりダウンロードできます。
STEP02. 束を組み立てる
-
束ベースに束ヘッドを回しながらねじ込んでいき高さが決まったら、固定リングを下のパーツに当たるまで回して固定します。
-
伸長パーツがある場合、束ベースと束ヘッドの間に挟んで取り付けることで、より高くすることが可能です。
構造上、束ベースはデッキの幕板から少しはみ出る箇所があるため、束ベース底の裏面にあるガイド溝に沿ってカットします。束材は樹脂製なのでノコギリでカットできます。
-
組み立てた束ヘッドの上に、根太が1本乗る束には根太受けシングルを取り付けます。
-
床板のジョイント部分が通る束には根太が2本乗るため、根太受けダブルを取り付けます。
STEP03. 束を配置する
-
図面通りに組み立てた全ての束を置きます。
-
仕上がり時のデッキの高さに合わせて、両端の束の水平を取り、束の高さを調整して合わせます。長い木材を別途用意しておくと便利です。
-
タテ列、ヨコ列すべての水平を取り、全体の高さを合わせ束の固定リングをしっかりと締めます。
-
根太材を設置する前に、根太受けシングルとダブルの位置を確認しておきましょう。
※束材を基礎石などコンクリ面に固定する場合は、
屋外対応ウレタンボンド、もしくはアンカーボルトで固定してください。
STEP04. 根太を設置する
-
根太が1本通る列は、根太受けシングルに上からカチッとはめ込みます。
-
根太をつなぐ場合、ジョイント部品を取り付け、つなげた状態で根太受けにはめ込みます。
-
根太が2本通る列は、根太受けダブルの上に2本並べて置いていきます。
※根太受けダブルは仕様変更により形状が変更されています。 -
束の上に根太を設置できました。
壁に当たらないように、10mmほどすき間を空けて設置します。
長短の根太をつなぐ場合は、強度を確保するためジョイント位置を交互に配置します。
STEP05. スタートクリップを取り付ける
-
床板(デッキ材)を張り始める根太の端(奥)に、それぞれスタートクリップを取り付けます。
-
スタートクリップを根太の断面に取付け、付属のドリルビスで固定します。デッキの継ぎ目になる部分の2本根太には両方の根太に取付けます。ビスは片側の取付けでOKです。
STEP06. 短い根太を組む
-
STEP4で束の上に設置した根太を、短い根太でつないでいきます。短い根太は、束と束の間に1本配置するのが目安です。規格サイズの場合は、図面で位置を確認しましょう。
-
まず、短い根太の両端に根太コネクタをはめ込みます。
短いアルミ根太にはめ込んだ根太コネクタは、構造上の都合上、緩みやすく(外れやすく)なっています。
大きいサイズのウッドデッキや、広範囲への施工の場合は、根太コネクタを奥まではめ込んだ後、アルミ根太の両端をドリルビスで固定することをおすすめします。
※長さ20〜25mmの皿ドリスビスを別途ご用意ください。
-
短い根太のレール側(凹み面)を上に向け、根太側面のレールに通します。
-
位置が決まったら、90°回転させて固定します。かたくて回しにくい場合は、モンキーレンチなどを使ってもOK!
-
一番外側の短い根太は、幕板受け下地の位置を考慮する必要があるため、必ず端から60mmの位置に取り付けてください。内側の根太はおおよそ均等に配置できればOKです。
-
同じ要領で全ての短い根太を取り付けたら、根太組みの完成です。
STEP07. 幕板下地を取り付ける
-
幕板下地レールに幕板取付用コネクタを付属のビスで取り付け、幕板の下地をつくります。
-
床板を張ったときに当たらないよう、コネクタは幕板下地レールの上端から10mm以内に取り付けてください。
-
幕板取付用下地の取り付けピッチは、500mm以下の間隔で取り付けます。
-
設置してある根太の側面レールに傾けながら引っ掛けて、まっすぐ起こすようにはめ込んで固定します。
-
短い根太に取り付ける側面は、位置や角度を調整し、幕板を取り付ける面を揃えます。※長い木材などを当てて確認しましょう。
-
これで、ウッドデッキ床材を張れる基礎システムTHILFEの組立は完了です。
STEP08. デッキ床板を施工する
-
人工木ウッドデッキ RESIN WOOD
今回は、RESTAオリジナル人工木ウッドデッキ RESIN WOODを施工していきます。
床板の施工には、THILFE専用の固定クリップセットを使います。ビス形状が特殊なため、電動ドライバー用のトルクスビットが付属しています。
-
床板はノコギリや押し切り等で施工する長さに予めカットしておきます。※今回は、長さ1800mmの床板と、半分にカットした900mmの床板を千鳥張りで施工していきます。
-
床板の横滑りを防ぐための固定クリップBを、継ぎ目側となる床板の端にビスで取り付けておきます。このとき、ビス留め部分同士が干渉しないように、ビス留め位置が床板の内側になるように取り付けます。
使用目安について
◆基本はデッキ1枚に対して1ヶ所使用でOKです。
※但し、割付によってデッキ材が分断されることで、
全てのデッキ材に使用すると想定より使用個数が多くなる場合があります。
↓
個数が足りなくなる場合は、長さ900mmのデッキ材で優先的にご使用ください。
(※1800mmのデッキ材は重量があり10点で固定されるため、クリップAのみの使用でもOK)
-
1列目の床板はスタートクリップにはめ込むように置いていきます。床板の両端は根太に乗せます。
-
1列目と最後の床材には、スタートクリップを付けるため、固定クリップBは、デッキの内側になるように取り付けます。
-
2列目以降は、割り付け通りに置いていきます。列ごとの隙間は、あとで均等になるように広げていくので、ここでは詰めて置いてしまいましょう。
-
最後の1列の固定は、根太の端にスタートクリップを取り付け、床板をスタートクリップに引き寄せるようにしてはめ込みます。
-
固定クリップAにビスをセットした状態で、床板の横溝(列同士のすき間)へクリップAを通していきます。
-
床板の列同士のすき間を空けながら、固定クリップAを入れていきます。すべての根太と床材が交差するすき間に配置し、すき間が均等になるように調整します。
-
先に取り付けていた固定クリップBにもビスを差し込みます。床板の継ぎ目部分は、デッキ材の伸縮を考慮し、約7mmのすき間を空けます。固定クリップAをスペーサー代わりに挟んでもOKです。
-
クリップを根太にビス留めします。すべての床板が固定できたら、スペーサーを取り除きます。
STEP09. 幕板を取り付ける
-
幕板を割り付けてカットします。(RESIN WOODの幕板材は表裏リバーシブルで使用可能)※幕板に多少の反りがあっても、仕上げにビス固定することで矯正できます。
※幕板の表面仕上げは、両面とも溝加工の無い平滑なサンディング加工に変更となりました。 -
幕板にドリルビットで下穴をあけます。ビスは見栄えを考慮して位置が揃うようにしましょう。 ※幕板取付用ドリルビス規格:皿頭 太さM4 長さ30mm ※別売のアルミ根太用クリップセット付属のドリルビス(黒)も使用可能です。
必ず、1本の下地材に幕板の継ぎ目がくるように固定してください。
※束材を床面に固定する場合は、屋外対応ウレタンボンド、もしくはアンカーボルトで固定してください。
※ここで紹介した施工方法は、プロの施工とは手順・工法等の内容が異なる場合がございます。