壁の構造

壁掛けをするためには、まず壁の種類、及び構造を調べる必要があります。
難しく感じるかもしれませんが、ポイントさえわかれば簡単です。
以下のステップにそって、壁の構造を調べてみましょう。

はじめに

  1. あくまでも一般的な壁の構造に関する説明のため、建物の工法により壁の構造が異なる場合があります。あくまでも判断の目安としてください。
  2. ご自身での判断に不安がある場合、当店もしくはお近くの施工業者までご相談ください。
STEP1まずは見てみる

まずは、壁を見てみましょう。
見るだけで判断できるのは、以下のような壁でしょうか。


クロス(壁紙)が壁に貼ってあるなど、見るだけでは壁の材質が判断できない場合は、STEP2へ進みます。

STEP2ノックしてみる
壁をノックして音を聞いてみてください。
文字で表現するのは難しいのですが、「ペチペチ」というような、詰まった固い音の場合は、コンクリートに直接クロス(壁紙)を貼っている可能性が高いです。
「コンコン」というような、壁の裏側に響く音の場合は、石膏ボード・べニア・合板等にクロス(壁紙)を貼っている可能性が高いです。
ここでは、可能性が高いということを踏まえてSTEP3へ進みます。
  • コンクリートにノック
  • 石膏ボードにノック
STEP3ピンなどの細い針を壁に刺してみる
※壁に穴をあけたくない方はSTEP4へお進みください。
ピンなどの細い針を目立たない場所に刺してみます。
※1箇所ささらなかっただけで「刺さらない」と判断せず、位置をずらして何ヶ所かピンを刺してみてください。

●STEP2でのノック音が「ペチペチ(詰まった固い音)」で、壁のどこにもピンが刺さらない場合、コンクリート壁である可能性が限りなく高いです。
「可能性が限りなく高い」で不安な方は、
  • 壁紙の一部を剥がす
  • その壁にコンセント口があれば、STEP4

の方法で、直接壁の材質をみます。
ビスを刺している写真

●STEP2でのノック音が「コンコン」で、壁にピンが刺さった場合、ピンの先端を見てみます。
ピンの先端にしおり粉がついていれば、石膏ボードの壁です。

●ピンの先端に白い粉がついていない場合、ベニアや合板などの木壁でしょうか。
この場合も、
  • 壁紙の一部を剥がす
  • その壁にコンセント口があれば、STEP4

の方法で、直接壁の材質をみます。
ピンの先端
STEP4コンセント口をはずしてみる
対象となる壁にコンセント口があれば、コンセントのカバーを外すことで直接壁の材質を見ることができます。

壁の断面をドライバー等でかるくなぞってみて、白い粉がつくようであれば、石膏ボード壁です。
ベニア・合板などの木壁だった場合はその厚みがポイントとなります。
少なくとも木の厚さが12mm以上(アーム式金具や重量のあるテレビを取り付ける場合はさらに厚みが)欲しい所です。

※安全のため確認するコンセントの電源回路ブレーカーをOFFにしてから作業してください。

コンセントのカバーを外す

壁の種類による壁掛け方法の検討

石膏ボード
【木造/木造壁下地工法】
一般的な木造住宅の場合、ほとんどがこのパターンです。
等間隔に並んだ柱・間柱に石膏ボードが張られています。
壁裏にある柱・間柱に木ネジを打ち込むことで、安全に金具を取り付ける事ができます。
※石こうボードのみのネジ止めはネジが効かず危険ですのでおやめください。
建築基準(建築モジュール)により間柱の間隔が異なります。
  • インチモジュール(33.3cm間隔)
  • 尺モジュール(45.5cm間隔)
  • メーターモジュール(50cm間隔)
【軽量鉄骨/LGS工法】
マンション、オフィス、店舗等でよく採用される工法です。
木の柱ではなく、軽量鉄骨により壁の下地が組まれ石膏ボードが張られています。

軽量鉄骨へは「軽天ビス」を打ち込み金具を取り付けます。
しかし軽量鉄骨は規格により材質の硬さが異なる等の理由で、
ビスがうまく効く場合、効かない場合があります。

当店としては、プロの設置業者へご相談することを推奨しています。
軽鉄壁下地工法
【GL工法】
マンション、オフィスビルなど鉄筋コンクリート造の建築物によく採用される工法です。
コンクリート壁にお団子状に塗りつけられたGLボンドに対して石膏ボードが張られています。

GLボンド部にはしっかりネジが効かず、
奥にあるコンクリート部にアンカーを打つ等の作業が必要です。

当店としては、プロの設置業者へご相談することを推奨しています。
GL工法
コンクリート壁
【打放し/クロス直貼り】
打放しコンクリートは目視で確認できますが、コンクリート壁に直接クロスを貼っている場合もあります。
どちらもコンクリートアンカーを使用してのお取り付けとなります。

DIYが得意な方・アンカーの使い方をご存じの方であればご自身での設置も可能ですが、
当店としては、プロの設置業者へご相談することを推奨しています。

※コンクリートアンカーは別途ご用意ください。
木壁
【壁掛け用に補強された壁】
事前に重量物のネジ止めに耐えられるよう補強された壁です。
通常、住宅の建築時やリフォーム時に事前にオーダーしておく必要があります。

補強壁面であればどこにでもネジが効きますので、ご自身での設置も可能です。

【ベニア・合板壁】
ベニアや合板などが張られた壁です。

壁掛けする場合、壁の厚みがポイントとなります。
壁が薄すぎると「ネジが効かずに抜け落ちる」「壁がたわむ・割れる」などする場合があり危険です。
少なくとも12mmの厚さ(重量のあるテレビやアーム式金具を使う場合はそれ以上)は欲しい所です。

十分に厚みのある壁であればどこにでもネジが効きますので、ご自身での設置も可能です。
壁の厚みが足りない場合は、壁裏にある柱・間柱等の下地にネジを打ち込むことで、
安全に金具を取り付ける事ができます。
その他
【塗り壁】
珪藻土や漆喰などを塗り固めた壁です。

ベースとなる壁ががどのような構造かにより、壁掛け可能か判断が異なります。
当店としてはプロの設置業者へご相談することを推奨しています。
【タイル】
エコカラットなど、タイル張りの壁です。

状況により「部分的にタイルを剥がす」「われにくいタイルなら穴をあける」など
手順が異なります。
当店としてはプロの設置業者へご相談することを推奨しています。

壁下地の探し方

壁裏センサーでサーチ

電気的に壁裏の状態をサーチするので、壁に穴をあけずにすみます

壁裏センサーをセットし、左から右へゆっくり移動させます。
センサーが反応したら、印をつけます。
次に右から左へゆっくり移動させます。
センサーが反応したら、印をつけます。
印をつけた中間点が下地の中心点となります。

壁裏センサーの使い方
針式下地探し器

実際に針を壁にさして下地を探します

実際に壁に針をさし、「針が途中(一般的には12mm)まで刺さる場所」を探します。
12mmというのは石膏ボードの厚みとなります。
つまり12mm針がささって、それ以上ささらなければ、その場所が下地(間柱)となります。
ただし、その場所が下地(間柱)の中心点かどうかはわかりませんので、ご注意ください。

磁石で木か軽鉄か判別

下地を見つけた場合、磁石を使う事で下地が木か金属か判断します

下地部分に磁石を押し当て、壁にくっつくようであれば軽鉄。
くっつかなければ木と判断します。