きもの寸法の目安
着物の寸法
着物のサイズは、人によって意見の違うところですが、洋服よりも大まかに考えてよいと思います。着物が良く着られていた時代、着物のサイズは大体標準的なパターンの中で決められていて、「女並」「男並」と言われるサイズで大体収まっていたのです。その頃は、手持ちの着物を工夫してドンドン着られていました。
着付けの方法によって、多少のサイズの前後は補うことが出来ますが、
よく言われている許容サイズは以下の通りです。もちろん、体形や着付けの方法により、この限りではないこともあります。
詳しくはこちら(拡大図)をご覧下さい。
|
ヒップ(cm) |
前幅(cm) |
後幅(cm) |
おくみ幅(cm) |
〜84 |
22 |
27.5 |
15 |
85〜87 |
22.7 |
27.5 |
15 |
88〜90 |
22.7 |
28.4 |
15 |
91〜93 |
23.5 |
28.7 |
15 |
94〜96 |
23.8 |
29.5 |
15 |
95〜98 |
24.6 |
30.2 |
15 |
99〜101 |
25.7 |
30.9 |
15 |
102〜104 |
26.5 |
31.7 |
15.9 |
※注意※
これが絶対の寸法ではありません。自分のサイズにピッタリのあてはまらなくても、着付けで調節は可能ですので、参考程度にお考え下さい。
身丈=身長の「+5cmから+10cm」〜「-5cmから-10cm」
±5cm以内なら、普通に着られる可能性が高いです。
おはしょりとは調整のためのものですから、
それ以上の差でも着こなし方しだいです。
着物は裾の部分が汚れやすいため、洗張りの後で仕立て直すとき、
裾の部分を少し切ってきれいに仕立てるという再生方法があり、
そのため、お手入れで切って短くなっても大丈夫なように、
着物の身丈は男物でも女物でも、やや長く作ってあります。
それを着るときに調整する機能を持つのが、男物では内揚げであり、
女物ではおはしょりであります。つまり、多少のサイズの前後ならば、調整可能、というのが元々着物が持つ機能です。
裄(ゆき)=首の付け根から手首(くるぶし)までの長さ(手を横に伸ばして)の
「+3cmから5cm」〜「-3cmから5cm」
むしろ、着付けで調整容易な身丈よりも重要なのは裄です。
着こなし方の好みによりますが、
大よそ±3cm以内なら普通に着られる可能性が高いです。
(最近の昔着物ブームが紹介されている雑誌などで、モデルさんがそれより裄が短いと思われる着物をお召しになっていますが、
さすがにうまく着こなされていて、違和感をあまり感じない事があります。)
●前幅と後幅
昔は、女並「前幅23cm、後幅28.5cm」、男並「前幅24.5cm、後幅30.5cm」のどちらかを仕立てのときに指定しただけの注文が多かったようで
(女性の場合でも)、これも、ある程度大まかに考えてよいと思います。
着物は仕立ているとき、ヒップのサイズから前幅と後幅を決めます。
正確には、さらに身幅や前腰幅と言った数字を割り出すのですが、
ここで必要な分だけ、ごく大まかに言うと、
衽(おくみ)幅は大体15cm、それに前幅+(後幅×2)-(1×2[ゆるみ分])
を加えた数がヒップサイズと等しくなるようにします。
つまり、「ヒップ」の数字が「前幅+(後幅×2)+13」を計算した数字に
近ければOKということになります。
【例】「ヒップ92cm」の方が、「前幅23cm」、「後幅28cm」のお着物をご検討の場合、
92(ヒップ)=23(前幅)+〈28(後幅)×2〉+13
の式が成り立ちますので、だいたいちょうど良いと言うことになります