貧血の原因と鉄分の必要摂取量

貧血の原因は、現代人に不足しがちであると言われている鉄分です!
この鉄分は一日にどのくらいの量を摂取しなくてはいけないかというと、成人男性で10mg成人女性で12mgと言われています。男性より女性の方が多くの鉄分をとらなくてはいけないので、女性に貧血の方が多いと言うのもうなずけます。
その鉄分はもちろん食品から摂取することが一番ですが、もっと手軽に鉄分補給をする手助けとなるものが南部鉄器です。
ちなみに女性の場合、妊娠前期には15mg、妊娠後期になると通常の倍近くの20mgが必要となるのでより大変です。
おなかに赤ちゃんをお迎えしたら、お母さんの身体も大事にしましょうね。




南部鉄器からは吸収されやすい鉄が溶出します

南部鉄器で調理をすると鉄分が少しずつ溶け出し、食材や水分に鉄分が移り、それを食べたり飲んだりすることによって簡単に鉄分補給が可能です。
その溶出する鉄分のほとんど(80〜95%)が人間の身体に吸収されやすい「二価鉄」と呼ばれるものです。
鉄分には「二価」と「三価」がありますが、人体に吸収される時には「二価」として吸収される仕組みになっています。
つまり、「消化」という段階を踏まずに素早く吸収されてゆきます。
これにより、継続的にお使い頂ければ貧血予防や改善に効果あることが明らかになっています。


溶出する鉄分量の違い

溶出する鉄分量(鉄分溶出量)は、調理の際に使用する調味料によっても違いがあり、味噌や食酢(お酢)などの酸味のある調味料を使用すると、より多くの鉄分が溶出することが実証されています。
また、鉄分溶出量は調理する時間、例えばお湯を沸騰させておく時間や煮込む時間が長くなればなるほど、多くなっていきます。

【ご注意】
当店でお取り扱いの商品の中で一部内側が「ホーロー加工」してある商品がございます。その商品は鉄の表面にガラス質の釉薬を塗ってしまいますので、その部分の錆止めには非常に効果がありますが、鉄分の補給は望めませんのでご注意下さい。




製造過程で出来る「砂目」

南部鉄器は主に、溶かした鉄を型に流し込み冷まして固める「鋳造」という製造方法をとっています。
しかし、溶けた鉄を型に流し込む時、鉄やアルミなどの型だと流し込んだ鉄の温度で型自体が溶けてしまうので、南部鉄器の鋳造には「砂型」と呼ばれる砂で固めた特殊な型を使用します。
その時に砂型の目が写し取られ、鉄器の表面にはごく細かな凹凸が出来ます。
ここに油が染み込み、さらに過熱された空気が入り込むことで焦げ付きを防ぐはたらきをします。



使い込むことでさらに焦げ付きにくく

何回も何回も使い込むことにより、1回の使用では砂目全部に行き渡らなかった油が全体に行き渡り、その次に使う時はさらに油なじみがよくなっていきます。
ただでさえ黒い南部鉄器はさらに黒くツヤツヤとしてきます。この黒光りした表面が南部鉄器が焦げ付きにくい要因のひとつです。
このせっかく時間を掛けて馴染んだ油を落とさないためにも、使用後のお手入れには洗剤は使用しないで下さい。
洗剤を使ってしまうと砂目の凹凸に馴染んだ油を全て落とす結果となってしまい、焦げ付きやすくなってしまいます。(同時に錆びも出やすくなってしまいます)
お手入れには鉄器を傷つけにくい「ササラ」や「亀の子ダワシ」などを使用し、お湯ですすぐように洗って下さい。
万が一焦げ付きが生じた場合には、お湯に10〜15分程度漬けておけば簡単に剥がれていきます。



アルミの鍋より熱が1.5倍長持ちでステンレスより高熱伝導率

鉄は一度溜め込んだ熱を簡単には逃がしません。アルミ鍋と比較しても熱が冷めるまでに1.5倍もの時間がかかることが証明されています。

また、ステンレスと比べると熱伝導率に優れているので加熱開始から沸騰までが早く、ステンレス製のやかんでお湯を沸かすより早く沸き上がります。


冷めにくい特長は調理にも

「冷めにくい」と言うことはつまり調理時に置き換えると、食材を入れても「温度が下がりにくい」と言うことです。
つまり、最初から最後まで大きな差がなく食材に熱を与えるので、料理も美味しく仕上がります。
さらに、冷めるのに時間がかかると言うことは、冷ますときに食材が旨味を吸収する煮物料理には最適です。(煮物の種類によっては食材が多少黒ずむ事もありますが衛生上問題はありません)




南部鉄器は本体に厚み(約4〜10mm)があり、たくさんの熱を蓄えるため保温性が高く、さらにその蓄えた熱を全体にまんべんなくふんわりと伝えるため、温度差ができにくい特性をもっています。
厚みの少ない鉄板ですと熱をたくさん保有することが出来ず、温度差が生じてしまい局部的に加熱してしまうので、焦げ付きや食材の中までしっかり火が通らない原因となってしまいますが、南部鉄器にはその心配がほとんどありません。
特に調理中の熱ムラを嫌う、「天ぷら」や「フライ」などの揚げ物は、南部鉄器で調理することによりカラッと仕上がります。



南部鉄器のふんわりとじっくり温める性質で、お味噌汁やお雑煮などの汁物の味がまろやかになります。
味がまろやかになると普段よりも味が濃く感じるため、調味料が約2/3程で済みます。
調味料の節約と塩分控えめに出来るなんて、一石二鳥ですね。



南部鉄器は全てが鉄で造られている純鉄製です。もちろん鉄は電気を通しますので、ジンギスカン鍋などの底面がくりぬかれているものや、本体を安定させるための突起が付いているものなどの、底面と電磁調理器が接する面積のない(小さい)もの以外の調理器具は、全て電磁調理器に対応しています。
もちろん電磁調理器対応の商品はガスなどでもご使用頂けます。
【200V電磁対応】と記載のある商品は100V電磁調理器でも使用可能ですが、【100V電磁対応】と記載のある商品は200V電磁調理器には対応しておりません。



南部鉄器の調理器具は、軽量化の進んだ調理器具と比べると正直格段に重く造られています。
しかし、安定性と重量は表裏一体の関係です。
重厚に作られている分、南部鉄器は熱による変形が少なく、さらに器具自体の重さがあるので安定して調理が可能です。
そしてたくさんの熱を保有するので、食材を入れても鍋自体の温度が下がりにくく、炒め料理などでは水分を飛ばすために行うフライパンを「振る」という作業がほとんど必要ありません。
だから、南部鉄器は重くても調理時に短所になる事はほとんどありません。



南部鉄器メーカーでは「100年以上愛用されるものづくり」を目指して日々努力を続けています。
実際に、当店に頂きましたお客様からのお電話で、「もう3世代もの間使っている」と言うお声も頂いたことがございます。
テフロン加工などの焦げ付き防止加工の施されている調理器具にはない、驚きの寿命の長さです。
また、万が一壊れてしまったり、使わなくなってしまった鉄器は溶かして別の製品などに再生することが出来るため、100%リサイクルが可能な本物のエコ調理器具です。



国の伝統的工芸品の指定を受けている岩手県「南部鉄器」の歴史には大きく分けて「盛岡」と「水沢」の2つがあります。
当店取り扱いの「岩鋳」は盛岡南部鉄器「南部盛栄堂 及源」は水沢南部鉄器の歴史をもち、どちらも南部鉄器のトップメーカーです。


「盛岡」の南部鉄器の歴史 〜岩鋳〜

その歴史は約400年程前、西暦1600年代初頭に現在の岩手県盛岡市の藩(南部藩)が、京都より茶釜の職人を招き作り始めたのがきっかけで、その後も全国各地から職人を呼び寄せ、武器や日用品を製造してきました。
今ではよく知られる「南部鉄瓶」は西暦1700年代になって茶釜を小振りにし、改良を施して製造したのが始まりで、手軽さから広く用いられるようになりました。
その後、日用品の他にもたくさんの調理器具も製造されるようになり、現在ではその種類は数え切れない程たくさんの製品が生み出されています。


「水沢」の南部鉄器の歴史 〜及源〜

盛岡の南部鉄器よりその歴史は古く、約900年程前の平安時代末期までさかのぼります。
奥州藤原氏と呼ばれる「藤原清衡(ふじわらのきよひら)」が今の滋賀県より水沢へ鋳物師を招いて鉄の鋳造を始めたのが起源とされています。
その後、盛岡の南部鉄器同様に鍋や農耕具などの生活日用品や武器を製造し、領主の保護を受けた特殊産業として発展を遂げました。
明治時代中期(19世紀末)頃になると、水沢の南部鉄器は東北一の生産量を誇り、大正期までの間に「鉄瓶黄金時代」を築き上げてきました。


伝統的工芸品としての南部鉄器

古くから愛されてきた南部鉄器は、昭和50年2月17日に国の伝統工芸品として指定されました。
昔ながらの伝統を守りながら湯釜や鉄瓶などをの製造に加え、現代の生活にもマッチしさらに愛される製品を作るべく日夜取り組んでいます。
現在では、日本国内のみならず、海外見本市への出展や海外への輸出なども積極的に行い、海外に行くとごくたまにちらほらと南部鉄器の鉄瓶を見かけるようになりました。
時代が変わっても色あせない伝統に磨かれながらも、常に生活の中に溶け込み生き続けてきた南部鉄器の味わいと温もりに、触れて使ってその良さを感じてみてください。




使い始めは

【焼き物用キッチンウェアの場合】

本体をお湯でよく洗い、空焚きをして水分を飛ばします。
その後内側にちょっと多めに食用油を満遍なく引いて野菜くずなどを炒め、十分に油を馴染ませてからお使いください。
【煮物用キッチンウェアの場合】
焼き物用キッチンウェアと同様にして油を馴染ませてからお使いください。

【揚げ物用キッチンウェアの場合】
本体をお湯でよく洗い、軽く空焚きをして水分をしっかり蒸発させてからお使いください。
【湯沸し鍋の場合】
湯沸し鍋はお湯を沸かすためだけのアイテムです。
本体をお湯で軽くすすぎ水を8分目まで入れてから加熱し、15分程度沸騰させてください。最初は鉄成分によりお湯が濁りますが、何回かこの作業を繰り返すと水が無色になります。そうなってからご使用ください。


使用後は

【焼き物用キッチンウェアの場合】

本体をお湯ですすぎ、ササラやタワシで優しくこすりながら汚れを落としてください。この時洗剤は使用しないでください。 洗剤を使ってしまうと馴染んだ油を全て落とす結果となってしまい、焦げ付きやすくなってしまいます。また、錆びやすくもなってしまいます。
もし、焦げ付きがみられる場合にはお湯に10〜15分程度漬けておけば簡単に剥がれていきます。
お手入れが終わったら軽く空焚きし、しっかり水分を蒸発させてからお仕舞いください。
お仕舞いの際にはバイオアドニールスプレー(推奨)や食用油を塗っておくと錆びにくくなります。
【煮物用キッチンウェアの場合】
料理が完全に冷え切ってしまう前に他の容器に移して下さい。鉄分と反応して黒ずんでしまうことがあります。
その後は焼き物用キッチンウェアと同様にしてお手入れし、お仕舞いください。

【揚げ物用キッチンウェアの場合】
本体をお湯ですすぎ、軽く空焚きし、しっかり水分を蒸発させてからお仕舞いください。
お仕舞いの際にはバイオアドニールスプレー(推奨)や食用油を塗っておくと錆びにくくなります。
【湯沸し鍋の場合】
本体をお湯ですすぎ、軽く空焚きし、しっかり水分を蒸発させてからお仕舞いください。