NAZDEM(ナズデム)社について

トルコ共和国と聞いて思い浮かぶ都市は、東西の文化が交差し、シルクロードの出発点となっている「イスタンブール」。または、トルコ共和国の首都アンカラでしょうか。
今回は、NAZDEM社を訪ねるためにトルコ共和国第3の都市「イズミル」から入国しました。イズミル港は輸出入の大型船が出入りし、商業工業の拠点となっています。私たちが輸入しているイチジクもこの港から輸出されています。
※イズミル港 リゾート都市+貿易港として栄えている。
NAZDEM社は、イチジクの産地である「ナジッリ」にあります。
私たちが手にするイチジクはこの地で収穫され、この工場で商品化されていると思うと何とも言えない嬉しい気持ちで胸がいっぱいになります。

NAZDEM社のこだわり

社長室に通され、今年採れたばかりの大粒の乾燥イチジクとチャイをいただきながら、会社の成り立ちについて教えていただきました。


現在、弊社が日本総代理店となるNAZDEM社は、1996年に設立されました。現社長の父ズヒニ氏はイチジク農家の2代目でNAZDEM社の創業者です。
※わたくし杉江と現社長のヤーシン氏
イチジクは通常、ブローカーと言う仲介人を通じて売買されパッカー(加工者)に販売されますが、とても良いイチジクが採れても農家の収入は乏しく暮らしはあまり向上しません。そのような中、現状を打破すべく周りの反対を押し切ってズヒニ氏は一人、たった40平米程度の倉庫兼事務所で創業しました。
※NAZDEM創業者ズヒニ氏
ズヒニ氏は現在63歳です。彼曰く、「常に現場で仕事をしないと専門家になることはできない」
彼の作る高品質のイチジクと営業努力の甲斐があって、創業1年目から順調なスタートを切ります。翌年からは反対していた村の農家もズヒニ氏にイチジクの販売を委託するようになりました。年を追うごとに取扱量が増え、息子(現社長)も手伝うことで他の村や産地にも出向き、更に取扱量が増えていきます。創業10年目頃には年間3500トンものイチジクを仲介するようになりました。
ある日、社長のズヒニ氏は、息子のヤーシン氏に社長職を譲ります。その時、この会社をブローカーとして続けていくのか、他の道を選ぶのかの選択を新社長に迫りました。新社長のヤーシン氏は、他の道=つまり「自社ブランドのイチジクメーカー」になることを決断します。そして、その時からNAZDEMブランドのイチジクは「高品質なイチジクしか取り扱わない」と誓ったのです。
なぜなら、ヤーシン社長には勝算がありました。ブローカー時代に品質の高いイチジクを見分ける力、品質の高いイチジクが収穫できる産地の農家さんとの絆、パッカー(メーカー)が求める品質情報など、仕入情報網と販売情報網の両方を持っていたからです。現在NAZDEM社は品質の高いイチジクが収穫できる各産地に5ヶ所のサテライトオフィスを持ち、生産地の情報をタイムリーに取集していち早く高品質のイチジクだけを仕入れています。仕入管理は兄のヤルチャン氏が統括しています。また、父ズヒニ氏も自社のイチジク農園を運営しながら会社の経理を担当しています。NAZDEMとは、会社の所在地「ナジッリで最高」を意味する造語です。イチジクの栽培・運営など、現場を知り尽くしているからこそ自信を持って「最高」をお届けできます。

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