自家製酵母作り初心者におすすめ!
レーズン酵母
自然にある菌を培養して作る酵母は様々な種類で作ることができ、果実を原料にした果実種の中でも、レーズンは比較的発酵力も強く失敗しにくいので、初めて酵母作りに挑戦されるのに最適です。
元々パンの材料としても相性の良いレーズンで作った酵母で作るパンは、癖が無くレーズンのほのか香りと甘みが感じられます。
ゆっくり時間をかけて自家製酵母を育ててみませんか?
材料選びの際は、オイルコーティングされていない有機レーズンを使えば良い酵母が育ちやすいのでオススメです。
発酵させてつくる酵母づくりで重要なのは温度管理と発酵の見極めです。
発酵エキスの出来上がりが十分でないとその後の発酵種づくりにも影響を与えてしまうのでの注意しましょう。
材料
材料名 | 分量 |
---|---|
【発酵エキス】 |
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250g |
|
浄水 |
1000g |
5g |
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【酵母種】 |
|
発酵エキス |
約180g |
150g |
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【道具】 |
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瓶(密閉できるもの) |
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作り方
1.下準備
・瓶の本体とフタを煮沸消毒しておきます。
・浄水に粗糖を混ぜ溶かしておきます。
雑菌やカビの発生を防ぐために、スポンジや布巾を使って洗ったり拭いたりしないようにしましょう。
2.【発酵エキス】
煮沸して清潔にしておいた瓶に、材料を全て加えてフタをします。
通気性が良く出来るだけ温度湿度の変化の少ない場所に保管します。
レーズンが水面から出て乾燥するとカビが発生しやすくなるため、常にレーズンが水で浸るように毎日1~2回ほど瓶を上下に振り、1日に1回はフタを空けてガスを抜き、酸素を取り込むことで発酵を促進させます。
1日目
2日目~
発酵が進むとレーズンが上面に浮き始め、水面に白い泡が出始めます。
レーズンの皮色は薄くなり水も濁り始めます。
3日目~
濁りが一段と濃くなり、レーズンのほとんどが浮かび上がります。
容器内にガスが十分に発生し、底面に「澱(オリ)」と呼ばれる白い粉のようなものが溜まっていれば完成です。
※酸っぱい匂いや刺激臭、異臭がする場合は雑菌が繁殖したことが考えられます。
完成
完成した発酵エキスは、フタを空けた際に大きな音と共に発泡し、
甘くフルーティーな発酵臭と舐めた時にお酒のような風味が感じられます。
1日置き、全体を上下に2~3回振ってから布巾やガーゼを敷いたザルなどで漉して、お好みで絞りあげてエキスを抽出します。
発酵エキスの底に溜まる白い粉のようなドロッとしたものは「澱(オリ)」と呼ばれる酵母菌が集まったものです。
この澱(オリ)の中にはビタミンやミネラルなどの栄養素もたくさん詰まっているので全体にしっかり行き渡るように撹拌してからエキスを取り出してください。
また、発酵エキスを仕込み水の一部に使用してパンを焼くことも可能ですが、安定してパンを焼きたい方、初心者の方は発酵種を作ってつくる方法がおすすめです。
《 レーズン酵母のかけ継ぎ 》
酵母の発酵力を維持するための作業を「かけ継ぎ」と呼びます。
酵母は生き物なので作り置く事や長期保存が難しく、再び小麦粉と水を栄養として与えて発酵させることで菌の働きが活性化し、発酵力を保った状態で使う事ができます。
材料 | 分量 |
---|---|
小麦粉 |
100% |
前日のレーズン酵母 |
25% |
塩 |
0.5% |
水 |
65% |
調整用の水 |
5~10% |
3.【発酵種】
1日目
ボウルに小麦粉を入れ、発酵エキスを徐々に混ぜ合わせていきます。
全体が味噌くらいの硬さになるまでを目安に発酵エキスを加えていきます。
梅雨時期や夏場の湿度が高い季節などでは、塩を5g程度加える事で雑菌の繁殖を防ぐ効果があります。
表面を均し、乾燥しないようにビニール袋を被せ25~28℃で12~15時間発酵させます。
発酵後、ビニール袋に被せたまま翌日まで冷蔵庫(5℃)に入れておきまます。
※ビニール袋でなくラップをかける場合は、表面に空気穴を数か所空けてください。2日目以降
材料 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
---|---|---|---|
発酵種 |
1日目の発酵種 |
2日目の発酵種 |
3日目の発酵種 |
水 |
発酵種に対して |
発酵種に対して |
発酵種に対して |
小麦粉 |
発酵種に対して |
発酵種に対して |
発酵種に対して |
塩 |
発酵種に対して |
発酵種に対して |
■共通工程
ボウルに発酵種、水を入れてよくふやかしておきます。
■2日目
小麦粉を加えよく混ぜ合わせます。
表面を平らに均し、乾燥しないようにビニール袋を被せ25~30℃で8~12時間発酵させます。
発酵後、ビニール袋に被せたまま翌日まで冷蔵庫(5℃)に入れておきます。
■3日目
小麦粉と塩を加えよく混ぜ合わせます。
表面を平らに均し、乾燥しないようにビニール袋を被せ25~30℃で8~10時間発酵させます。
発酵後、ビニール袋に被せたまま翌日まで冷蔵庫(5℃)に入れておきます。
■4日目
小麦粉と塩を加えよく混ぜ合わせます。
表面を平らに均し、乾燥しないようにビニール袋を被せ25~30℃で8~10時間発酵させます。
発酵後、約2倍の大きさに膨らめば完成です。
2日目
発酵後、表面に小さな孔がプツプツと開き始めます。
3日目
発酵後、約1.5倍~2倍に膨らみます。
4日目
完成
※カビや異臭がしないか確認しましょう。発酵種をつくる工程では、過発酵にならないように注意が必要です。
捏ねる工程の無い発酵種はグルテン形成のないまま発酵するので、その場の温湿度環境によっては過発酵しやすくなります。
過発酵した種でパンをつくると酸味が強く、また発酵力も弱いので膨らみの少ないパンに仕上がります。