

基本のKEY カイザーゼンメル
~ブレッドマーカーの使い方~
オーストリア発祥でドイツなどでもよく食べられているカイザーゼンメルは、トップに特徴がある小さな丸いパンで、フランスパンによく似たサクサクとした食感で、焼き立ては非常に軽い食感で特に美味しいことから「2時間パン」という愛称でも親しまれています。
カイザーとはドイツ語「皇帝」を意味し、パンの上面にある模様が皇帝や王がかぶっていた王冠のように見える事から、この名がついたといわれています。
上部に模様を付けることで火の通りがよく、窯伸びをよくする役割も兼ねています。
特徴的な王冠型の模様をつける方法として、型を使わず手で折り込んで成形するハンド成形、専用の型やフォークの側面などを使って付ける簡単な方法の2つがあります。
今回は型を使って手軽に模様をつける方法のポイントを押さえていきましょう。
シンプルな配合で食事パンとして親しまれているカイザーゼンメルは、サクっとした歯ごたえの食感を引き出す為に、ミキシングの最初から溶かしバターを加えて捏ね、あえてふっくらとした焼き上がりは目指さず平らになるように発酵をとるのがポイントです。
材料 (約65g×5個分)
材料名 | 配合率 | 分量 |
---|---|---|
100% |
200g |
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2% |
4g |
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3% |
6g |
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1% |
2g |
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1% |
2g |
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水 |
63% |
126g |
3% |
6g |
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適量 |
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【道具】 |
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作り方
1.下準備
・ユーロモルト、イーストを水にしっかりと溶かしておきます。
気温や室温にあわせて仕込み水の温度を変えると、生地の捏ね上がり温度が一定になります。
気温が低ければぬるく、高ければ低くするなどして調整してください。
・強力粉、塩、スキムミルクをよく混ぜ合わせておきます。
・無塩バターを溶かして溶かしバターを作っておきます。
2.ミキシング
ボウルにユーロモルト・イースト溶液、混ぜ合わせておいた粉類を入れた後、少し窪みを作り、そこに溶かしバターを入れ捏ねていきます。
ある程度なめらかな状態になれば、分量外の油脂を塗ったボウルやタッパーなどに入れます。

最初から溶かしバターを加える事で、グルテンの形成が抑えられ、生地がしなやかに伸び過ぎるのを防ぎます。
こうすることでサクっと軽い食感のパンに焼き上がります。
3.フロアタイム(一次発酵)
温度30℃、湿度75%(発酵器)で50分発酵させます。

4.分割・丸め
1個約65g(5個分)に分割して軽く丸めます。

5.ベンチタイム
約20分生地を休ませます。
6.成形
ブール形(丸)に成形し、分量外の手粉を振ったパンマットの上にのせます。

7.ホイロ(最終発酵)・型押し
温度32℃、湿度80%(発酵器)で発酵させます。
約20分発酵させてから一度取り出し、ブレッドマーカーに分量外の油を軽くつけ、表面に模様をつけます。
その後、水で濡らした布巾に、模様をつけた面を下にし軽く水をつけ、ケシの実(またはごま)をまぶします。
ブレッドマーカーで型押しする際は、力加減に注意しましょう。
裏側の生地からブレッドマーカーの形がわかるくらいにしっかりと押し付けることがポイントです。
深く押しすぎると生地が破れたり、逆に弱すぎると模様が付かず失敗につながります。
型が無い時には、フォークの側面を使って模様をつけることができます。
【型押しのPointを動画で!】
ケシの実(またはごま)を付けた面を下にしてパンマットに乗せ、再度30分発酵させます。

生地を下にして発酵させることで、生地の膨らみを抑え平らな焼き上がりになります。
また、発酵する時にケシの実やごまが張り付き、模様をつけた面が発酵により広がるのを防ぐので、しっかりとした模様で焼き上がり綺麗な仕上がりになります。
8.焼成
230℃に予熱しておいたオーブンに入れ、温度を210℃に設定し直して約15分焼成します。
※スチーム機能がある場合はスチームを入れ、無ければ霧吹きをして焼成してください。※オーブンの機種・小麦粉等の違いにより焼き上がり時間・焼き上がり方は異なります。 お持ちのオーブンに合わせて、温度や時間を調節してください。
