競泳メーカーの高速水着徹底比較 2019年版    by MIHORO 2019.2.22 update(随時更新)

2020に開催されるスポーツの祭典に向けて、各社の動きが激しくなってきた2019年
どのメーカーも選手と共に歩み続けてきた傑作を世に出す時期です。
まずどんな高速水着(レース用水着)があるのか、そしてそれぞれの特徴は何か。そういった事をまとめていきます。試合に出場される皆さまが真に自分に合った水着を見つけて頂けるように更新をしていきます。皆さまからの情報なども取り入れていきたいと思いますので、ご感想などもぜひお寄せ下さい。
個性豊かに高性能になっていく高速水着の個性をしっかりと把握して、自分に合った水着を見つけましょう。




mizuno GX SONIC 4
主幹機能:フラットスイム(下半身の浮き感)
人は水面に対して水平で泳ぐ(フラットスイム)が一番効率の良い泳ぎ方として提唱し、アップデートを繰り返してきたシリーズ
初代の登場から3の登場に至るまでアップデートを加える毎に人気を高めて行き、直近の2017年、2018年において日本代表選手の着用率が国内の大会出場選手において着用率が最も高く、
日本国内の各種大会においても着用率50%を超えた人気のモデル。
GX SONIC4になる際に、前方向だけでなく後ろ方向のキックも改善している。MRの変更も大幅に加えられ、より多くの選手の着用が予想される。

 
GX SONIC4 ST(ジーエックス ソニックフォー エスティー)
2種類ある硬さの中で、硬い方のスプリンター(短距離選手向け)モデル。
選手から非常に評価の高い浮き感の機能を持ちつつも、前方向、後ろ方向のキックも改善するなどの、緻密なシミュレーションが出来るミズノだからこそのアップデートGX SONIC4になる際に行われた。
比較的硬めの着用感で人を選ぶが、そのフラットスイムの性能の高さから、人気が高い。
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  GX SONIC4 MR(ジーエックスソニックフォー エムアール)
2種類ある硬さの中で、やわらかい方のマルチレーサーモデル
前作のGX SONIC3から大幅な変更が加えられ、着易さが大幅に改善された。今まで硬めのミズノのレース水着が着用できなかった人や、長距離選手にも非常に合う、着易い作りになっている。
フラットスイムの理論は変わらず取り入れらてバランスが良い仕上がりになっている、
以前のような強めの浮き感の機能を求める方はSTも選択肢に入れたい所。
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メーカーHP・紹介誌記載着用選手(2019)
小堀勇気選手、渡辺香生子選手

  メーカーHP・紹介誌記載着用選手(2019)
池江璃花子選手、渡辺一平選手、大橋 悠依選手
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男性用女性用
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男性用女性用ジュニア用


…併せて検討したい

GX SONIC EYE J
ワイドレンズで非常に広い視界と、極限まで削られた水流抵抗。ワイドレンズの特徴である付けやすさも非常によい。
ミラーレンズクリアレンズ
 

GX SONIC HEAD
ドーム型でしわが出にくいように加工してある形状だけでなく、人の形に添った、楕円形成型が特徴
通常ドーム型耳まで覆えるレースタイプ

 

arena ULTIMATE AquaForce(アルティメット アクアフォース)

主幹機能:アップキック(後ろ方向)サポート
人は構造上前方向のキックはしやすいが、後ろ方向のキックは弱くなりやすい。そういった後ろ方向のキックを強めたシリーズがこのアクアフォースシリーズ今回はアルティメット(究極)といった意味を持つ言葉を冠して登場。
アクアフォースシリーズの前作もまた、その使いやすさから年々選手同士の口コミによって人気を高めていっている。
これまで強化し続けてきた後ろ方向のキック(アップキック、バックキックなど)を強化しつつ、着易さを大幅に改善する構造を取り入れる。これによってアップキックの改善と動きやすさというバランスがこのシリーズで出来上がった。

 
アルティメットアクアフォースCP
この本作に際してアップキックの強化と、着易さの改善が行われた。男性のCPはアップキックを強化するためのテープの量が増え、アップキックを更に強くサポート
女性はアップキックの機能を使いながらも一枚布を採用することで非常に着易い着心地を実現。前作でLightning FLEXやCARBON AIRといった柔らかいシリーズを着用していた選手も、このCPに興味を持っており、そのバランスの良さが特徴的
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  アルティメットアクアフォースMF
この”アルティメット”になるにあたって、着心地が一気に改善された。高速水着(レース水着)の中でも非常に着心地が良いとされ、実際に着用した人の意見では「まるで着ていないかのように感じる」といった声が生地面積の多い女性からも
出るほどに、自然に体にフィットするように改善。以前のCARBON AIRをご存知の方は、そのイメージを持って貰うといいかもしれません。アップキック機能を残しつつ着易さを重要視したタイプ
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各選手が選んだ水着(2019arenaの専用HP掲載情報)
藤森太将選手・清水咲子選手・川本武史選手・牧野紘子選手
  各選手が選んだ水着(2019arenaの専用HP掲載情報)
瀬戸大也選手・入江陵介選手・山根優衣選手・長谷川涼香選手・相馬あい選手
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男性用女性用
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男性用女性用


併せて検討したい

Aquaforce Swift(アクアフォース スイフト)
フィッティングに優れたノンクッションゴーグル
有効視界も非常に広く、多くの日本代表選手が愛用している。

  COBRA ULTRA(コブラ ウルトラ)
優れたフィット感を誇るクッション付きゴーグル
横方向と進行方向への視界が非常に広く、海外選手の大半がこのゴーグルを愛用している。
Aquaforce 3D SHEILD(アクアフォース 3Dシールド)
ドーム形状に成型されており、被った時のシワも少ないため流水抵抗の低減にもつながっている。
裏面の滑り止め加工や、生地の伸長率の改善など、各種機能が入ったシリコンキャップ
   

 

 

arena POWERSKIN CARBONシリーズ

少し混在しやすいかもしれないが、POWERSKIN CARBONシリーズはアリーナ海外選手も多く愛用するグローバルモデル
ポリエステル素材にカーボンというハイパワーな素材を含有した意図を入れる事で、丈夫な生地を実現している。

 

powerskin carbon flex VX
(パワースキンカーボンフレックスブイエックス)

POWERSKIN CABON FLEXがそのテープ形状でVX型を導入する事でパワーアップして登場

ハイパワーな素材による高いホールド感
V型テープによって後ろ方向のキックをサポート
X型テープによって動きやすさを改善し、ストローク効率を向上
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  powerskin carbon air2
(パワースキンカーボンエアスクエア)

世界で大ブレイクし、日本でも人気を誇ったパワースキンカーボンエアの後継モデル。薄手で動かしやすい生地が使われ一枚布になって着心地がさらに向上している。
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近日発売予定
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3~4月発売予定



asics TOP IMPACT LINE RAiO2+(トップインパクトラインライオ2)
主幹機能:コアスティンガー(体幹・姿勢を一直線に保つようなサポート)
アシックスが陸上でも提唱するトップインパクトライン。骨盤の安定と体の芯を重視した考えを元に創られた水着。このRAiOシリーズでも同様に骨盤の安定を図るためにしなやかに伸縮する生地を使っている。縫製面積をいかに小さくしていくかということが大事な中で、生地の中に伸縮性の違う生地を織り込んでいくという非常に高い技術によって緻密な伸縮性の生地配置に成功している。疲労した後半にも足が開かないような工夫も秀逸に行われており、前半はもちろん、後半になってもそのストロークの美しさを維持することで、後半のレース性能を維持させる。RAiO2以降は部分的なパワーメッシュの配置をしており、元々評判が良かった着心地の良さ、そして足回りの可動域を確保しながらも、高い泳ぎのサポート機能を組み込むことに成功した上位モデル。
RAiO2からRAiO2 +になるにあたって、生地の軽量化、フラット加工による水流抵抗減、ストレッチ性の改善、FINAマークの改良などが行われている。


 
TOP IMPACT LINE RAiO stream2+
(トップインパクトラインライオストリームツー)

タイトな着用感で前半から飛ばし、後半まで体力が続くスイマー向け、短距離選手に人気が高い。
  TOP IMPACT LINE RAiOglide 2+
(トップインパクトラインライオグライドツー)

streamと比較して伸縮性がある為に、可動域が高くラストスパート型選手、中長距離選手にも人気が高い。
メーカーHP・紹介誌記載着用選手(2019)
中村克選手・今井月選手・高橋美帆選手
  メーカーHP・紹介誌記載着用選手(2019)
鈴木聡美選手・青木智美選手
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男性用女性用
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男性用女性用



speedo FASTSKIN LZR Pure(ファストスキンレーザーピュア)

競泳水着の世界新基準を作り続けてきた歴史を持つspeedoが、世界のトップ選手と度重なるリサーチと開発によって生み出された新モデル。今作はINTENTとValorで違った水着を創り上げてきた。

 
FASTSKIN LZR Pure Intent
流水抵抗を低減させるためにあえて施されたサメ肌の表面加工。ゴルフボールにはくぼみがあった方が飛びやすい事の着想も加わって六角形の凹凸が施された素材が採用されています。この凹凸は目で見てわかる程の凹凸です。
LZR Racer Xと同じように、横方向の伸びを抑えて高い着圧が施されており、縦方向には伸びる素材を採用している。
メンズにはハムストリングをサポートする機能が加えられており、後ろ方向のキックがサポートされるようになった。
  FASTSKIN LZR Pure Valor
LZR Racer Elite2をベースとして作られた後継モデル。
Elite2を継承しつつも、フラットな仕上げ加工によってフィット感を向上させている。レディース(裾、首、腕周り)メンズ(裾、ウエスト)
着圧の高いシームをももの内側に施すことでスタート、ターン時の筋肉のサポートが施されている。
海外着用選手によると浮き感もあるという声もある。
着用選手
藤森丈晴選手
Emma mckeon,Caeleb Dressel,Kathleen Baker,Pernille Blume,Ryan Murphy,Nathan Adrian
  着用選手
Kylie Masse,Mireia Belmonte,Ariarne Titmus,Nathan Adrian
▼商品ページで、サイズ、商品詳細を確認する。
6月から発売予定
  ▼商品ページで、サイズ、商品詳細を確認する。
6月から発売予定



そのほかの注目高速水着ブランド
 

Jaked J-Keel
ハイパワーな素材を作られたJ-Katanaのスプリンターモデル
J-KATANAとは違ったコンセプトで作られたややハイパワーな着圧になる。
複合プラズマという新技術の撥水加工は新次元の撥水を実現し、最先端の圧着機による超音波熱圧着によって作られている。
Jakedは元々熱圧着の技術からスタートしており、その真骨頂が活かされた水着


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男性用/女性用

  Jaked J-KATANA
着用選手…金藤理絵選手

水という抵抗の多い世界で泳ぐ選手にとって、わずかな生地のつなぎ目も大きなロスになる。 そのつなぎ目の減らすために、一枚布という新しい発想で表面摩擦を極限まで減らしたモデル。僅かな圧着面にも2008年から着実に積まれたレーザー圧着技術が使われており、そこでも妥協を許さない。
撥水性の高さも非常に良い。高速水着の中では柔らかい部類に入り、足回りの可動域が非常に広く使えると評判が良い。そのためどの泳ぎにも適合するが、後半まで体力を温存したい中長距離選手や、足回りの可動域を求める競技での評判は特に良い。 さらに海外選手や国内選手において、背の高い選手にも愛用者が多く、生地の横伸びを縦伸びに生かすという発想は、縫製が多い水着では中々難しい。生地の伸縮性と縫製箇所が極めて少ないことによる得られる恩恵は多い。


▼商品ページで、サイズ、商品詳細を確認する。
男性用女性用
     
 
TYR VENZO
着用選手…Katie Ledecky

アメリカで非常に人気の高い競泳水着ブランド。 顕微鏡レベルで分析して水流抵抗を極限まで削り、水が生地に入るのを防ぐ表面浮力技術、そして体の反発力を活かしたテーピング技術によって、生まれたレース用水着。緻密で高い技術力を他社とは違った発想で、アプローチを行われており、そのポテンシャルの高さに注目が集まる。デザイン性にも遊び心を忘れない。

近日発売予定
 

MP(Michael Phelps) XPRESSO
着用選手…Michael Phelps選手

オリンピック1大会で史上初の8個の金メダル獲得したマイケル・フェルプス選手が開発に携わり、その名を冠した高速水着。
着圧は高速水着としてはそれほどきつくなく、着圧による疲れをむしろ減らして後半まで泳ぎきるという、他社とは違う発想で開発。
しなやかな伸縮性と確かなホールド感でマスターズ選手を中心に高い人気を誇る。

次世代のモデルの発売が2019年発表を予定しており、登場が待たれます。
男性


各社が発表をし、当社に情報が入りましたら情報を追加していきます。(公開可能情報に限ります。)



2019年発売の高速水着について(2019年加筆)

毎年の事になりますが、このコラムを書くにあたって2008年の北京でのレーザーレーサーの衝撃をなしに語り始められません(笑)
高速水着という名前が生まれるほどで、それ以降の競泳水着の概念を完全に覆したのがレーザーレーサーという異世界の水着でした。
この頃に生まれた世界記録の数はそれまでの数倍に及びます。 レーザーレーサーの成功の直後には日本の会社が開発したラバータイプの水着も生まれ、世界に衝撃を呼び、世界記録の数がさらに飛躍的に伸びました。それによって高速水着には厳しい規則が設けられました。
本来注目されるべき選手の力ではなく、水着の性能での勝負になってしまっていた状況に待ったをかけるものでした。
それでも各社は決められた規則の中で高速水着の開発を継続しました。
当初の高速水着は人の体を非常に強い水着の力で締め付けるものが主流で、着用するのに30分かかることも珍しくありませんでした。 その流れは当初は維持されましたが、徐々に締め付けが弱いものを求める選手が増え、asicsの高速水着が人気を博します。
着用感は変わらずにきつかったものの、性能が極めて高く、その上着用感が心地よいという当時としては革新的なものでした。

その辺りから高速水着は非常に多様化して行きます。 その多様化の行くさきは、選手個人の力を最大限発揮する水着の開発です。 高速水着の規則が厳しくなった時、当初は厳しすぎるという意見もあったのですが、選手本来の力を重要視するという結果にたどり着いた今振り返ると、最高の決断だったと言えます。
どのメーカーも選手の声に耳を傾け、真摯に物作りを続けてきました。

そして、同時に各社にとって「選手のこの部分をサポートする」という信念のようなものが明確に分かれてきたのもこの頃だったように思います。

・フラットスイムの理論によって、選手がより水面に水平に泳げるかを求め、浮き感の技術を高めたミズノ
・アップキック(上方向のキック)をサポートすることで、 人が構造的に苦手である後ろ方向の力を追求したアリーナ
・コアスティンガーという人がいかに一直線になれるかを追求し、足の開きや骨盤を安定させたアシックス
・進行方向に対していかに体積を少なく、尚且つ動きやすさを同時に実現させ、選手の心理にまで追求したスピード
・一枚布という驚異のコンセプトによって、着心地を極限まで高めたJaked

それらはどれも素晴らしいコンセプトで、感激すら感じるもので、メーカーにとって選手への敬意あっての水着開発だと感じさせられます。

そして2020年の大きな大会を迎えるにあたって各社が本気の高速水着を開発し、再度集結し始めたのがこの2019年という年です。
speedoのレーザーレーサーが騒がれたのが2008年の頃ですから、10年経過し、2つの五輪を経過したことになります。
2019年に各社が発表するモデルは、各社の追及してきた理論を元に最終系として完成させてきたブランドもいれば、speedo、TYRのように全く新しい形で挑んでくるブランドもいます。

一時期は水着のみが先行した行き過ぎた開発競争とも言われた時期もありましたが、2019年に発売されるのブランドにも言える事は、選手と共に歩み、その選手を主役にしたいという各ブランドの熱い思いが込められている事は間違いありません。

皆さまからの情報提供をお待ちしております。

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