安心してください、飲めますよ!これは、ワインの理想的な保存環境と、カビの発生環境が似ているために起きるのです。どちらも温度15℃前後、湿度75%前後。ワイナリーでは、ボトルにカビが付くのを良しとする習慣もあるほど。もし、瓶口やコルクにカビが付いていたら、ティッシュや乾いた布で拭き取れば大丈夫です。
天然のコルクは、乾燥するともろくなります。コルクが劣化すると抜栓しにくくなるだけでなく、ワインの香味も損ねます。ですから、ワインの保存には湿気が大切です。ワインを冷蔵庫に入れる方もいますが、飲む直前なら構いませんが、冷蔵庫内は乾燥しているので、保存には向きません。ボトルを寝かせて常にコルクを湿っている状態にするか、もしくはボトルを新聞紙などでくるんで乾燥を防ぎ、冷暗所などで保管しましょう。
まず大事なのは、よく冷やしておくこと。グラスに注げば温度はすぐ上がるので、ちょっと冷やしすぎたかなと思うくらいで大丈夫です(ただし、絶対凍らせないで!)。そして開ける1時間前くらいから、ボトルを動かさないこと。ワインクーラーの中で静かに冷やしておきましょう。あとは次のような手順で開けてください。
1 フォイルをはがす
2 親指でコルク上部を押さえながら、口金を外す
3 栓の部分をナプキンで覆う
4 ナプキンの上から栓の部分をしっかり握り、コルクをゆっくりと回す
5 瓶内のガス圧で栓が自然に上がってくるので、押さえるようにしながらゆっくりコルクを上げていく
6 ボトルを少し傾けて、コルクと瓶口の隙間からガスを逃がすようにしてコルクを抜く
ワインの不快臭の大半は「ブショネ」が原因で、ブショネとはコルク不良によるものです。天然コルクは植物ですので、悪い菌が潜んでいる可能性があります。すると、瓶内で化学反応が起こり、ワインを変質させてしまうのです。世界のワイン全生産量の5%はブショネに当たるといわれています。
しかしブショネとひと口にいっても、程度にはかなり差があります。一瞬ブショネかなと思っても、実はそうではない場合もあるので、判別法をお教えしましょう。
ブショネのワインのニオイは、腐った木のニオイ、カビのニオイ、雑巾のニオイ、下駄箱のニオイなどといわれ、とにかくイヤなニオイです。
ただ、そこまではっきりわかるのは重症なケース。「何となくワインにコルクのニオイが付いているような…」というときは、まずワインをグラスに注いで、2分ほど放置してください。それからグラスを数回回して、ワインに空気を含ませます。その後さらに2分ほど待って、再びワインの香りをかいでください。ブショネであれば、より一層ニオイが強くなっているはずです。反対に、開栓直後のニオイがすっかりなくなった場合は、健全なワインなので普通に飲めます。