サメは余すところなく全部位活用

成田製靴が革の手配で提携する東京上野の革メーカー成田商店は宮城県気仙沼市水産加工工場の協力体制によりヨシキリザメの原皮を直接仕入れています。
気仙沼市はサメの水揚げ日本一で世界的に見てもトップクラスを誇ります。
ヨシキリザメのヒレはフカヒレに、肉ははんぺんなどの原材料に、中骨やサメ軟骨はサプリメントに、皮はシャークレザーと余すところなく活用されています。

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宮城県気仙沼市水産加工工場での加工風景

良質な革はとても貴重

サメの種類は、370種を超えるほどの中で革として使用されるのは、ヨシキリザメやホオジロザメ、イタチザメなど20種ほどしかいません。
サメは水揚げ量も少なく養殖ができません。また、気性が荒く傷のつきやすい生き物です。さらに、最終的に銛で突くため皮に穴が開いてしまいます。
傷が少ないキレイな部位を確保するのが難しいこともサメ革の希少価値を高める要因のひとつです。

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気仙沼にて水揚げされるヨシキリザメ

なぜヨシキリザメをつかうのか?

成田商店がメインで取り扱う気仙沼産ヨシキリザメは、体長1〜2mの中型のサメで、別名 blue sharkともいわれています。
その革は筋繊維が密なため、しなやかで丈夫な性質を持ち、傷がつきにくいのも特徴です。
さらに、表面の凹凸がきめ細かく繊細かつ軽量。
成田製靴ではこちらのヨシキリザメのみを使用し靴づくりに取り組みます。

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染め上がったシャークレザー(サメ革)

皮から革へ…

成田製靴の使用する原皮は取り扱い難しいシャークレザーを仕上げる為に、国内でも類を見ない大型冷蔵保管庫施設を保有している老舗タンナーが担います。
その老舗タンナーが持つ歴史と経験に裏打ちされた鞣し、染色、シェイビング、脱鱗、長年の研究による技術を惜しみなく使い、他に真似の出来ない独自のシャーク革を生産しています。
昔ながらの鞣し工法、木製ドラムを使用し時間をかけて丁寧に…。
この厳格な品質管理により、シャークレザーの天然で個性的な風合いを大切にした原皮生産を行っています。
シャークレザーは仕上げが難しい為に型押し加工は主流になっていますが、成田製靴で使用されるシャークレザーはあえて天然風合いを最大限に残しております。
エキゾチックレザーのみが表現する世界観、自然だからこそ可能な高貴な表情をご堪能ください。

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一枚一枚丁寧に板打ちを行いシャークレザー(サメ革)は完成します
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シャークレザー(サメ革)のシェイビング風景
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昔ながらの伝統的な染め上げに使われる木製ドラム