新品の時にはどれも同じ顔をしているブーツも、時間の経過とメンテナンス方法によってやがて大きく表情を変えます。
ブラシとクリーナーで汚れを落とし、オイルを補給して、更にクリームで仕上げた後に休ませてやる。こうした行き届いたメンテナンスを受けたブーツは時を経てなお自然なツヤを湛えた凛とした表情を獲得します。
クリーナーもクリームも使わず、汚れをブラシで落とし、革が乾燥した時にオイルのみを補強してコンディションを整える。こんなシンプルなメンテナンスからも、その歴史がすべて染み込んだような風格のあるブーツが生まれます。
メンテナンス方法は様々で、いつも同じである必要はありません。このページの通りにする必要もありません。その日の気分やブーツのコンディションによって、手順を変えたり組み合わせたりすることで、新しいブーツの魅力を発見できることがあります。
今回は、ブーツの素材としても人気の高いオイルドレザーのお手入れについてのページを特集しました。
※オイルレザー、オイルスエードやオイルヌバック の2つに分けて、それぞれの基本的なお手入れの流れをご紹介していきます。
ブーツの表情を楽しみながら、ご自分なりのメンテナンス方法を見つけ、ぜひ世界に 一つだけのブーツを創っていって下さい。
ブラッシングでほこりを払います。コバの部分のほこりも払って下さい。
シューキーパーをセットすると、お手入れがしやすいです。
お手入れで使用したキーパーはこちら
クリーナーを布にとって揉み込み、汚れを拭き取って下さい。 汚れを取り過ぎないのを味とする人もいます。汚れを落とす量や程度はお好みです。
スポンジ等で油分を補給して下さい。 固形タイプが冬に硬くなってしまった時は、暖かい部屋にしばらく置いたり、暖かい部屋で作業をするとお手入れしやすくなります。
豚毛のブラシで全体をブラッシングして、油分を馴染ませます(※オイルドレザー専用のブラシを用意しておくことをお勧めします)。
しばらく(一晩くらい)置いて、油分をさらになじませて、最後はからぶきで仕上げます。 オイルをスポンジで塗ってブラシで馴染ませた場合は、満遍なく塗れるので、馴染みが早いです。
新品時からオイルは必要ですか?
通常は必要ございませんが、輸入品等で、製造後、ご購入時までに少し時間が経過しているような場合には、スポンジ等で薄く塗り伸ばして保革して下さい。
「傷や汚れも味のうち」といったワイルドな履きこなしは、あまり好みではありません。なるべく、新品当初のような綺麗な状態を保って、オイルドレザーの靴を履きたい場合、どのようにケアすればよいでしょうか?
レザーマスターのオイルレザー専用のクリーナーとクリームのセット「レザーマスター(Leather Master)オレオーザキット」(※起毛のオイルレザーにはご使用いただけません)をおすすめします。
定期的にご使用頂くことで、オイルレザーの色や質感などを本来の状態に保ち、汚れもつきにくくなります。
オイルレザーのバッグ、ジャケットにおすすめの保革用品はありますか?
広い面積のワイルドな革の場合、「マスタングペースト」が塗り広げやすくオススメです。
オイルレザーの靴の防水・防汚用として、一般的な皮革用防水スプレーは使えますか?
オイルレザーには、ヴィオラ防水スプレーのような一般的な皮革用防水スプレーはお勧めいたしません。
理由は、オイルレザー表面の油分を分解する脱脂作用が働いてしまい、表面の風合いが変わってしまうことがあるためです。
ですので、防水スプレーを使用される場合は、コロニルのオイルレザー&オイルヌバック用栄養 防水スプレーの「コロニル ラスティカル」のご使用をお勧めいたします。
ラスティカルは保革もできますので、日常のケアはこれ1本でも大丈夫です。革の状態を見て、もう少し油分が必要な場合は上記オイルなどをラスティカルの前にお使い下さい。
防水や保革のためにも、ミンクオイルをなるべくこまめに塗っておいた方がいいですか?
ミンクオイルは使いすぎにご注意下さい。
量を多く使いすぎてしまったり、短期間の間に何度もご使用になると、革が柔らかくなりすぎてしまいます。
革の表情を見て、必要と思われた時に、少しずつ丁寧に塗り伸ばしてご使用下さい。
ミンクオイルを塗ったら、うまく均一に塗れなかったせいか、全体にムラが出来てしまいました。どうしたらいいでしょうか?
塗った直後は、オイルが多めに入った箇所と、そうでない箇所の色に差が出てくることがあります。
数日そのまま置いて頂くと、だんだん革に吸収され、平均化して、ムラは目立たなくなることがほとんどです。
但し、もしも改善が見られなかった場合は、一度「LAQ2 ラクツ オールイン シューケアスプレー」を全体に使って保革しつつ、余分なオイルを落とします。
その後で、再度「マルチスポンジ」などに「ミンクオイル」を少量取り、なるべく平均的にごく薄く塗りのばすようにして仕上げて下さい。