2022.09.16

Kiton(キートン)が真におすすめできる理由

『世界で最も美しい服』をテーマに掲げる、クラシコイタリア好きなら誰もが憧れるブランド『kiton/キートン』。 クラシコイタリアを語る上で絶対に外せない、世界最高峰の名に相応しいブランドです。 ブランドの歴史や作りの素晴らしさをはじめ、代表モデルや価格帯等、キートンというブランドが真におすすめできる理由をご紹介します。

キートンはどんなブランド?

7代にわたる最高級生地商の名家出身Ciro Paone(チロ・パオーネ)により、1969年にナポリで設立されたブランド 『kiton/キートン』。 ナポリはかつてヨーロッパ随一の栄華を誇り、富と様々な文化が集中した土地。 そして、イタリアの伊達男達が集う街でもあります。 Ciro Paoneはその素晴らしい仕立て服の文化を受け継ぎ、ナポリ仕立ての新しい時代のスーツ作り始めます。 生地商出身らしく生地選びには特にこだわりが強く、使用する生地ほとんど全てが門外不出のエクスクルーシブなのもキートンが最高峰と呼ばれる所以。 その最高級生地を使用しハンドメイドで仕上げられるジャケットは、まるでカーディガンを羽織るかのような軽く柔らかな着心地で、袖を通したその瞬間に虜になってしまうほど。 サルトリアーレの文化と卓越した技術を元に作られるキートンのジャケットは、Ciro Paoneの至高の服作りにかける想いと、それを支える職人達の情熱の結晶そのものです。 現在では各国のセレブリティや著名人、そして目の肥えたファッショニスタから絶大な支持を得て、世界最高峰の名声をほしいままにしています。

キートンの歴史

ブランド設立

生家が歴史ある生地卸業を営んでいたチロ・パオーネ。彼の元を訪れる熟練したサルト達との交流により、自身もこよなく愛するナポリ仕立てのスーツが危機的状況であると知ったことが始まりです。 1969年、イタリア・ナポリでキートンを創立。”世界で最も美しいスーツを作る”と言う、シンプルで困難なスローガンを掲げ、ビスポークを越える既製服を作る決意をし、腕利きのサルトを集めました。 その中には、現在においても伝説的な人物、チェザレ・アットリーニ、エンリコ・イザイア、ルチアーノ・バルベラの姿もありました。 チロ・パオーネの情熱に心を動かされた彼らと共に、キートンが動き出します。 その後あっという間に、イタリアの富裕層やヨーロッパ名家の貴族たちの口コミで、キートンのナポリ仕立てのスーツの評判が広まります。 そうして、『ナポリ仕立てのスーツと言えばキートン』というイメージを浸透させ、同時に、ナポリ仕立てのスーツがいかに着心地が良くエレガントであるかという事を世界中に知らしめたのです。

近代~現代

1980年代、インポートブームに沸く日本でも、一部の富裕層の間でキートンのスーツやテーラードジャケットが注目されます。その後のクラシコイタリアブームの先駆けです。 誂えもののスーツを日常的に愛用していた富裕層もキートンの魅力に取り付かれ、その着心地の良さと美しさに陶酔します。ですが、それはまだ一部の富裕層だけの話でした。 2017年にはピッティ・イマージネ・ウォモで、チロ・パオーネ氏が、『ピッティ・イマジネ・キャリア・アワード』を受賞します。 チェルッティの3代目にあたるニノ・チェルッティ、テーラードジャケットの帝王ジョルジオ・アルマーニに続いて、史上3人目の受賞。この受賞を受けて、イタリアンファッション業界の先達であるチロ・パオーネ氏に捧げるスペシャルイベントが開催されたほどの快挙でした。 そしてこの受賞こそ、これまで富裕層やファッショニスタばかりに好まれたキートンというブランドが、確実に世界に認められた瞬間であり証でした。 今では日本でも、富裕層のみならずステータスシンボルとして根付き、世界最高峰のスーツブランドとして羨望の眼差しで見られる存在になったのです。

関係のある人物・ブランド達

キートンという不世出のブランドには、今尚語り継がれる程の伝説的な人物が幾人も関わっています。 その中の代表的な4人をご紹介します。

1, チェザレ アットリーニ

「ロンドンハウス」でサルトとして活躍し、伝説のカッターとして語り継がれているヴィンツェンツォ・アットリーニの息子。現在のアットリーニを率いるチェザレ・アットリーニは、キートン創世期のモデリストとして活躍します。

2, エンリコ イザイア

クラシコイタリアを牽引するスーツブランド「ISAIA/イザイア」の創業者エンリコ・イザイア。彼もキートン創世期のメンバーで、製造にかかわる業務に従事。今尚イザイアの根底を流れる美意識はこのキートン時代に養われます。

3, ルチアーノ バルベラ

あのルチアーノ・バルベラもキートン創世期のメンバー。カルロ・バルベラ社を母体にもつルチアーノ・バルベラのオーナー兼デザイナーであり、イタリア最高の洒落者と呼ばれる人物です。

4, オラッツィオ ルチアーノ

Kitonのマスターカッターとして創成期から活躍したオラッツィオ ルチアーノもその一人。自身の名を冠したオラッツィオ ルチアーノとラベラサルトリアナポレターナのオーナー兼デザイナーです。

仕立ての素晴らしさ

熟練した職人たちによる手仕事による仕立てこそ、キートンが世界最高峰と呼ばれる所以。 仕立ての工程はおよそ150もの段階があり、熟練した職人が20~40時間を費やして1着のジャケットを完成させます。 生地のカッティング・アイロン・縫製等の工程は、それぞれ専門のサルトが請け負っており、そのほとんどは非常に高い技術と時間を要する手作業によります。 この上なく繊細なファブリックは一枚ごとにハンドカッティングされ、一度水に浸され収縮させた特別なキャメル芯地の手作業による芯据えすることで、まるで生き物のようにその姿を変え、立体的なパーツへと生まれ変わります。 各パーツは、ハンドメイドによる縫い目の強弱、曲線を多用した仕立てにより、美しいシルエットとまるで羽織るような軽い着心地を実現。 卓越したアイロンワークによる生地馴らし、袖襟から肩にかけての流れるフォルムや立体感、味わい深い雰囲気を加えたボタンホールのかがりなど、着心地と美しさの為には一切の妥協はありません。 キートンの服特有の柔らかさとドレープの美しさはその職人たちの手によって作り出され、袖を通した瞬間に身体に纏う、軽く柔らかな風合いを感じることができます。

キートンらしい生地選定

キートンが頑なに貫くのは、生地へのクオリティとオリジナリティへの探求。 イギリス・イタリアのトップミルで織られる、贅沢で高品質な生地のコレクションは、そのほとんどがキートンだけのエクスクルーシブという所からも、そのこだわりを伺い知ることができます。この上なく細く強靭な、13.2ミクロンウールやSuper180's4PLYなどのウーステッド、カシミア100%のスーツ生地、希少なグアナコやビキューナに至るまで、取り扱う生地の多様性と専門性はキートンならでは。 カシミアやリネンといった季節性の高い素材を織り交ぜながら、様々な革新的生地を織りなす様は、今の概念にとらわれないキートンの探求心によるものです。

代表モデル

限られたモデル数しか展開しないKITON。 それは、ひとつひとつのモデルの高い完成度と自信を意味します。 同じモデルであっても、常に最上の修正を加えることで、いつの時代であってもKITONの理念と着心地の良さを反映させています。 そんなキートンのモデルの中でも、特に人気がある2モデルをご紹介します。

KBモデル

時代に合わせパターンを少しづつ変化させながらも、今もなおキートンの中核を担う定番の「KBモデル」。 ソフトに成形された丸みを帯びた肩線が美しいモデルで、ゴージもボタン位置もやや低めに設定したクラシックな趣が、上質を知るオトナの男性に長く愛されています。

ATモデル

コンパクトな肩周りや着丈、絞られたウエストに軽快な雰囲気が漂う「ATモデル」。 KBモデルに比べるとゴージラインもやや高めに設定され、全体的にすっきりとした印象です。キートンの中でも近年のトレンドを色濃く反映し、モダンで若々しさを表現したモデルです。

どこで買える?価格帯は?

キートンは、日本中どこでも買える訳ではありませんが、東京や大阪といった大きな都市に直営店があります。 既成服とはいえ、職人の手仕事によることで生産数に限りがある為、店舗展開も抑えめになっています。 しかし、そのスーツをフィッティングする為に、大きな都市に足を運ぶ価値は充分あるブランドです。 東京では、六本木ヒルズ店、新宿伊勢丹点、東急プラザ銀座店等、大阪では阪急メンズ大阪店やヒルトンプラザ大阪EAST店でお求めいただけます。 またセレクトショップのストラスブルゴや御殿場アウトレットにも直営店がありますので、一度足を運ばれることをお勧めします。

気になる価格帯は、やはり既製服の中ではかなり高額となっています。 スーツで60万~100万円、ジャケットで40万~80万円位の価格設定となっていて、希少素材のビキューナやSUPER180’s(14Micron)ともなると、そこから更にお値段は跳ね上がります。 またニットやパンツ等も10万円以上するものがほとんどで、軽衣料であっても価格帯はかなり高めです。 その分クォリティも抜きん出ていますので、世界トップクラスの高品質な衣料をお求めになる場合は、全身キートンで揃えてしまうのもオススメです。 ネクタイや財布といったファッションアイテム全般も取扱いがあり、毎シーズン色々な面白いアイテムが発売されますので、一生ものをどんどん増やしていける楽しみもありますね。

まとめ

『既製服がビスポークを超えることなどありえない』

ファッション界の根底にあったその概念を覆したのは、このキートンが最初でしょう。 普段ビスポークが中心の世界中のセレブリティ達も「キートンだけは別」と讃えます。 それは、キートンの既製服がビスポークと同等、もしくはそれ以上の着心地とステータスシンボルを放つから。 最高級品に慣れた彼らであっても、キートンのジャケットの着心地と美しさの虜になってしまうのです。

誰にでも気軽に買える洋服ではありません。 でもその洋服には、50年以上にわたり、世界を虜にしてきた魅力が溢れています。 まずは一度、羽織ってみる事をお勧めします。 袖を通した瞬間、それこそまばたきする程の時間で『全然違う』と感じるはずですから。

ひとこと

2021年10月、チロ パオーネ氏がご逝去されました。そして翌3月にはタイ ユア タイ創設者として知られる稀代の洒落者フランコ ミヌッチ氏も。

クラシコイタリア界の重鎮が立て続けにご逝去され、その文化や技術の衰退を心から憂うばかりです。

私たちは忘れてはなりません。 彼らが情熱と愛情をもって築いたこのクラシコイタリアが、世界に与えた喜びとときめきを。 そして尽力します。その技術や文化を継承していくことを。 私たちが憧れるふたりに深い感謝を述べると共に、謹んで哀悼の意を表します。

お買い取りサービスを通じて想いを届ける

私たちは、創業以来クラシコイタリアやトラッドなどの高級ブランドを専門的に扱ってまいりました。 代理店からの仕入れ品や、並行輸入、アウトレット品や中古品まで、様々です。 しかし、そこにある想いはただ一つ。 「真の満足感をお届けすること」。 素晴らしいブランドの数々を皆様と共有することで、「クラシコ文化の普及」、「ジャパニーズトラディショナルの確立」、「3Rのさらなる促進」を進めて参ります。 キートンをはじめ世界中の高級ブランドは、しかるべきところで買取を行い、販売することで、価値を失うことなく循環することが出来ます。 私たちは、私たちを支えてくださる多くの顧客様のお力により、これを実現しています。

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