ワッフルのお店からCDを発売する・・・！？
一見不思議な組み合わせのように思えますが、その根底はひとつの想いで繋がっています。
「ワッフル・ケーキの店 R.L（エール・エル）」は、一級建築士事務所からスタートしたという異色の経歴を持つブランドです。運営するのは「株式会社 新保哲也アトリエ」。社名に「アトリエ」とつけたのは、一級建築士でもある社長の新保が事務所開設当初から持っていた、建築のみならず、そこにある家具や食器など衣食住に関わる生活空間における全てのものをデザインしたいという想いからでした。それはお皿の上のものもデザインしたいという考えにつながり、今日の「ワッフルケーキ」が誕生したのです。
そして今回は、空間をつくるひとつの要素としての“音楽”に着目しました。自分の好きな空間を、さらに居心地の良いものにしてくれる音楽はどんなものだろうか。そして、それをかたちにしてみなさんにもお届けできれば。そんな想いで、今回初の試みとしてCD の制作が実現いたしました。
今回のCD で指揮を務めたキンボー・イシイ氏は、新保の学生の頃からの友人でもあります。
現在、ドイツ マクデブルク劇場の音楽監督を務めるなかで、そのオーケストラの音楽性の高さに感銘を受けたキンボー氏の、「ぜひこの音を残しておきたい」との言葉がきっかけとなり今回の計画が持ち上がりました。
制作にあたり新保自身もドイツに渡り、リハーサルから録音まで立ち会うとともに、現地での写真撮影も実施。そしてジャケットやCDのデザインに至るまで録音技術以外をすべて自社で手がけています。〈自分が本当に良いと思えるものを作っていきたい〉という強い想いをもって作り上げた作品です。
CD制作にあたりまず考えたのは、このCDを通して、オーケストラのみならずマクデブルクという都市そのものを世界中の人達に知っていただきたいということ。ジャケット撮影は現地で行うことにこだわり、下見のため街中を歩いてまわりました。その中で目にとまったのはドイツ最初のゴシック建築といわれている「聖マウリトス大聖堂」。普段は入ることが禁止されている「中庭」でどうしても撮影したいという想いでお願いし、聖堂をはじめマクデブルク市のみなさんのご協力のもとなんとか許可をいただき撮影した貴重な一枚です。
集合した楽団員を背に佇む、キンボー・イシイ氏とコンサートマスター山下洋一氏の凛とした姿が印象的で、ドイツで活躍する日本人の“サムライ魂”のイメージが表現されています。さらに、歴史を感じさせる趣のある建物を背景に据えることで、由緒あるオーケストラの重厚な演奏を彷彿とさせる仕上がりとなりました。
ロマン派歌劇を代表する作曲家であるワーグナー。『恋愛禁制』はシェイクスピアの戯曲『尺には尺を』に基いて作曲した全2幕のオペラであり、マクデブルク劇場にて自らの指揮により初演された。
バッハ、ベートーヴェンと共に、ドイツ音楽における「三大B」とも称されるブラームス。古い様式にロマンティックな響きや独創性を盛り込んだ、円熟した作品としての評価の高い作品です。
幼少期を日本で過ごし、ヴァイオリンを風岡裕、W. バリリ、D. ディレイ他に、指揮転向後は、小松長生、M. チャーリー、小澤征爾、S. ラトル他に学ぶ。
1995年ニコライ・マルコ国際指揮コンクール入賞。ニューヨーク州カユーガ室内管弦楽団音楽監督、ベルリン・コミッシェ・オーパー首席カペルマイスター、テキサス州アマリロ交響楽団音楽監督、大阪交響楽団首席客演指揮者等を歴任。
2010年〜現在、ドイツ・マクデブルク劇場音楽総監督。
このオーケストラの正式な歴史は、1897 年にマクデブルク劇場のオーケストラが都市の事業に組み込まれた時から始まり、ワーグナーが指揮者を務め自身のオペラ『恋愛禁制』を作曲・初演するなど、ザクセン＝アンハルト州首都マクデブルクの永きにわたる音楽の伝統を支える決定的な要素となった。
これまで、R. シュトラウス、B. ワルターなど数多くの著名な指揮者との共演を重ねており、CD制作ではドイツ・レコード批評家賞を受賞している。
■ タイトル
ブラームス：交響曲 第4番
■ 価格
2,800円（税抜）
■ 演奏
キンボー・イシイ（指揮）
マクデブルク・フィルハーモニー管弦楽団
■ 録音
2014年6月20,21,23日 / マクデブルク歌劇場（マクデブルク、ドイツ）
■ 収録楽曲
・リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)/ オペラ「恋愛禁制」序曲
・ヨハネス・ブラームス(1833-1897)/ 交響曲 第4番 ホ短調 作品98
