秋が近づくにつれて遠くなっていく空。
そのなかで不思議と静かに存在感を放つのが月です。
かつて日本も太陰暦を採用していたように、今も私たちの暮らしや心の中に深く根差した月。
ヨーロッパ、オーストリアのチロル地方では、月の満ち欠けを身体と心、そして自然に結び付け、
「月のリズム」という考え方を暮らしの中にとりいれてきました。
さて今回は、そんなちょっとふしぎな「月のリズム」の世界を覗きながら、
サンテラボなりの月のリズムに合わせた暮らしをご提案。
医学的な根拠はまだありませんが、私たちの暮らしと切っても切れない不思議な関係を感じる月。
夜空を見上げて、物言わぬ月に耳をすます、「月のリズム」の楽しみ方を考えてみましょう。

「吸収・成長」

これから満月に向かう上弦の月は、月の周期を山登りに例えるならまさに登っている真っ最中。
キーワードは「吸収」や「行動」。
満月というピークに向けて、新しい人間関係や知らないものごとなど、
いろんなことを好奇心旺盛に、スポンジのように取り込んでいきます。
何かを成し遂げるためのインプットの時期とも言え、アクティブに挑戦していくパワーがあるときです。
気持ちや生き方の面だけでなく、
チロルに伝わる月のリズム法によれば体もなんでも吸収しやすい期間なのだそう。
体重を落とすダイエットではなく、筋肉をつけたり、
ふだん不足している栄養を積極的にとっていくとよさそうです。




この時期の食は
「食べ過ぎず、食べ逃がさず」。


月がふくらみ始める時期は、身体にとってもとにかく「摂りいれる」時期だといいます。
食べたものをよく吸収するので、
ふだん不足しがちなビタミンやミネラルをチャージするには恰好のチャンスなのだとか。
その一方、食べたものがそのまま身につきやすいので、
ダイエットが難航しがちなのもこの時期。
食事は穀物や野菜を中心とした、あっさりとしたものがおすすめです。
フルーツや梅などの酸っぱい食べ物や、
お料理もおひたしや煮物などのさっぱり系が◎、
添加物や油にはちょっと気を付けましょう。


「与えるコスメ」が本領発揮!
吸収がキーワードの時期。


「髪に潤いやツヤを与える」、「肌にハリと弾力、しっとりとした潤いを与える」。
そんなコスメでしっかり与えるケアをしたいのがこの時期。
吸収がキーワードの上弦の月期間は、
高保湿の化粧水や美容成分の豊富なオイル・セラムの使い時です。
マスクやパック、ヘアトリートメントなどのスペシャルケアのタイミングとしてもおすすめ。



ガンガンいきたいアクティブ期。
後押し+冷静になれるアロマを。


新しいことを始めたいし、人ともどんどん関わりたい。
開放的でアクティブになる上弦の月の期間は、気持ちの動きも激しめ。
前向きで明るい気持ちの反面、エネルギーが大きい分だけ障害にぶつかったときの反動も大きく、
イライラしがちな時期でもあります。
こんな時期はがむしゃらな心をより研ぎ澄ましたり、
明るい方に導いたり、ふと客観的に自分を見つめる冷静さをくれるアロマがおすすめ。


吸収してためこむ体は
太りがち&むくみがち。


水分も食べたものも、よく吸収してためこむという上弦の月期間は、身体も重くなりがち。
水分も溜め込むので、むくみも発生しやすい時期なのだそう。
一方で筋肉をつけるにはうってつけ。
この時期のダイエットには燃焼するためというより、
分母を大きくするための筋トレがおすすめ。
ポンプの役割をする筋肉が、しっかりむくみ対策になってくれます。

「成熟・達成」

満月が近づくにしたがって、
上弦の月からはじめたものが良くも悪くも
ひとつの結果となって表れてきます。
さらに吸収力もピークに。
満月は、山登りに例えるなら頂上です。
満月を見ると胸がざわめくというように、満月の月のパワーは人の感情を増幅させ、
感情的で衝動的になるとも言われています。
ふくれあがった感情は不安定で、ついカッとなって攻撃的になってしまったり、
深く落ち込んでしまったりと心が暴走しがちなとき。
勢いが大切なこともありますが、上手に自分をコントロールしたいものです。



食欲も吸収も今がMAX!
プチ断食もアリです。


体は満月に向かって食と吸収のピークを迎えると言われます。
感情の色が濃くなるときでもあるので、食べたい!という気持ちにストップがかかりにくくなるのかも。
満月が近づいたら野菜やきのこなどのあっさり系の食事を心がけて、
こってり系は抑えていきたいところです。
昔から満月の日は断食の日としていた文化も。
バリバリ働いた消化器系を休める意味でも、
お腹にやさしいお茶やスープだけで過ごす「プチ断食」、満月の日にはいいかもしれません。


吸収のピークでありゴール。
荒れないように気を付けて。


吸収のピークを迎える満月にかけては、仕上げのつもりで栄養豊富なスペシャルケアを。
排出に向かう満月以降に向けて、うるおいはたっぷり補給しておきましょう。
この時期のスペシャルケアは、ちょっとトクした気分になれます。


高まる気分は最高潮
興奮気味な心を上手に扱って。


満月を見ると胸がさわぐ、なんて言ったりもしますが、
満月に近づくつれて感情のふくらみは大きくなり、いろいろなことが過剰になりがちです。
おしゃべりし過ぎてしまったり、感情的になって喧嘩をしてしまったり。
昂ぶった感情がもっとも前面に出やすい時期なので、その扱いが肝心になります。
アクセル全開の心に少しブレーキをかけて、頭の中を整理するのを助けるアロマはもちろん有用。
昂ぶった心をそのまま幸せに導いてくれるアロマの助けを借りれば、
満足度の高い最高の一日を送ることも叶うはず。


「放出・整理」

頂上に到達した満月から、下弦の月にかけてはゆるやかな下山が始まります。
下弦の月は放出(排出)と整理のとき。
上弦〜満月で吸収しかたちにしたものを整理しながら、より洗練、発展させていく時期です。
人に得てきたものを広めたり、分かち合ったり、
アウトプットすることでさらに実りは大きくなっていくはず。
今まで外側に向いていた興味の矢印を内側に向けて、落ち着いて自分を見つめましょう。



ダイエットを始めるなら
「排出」のこの時期から。


「排出」や「整理」の期間である下弦の月期間は、ダイエットを始めるベストタイミング。
野菜などを中心とした食事で、身体の内側をすっきりさせるイメージで食べ物を選びましょう。
吸収させて栄養を肉付けする上弦〜満月期間とは反対に、
いらないものを脱ぎ捨てて土台をしっかり固め、成熟させていく期間。
玄米や雑穀などの野性味あふれる食べ物や、
かぼちゃなどの土に近い食べ物が良いといわれています。


荒れがちな肌や
皮脂バランスを整えるなら今。


良いものも悪いものもたっぷり吸収した満月までの期間。
月が欠けるこれからは、今度は余分なものを脱ぎ捨てて、
本当にあるべきシンプルな美しさを目指す期間です。
クレイパックなどの「落とす」ケアや、スクラブなどのマッサージケアはこの時期にぴったり。
スキンケアは、肌を落ち着かせるシンプルなものを選びましょう。
またヘアカラーやヘアカットなどは満月の翌日にすると持ちがいいと言われています。


落ち着いて過ごせるとき
じっくり心を整理して。


浮足立っていた上弦〜満月の期間を過ぎれば、
だんだんと精神は安定して、落ち着いて客観的にものごとを考えられるようになってきます。
この時期は、上弦の月で吸収し、満月の時に達成したものごとを読み解き、
整理して定着させていくとき。
こんな時のアロマは、深く心をリラックスさせて、やさしくポジティブなエネルギーをくれるものを。

「浄化・始まり」

下弦の月で整理を始めて、新月を迎えるころにはきっとずいぶん身軽になっていることでしょう。
新月は新しい挑戦のために、自分を一度リセットするとき。
いらないものをすっきり手ばなして、次の登山を思い描いて期待をあたためるために自分をしっかり休ませましょう。



体をあたためる地熱のような
エネルギーのあるものを。


下弦の月の後半から新月にかけてはダイエット強化期間も終盤。
食事は、新月以降の新しいスタートに向けて
本格的に滋養のあるエネルギーチャージモードにしていきましょう。
野菜は土の下にのびるゴボウや大根、生姜や自然薯が◎。
不飽和脂肪酸をふくむまぐろや鮭なんかもおすすめです。
甘酒やコーディアルで、プラスαの食調整をしてみてもいいかもしれません。


シンプルケアが基本。
スキンケアを変えるなら今。


月が欠ける期間は排出・浄化の時期なので、与えるケアよりもその逆、引き算のケアになります。
満月以降にはじめたバランシングケアも、新月も目前になれば仕上げの時期。
荒れや皮脂過剰をフラットに落ち着ける必要十分なシンプルケアを基本に、
この時期足りなくなりがちなうるおいをしっかり守る対策も必要です。
また新月ははじまりの月なので、新しいスキンケアに変えるタイミングとしてはベスト。
気になっていたコスメがあったり、今のコスメが肌に合わなくなってきたかも…?と思っているなら、
新月をひとつの契機にしてみてはいかが?




※月に関する記述は医学に基づいたものではありません。
月に基づく伝承の例として、ライフスタイルにご参照ください。

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