使うほどに色つやが深まり、世界にたった1つ、
あなただけの「山ぶどうかご」に・・・

山ぶどうの樹皮で作った山ぶどうかご、ご存知ですか?

山ぶどうはほかの草木の蔓と比べ耐久性が高く、その強度から、かつてアイヌは山ぶどうの樹皮で
シトカプ・ケリ(葡萄蔓の靴)と呼ばれる草履を編んで履いていました。
その山ぶどうの樹皮で作った山ぶどうかごはとても丈夫で、使い込むほどに時を経るほどに、艶が増し味わい深くなります。
親から子へ、子から孫へと世代を超えて受け継がれる宝物になるのです。
手を触れ愛でながら、何十年もの時間をかけてゆっくり育てていく山ぶどうかごには、
ブランドバッグでは得ることのできない満足や楽しみがあります。
ヌメ革のように使い込むほど艶が増し、ナチュラルで素朴な風合いの山ぶどうのかごバッグ。
樋口可南子さんや桐島かれんさんなど素敵な著名人にファンが多いのも納得です。

年季比較

そんな山ぶどうかごですが、日本製の山ぶどうは希少でその樹皮で作ったかごバッグは、とても高価です。
ひとつが10万円以上になることも。
そこで山葡萄籠工房では、材料を中国に求め、中国のベテランかご職人に編みをお願いすることでコストダウンを図りました。
中国から日本に届いた山ぶどうかごは、長野の山葡萄籠工房で一つ一つしっかり検品します。
そして日本人の職人がかごに合わせて内布や巾着布を縫製し、かごに縫い付けたあと、最終のチェックを行っています。
だから、安心してお求めいただけるのです。

山葡萄籠工房のかごバッグは、シンプルで素朴なデザイン。飽きがこないので長く使えます。
使っていくうちに手油でどんどんなめらかになり艶が出てきて、自分らしさが出るバッグになります。
和服や春から夏のイメージが強いかごバッグですが、山ぶどうのかごバッグなら
コットンやリネンのシャツやジーンズ、ざっくりしたコートやセーターにも、ナチュラルコーデにもぴったりです。

【山ぶどうかごの豆知識】

◆山ぶどうかごができるまで

蔓の伐採

伐採専門の山師が、急斜面に生えている大きな木に巻き付いた山ぶどうの蔓を鉈やのこぎりで切り落とします。
かごづくりには、弾力性とハリがある直径3〜4センチの蔓が最適です。

山葡萄のつる 山葡萄のつる 山葡萄のつる
標高600m以上の野山に自生する山葡萄の木 山葡萄のつる。一番皮が見えています。直径が3〜4cmの山葡萄つるが加工に一番適してしています。 山から採集してきた山葡萄のつる

乾燥・ひご加工

伐採した蔓は、天候を見ながら1週間〜10日間、日影で干し、しっかり乾燥させます。
乾燥させた蔓をなめし、かごの種類や編み方に応じた幅、厚みのひごをつくります。
はさみで幅を3ミリ、8ミリ…に切り、かんなをかけ厚さを0.1〜0.3ミリにそろえます。
工業製品でないため1本1本性質が異なり、また節があったり、
うねっているため、均一の厚さ、幅にそろえるには、熟練の技が必要です。

山葡萄のつるの加工 山葡萄のつるの加工 山葡萄のつるの加工
採集したつるは、日陰で乾燥させ、つるに弾力を与え、均一の厚さにするためになめします。その後、用途に応じ幅と厚さを揃えます。 幅と厚さが揃えられた山葡萄のひご。用途に応じて数種類のひごが用意されます。 ひごの状態にして1〜2年間乾燥室で日陰干しします。

編む

水を含ませ編みやすくした山ぶどうのひごを、木型に固定し、底部分から編んでいきます。
編み目が均一になるよう、なめしても消えない癖を手で触れて確かめながら矯正しつつ、微妙な力加減で進めます。
最後に細かいケバをタワシなどでのぞき、薄く蜜蝋を塗ってしあげます。

山葡萄かごを編む 山葡萄かごを編む 山葡萄かごを編む
水を含ませ編みやすくした山ぶどうのひごを、木型に固定し、底部分から編んでいきます。 籠の底部分から丁寧に編み上げていきます。写真は網代編み 編み上げて、だいぶ籠らしくなってきました。写真は六角編み

検品

仕上げたものが、ひとつひとつ丁寧に梱包され、日本に送られます。
仕上げは、信州・北アルプス山麓の自然に囲まれた山葡萄籠工房で行われています。
ここで1品ごとに細部まで検品します。

内布・巾着布の取り付け

国内の職人が、かごのサイズに合わせた綿100%の手触りのいい内布や巾着布を丁寧に取り付けたあと、最終のチェックを行い完成します。

山葡萄かご最終仕上げ 山葡萄かご最終仕上げ
かごのサイズに合わせた内布、巾着布を取り付けます。「みやび」シリーズでは大前柿渋を使用した内布を使っています。 山葡萄顔のお手入れは、蜜蝋を薄くぬって豚毛ブラシで丁寧に広げてください。

◆蔓の皮の種類

山ぶどうかごに使う蔓の皮には、大きく山皮と沢皮の2種類あります。
山葡萄籠工房では、それぞれの皮の硬い鬼皮部分を削って削り皮でひごをつくります。

山皮
●山皮(やまがわ)

おもに奥山の斜面に育っている山ぶどうの表面の硬い鬼皮をとった状態の蔓です。
採取したあとは、1本1本のヒゴに仕上げ、1〜2年寝かせます。
寝かせることで、山皮の特長である赤みがかった色へと変化していきます。
山皮で編んだかごは、使うことで深みのある飴色に変化していきます。

沢皮
●沢皮(さわがわ)

人里離れた山の沢沿いの山の斜面にある山ぶどうの表面の硬い鬼皮をとった状態の蔓です。
採取したばかりの沢皮は白っぽいですが、使い込むほどに黒みを帯び
使い始めのものとは違う光沢のある琥珀色に変わっていきます。

削皮
●削皮(けずりがわ)

おもに山皮の鬼皮を取り除き、はげやすい一番外側を削ったものです。
表面となる部分には、丸く凹みをつけた特別な刀を使い、1本1本削り取っていきます。
このひごで編んだかごは、全体的にやさしい丸みを帯びなめらかで
使い始めから引っかかりが少ないのが特長です。
使い込むことで、徐々に黒みがかった光沢が出て、味のあるかごになっていきます。

◆編み方

本体

網代編み/あじろあみ
〈網代編み/あじろあみ〉

スタンダードな網代編みは、縦と横にすき間が出ない編み方です。
その語源は魚を取る網の代わりとして竹や笹などを縦横にすき間なくびっしり編み込んだものを使って漁をしたことからきたようです。
ベーシックな編み方だけに、飽きがこず長い間お使いいただけます。

六角編み/ろっかくあみ
〈六角編み/ろっかくあみ〉

六角形の目ができるので六角編みといったり、花のような形なので花模様編みともいわれる編み方で、熟練の技術が必要です。
網代編みに比べると強度が強いのですが、その分多くのひごを使うので、でき上がったかごはちょっと重めになります。

枡形網代編み/ますがたあじろあみ
〈枡形網代編み/ますがたあじろあみ〉

網代編みの変形。独特のます形パターンが網代編みにアクセントを加えます。

かごのふち

かごのふち

かごの縁は、見た目がきれいな八の字編みにしています。
少し太めのひごを数本束ねて芯にしているので丈夫です。

持ち手・つなぎ目

つなぎ目

持ち手も、少し太めのひごを数本束ねて芯に。
2本飛ばしの土瓶巻きで、毎日持ってもゆるみにくく、見た目もおしゃれなデザインになって
います。
持ち手と本体の接合部も、ゆるまないようしっかり編んであります。

【お使いになる前に】

◆二つと同じもののないかごバッグ

山ぶどうの蔓は自然素材のため、でき上がったひごには節やうねり、はがれ、色むら、ざらつき、割れなどがあります。
自然素材の証とご了解ください。繊維に沿った割れも強度的には影響はありません。
使い込んでいくことで、皮のはがれなどもなくなり、節やうねり、色も馴染んで、風合いが増していきます。
少しずつ変化しながら、世界にたった一つのあなたのかごになっていきます。

◆かごバッグの育て方

使い始めは…

かごバッグは自然素材をそのまま編んでいるため、使い始めは繊細な生地の着物や洋服などがひっかかる場合がありますので、
お気をつけください。
繊維の毛羽立ちは、お使いいただくうちに、しだいになじんでなめらかになっていきます。

かけがえのないものに

使い込むほどに美しい飴色に変化していく山ぶどうかご。
毎日なでていると手油で馴染み、艶が増し独特の風合いが出てきます。3年後、10年後、20年後を楽しみに育ててください。

日常のお手入れ

日頃のお手入れや保管方法で、3年後、10年後のかごが違ってきます。愛情をかけて、大切に育ててください。
自然素材の山ぶどうかごは、革と同じように湿気が苦手。
雨などで濡れてしまった場合は、乾いた布で水分を拭き取って形を整え、風通しのよい場所で陰干ししてください。
ドライヤーやストーブなどで急激に乾燥させると、素材を傷めますので、おやめください。
また、陽のあたる場所での保管や、高温になる車中への長期間放置もやめましょう。
汚れ、高温、多湿の条件が揃うと、カビが発生することがあります。
カビの根が蔓の組織の中に入り込むと、取り除くことが難しくなります。
風通しのいい涼しい場所などに保管してください。
お使いにならない時は、クローゼットなどにしまわず、お部屋のインテリアとして飾ると素敵です。

お手入れセット

お手入れセット

日々のお手入れに豚毛ブラシと蜜蝋の「お手入れセット」をご用意しています。
使っているうちに手油が馴染んで艶が出てきますが、
早く艶が欲しいときは蜜蝋を薄くぬって豚毛ブラシで丁寧に広げていきます。
雨で濡れてしまった場合も、陰干ししたあと薄く塗るといいでしょう。
厚く塗り過ぎると、本来の手油での経年経過の味わいが薄れるので、ご注意ください。

修理について

修理について

山ぶどうのかごバッグは適切なお手入れををすることで、50年、100年とお使いいただけます。
持ち手の緩みは、山葡萄籠工房にて取り替えて補強いたします(片方¥2,500・税別)。
また、底がすれてしまった場合やひごが折れてしまった場合でも部分的にひごを抜き差しし、替えることで、元通り修復することが可能です。お気軽にご相談ください。

修理についてのお問い合わせは
メーカー
山葡萄工房
mail
info@yamabudoukago.jp
tel
0261-29-2775
fax
0261-29-2075