革の表情・性質<用語一覧>
アタリ
頻繁に擦れて現れてくる跡のこと。金具の凹凸、カードや小銭等の内容物、革の重なり等によって革が内側から押され、押されている部分が他の部分より強く頻繁に擦れることで現れます。
色落ち・色移り
染料や顔料を使って染色された革の色が、水濡れや摩擦によって落ちたり、服に移染したりすることを「色落ち」「色移り」といいます。
エイジング(経年変化)
植物鞣し(タンニン鞣し)をされた革に含まれるタンニンは、空気中の酸素に触れたり紫外線に当たることで、酸化して色が変化していきます。また、革製品を使ううちに手の油分が革に吸収されたり、紫外線に当たる事によって、革の繊維に浸透している油分が徐々に革の表面に出てきてコーティングされることで、艶が上がっていきます。これらの変化を総称してエイジング(経年変化)と言います。
銀浮き
革の銀面が浮いた状態になり、凸凹が出来てしまった状態です。水に濡れた時、通気性が損なわれていると革の間に水分が留まってしまい、そのまま乾く事で革の表面が凸凹してしまう場合があります。
銀面(吟面)
鞣した(なめした)革のうち、表皮にあたる部分。厳密には動物の皮の一番外側にある薄い表皮を除去した「真皮」の表面のことで、英語では「Grain(グレイン)」と呼ばれます。銀面は動物の種類、鞣し方、仕上げの方法により様々な表情を見せます。
シボ
皮革製品の表面に、ちりめん状に細かく寄った不規則なシワ模様のことを指し、漢字では「皺(しぼ)」と書きます。
トラ
首の周り、肩、背中、お腹など、シワが寄りやすい部位に入る筋状の縞模様のこと。他と比べて強度面が劣るといった欠点はなく、よほど見栄えの悪いものでない限りは、資源の有効利用の観点からも、製品に「トラ」を取り入れる皮革製造業者は多い。一般的には塗装や型押しなどの表面加工によって消されて市場に出回る事も多いですが、本物志向の革好きの間では「トラ」が好まれる事もしばしばあります。
バラ傷
生きていた時に柵で擦れたり、喧嘩したりして出来た小傷のことを指します。個体によって大きさ・深さ・長さ等は千差万別です。天然の革以外には見られないことから、まさに本物の革の証と言えます。
プルアップ(プルアップ効果)
革を折り曲げたり、引っ張ったり、裏から指を押し当てた際などに、オイルが繊維の中を移動し、表面の色が変わること。
ブルーム
革の内部に染み込ませた牛脂などのオイル分・ロウ分が浮き出たもので、白い粉上になって表面に現れるもの。果物や野菜の果実を保護する、果皮表面の白い粉のように見える蝋状の物質と同様に、皮革製品を保護する役目があります。(革製品においては保管中の乾燥を防ぎ、防湿効果があります)
焼ける(やける)
革の中に含まれるタンニン(シブ成分)や油脂が紫外線によって酸化されて、革の色が濃くなること。使い始めのヌメ革の日光浴などは、この変化を期待して行われます。
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