−−−これまでとは違った内容の本を出されると伺っており、とても楽しみにしておりました!ご発刊、おめでとうございます。本の内容を少しご紹介していただけますか?
ありがとうございます。最新刊「鈴山キナコのアニマルデコレーション 粘土で作る動物マスコット」は、樹脂粘土でかわいいペットたちを作りませんか?という本です。
この本では8種類のアニマルが作れます。かんたんな順から①プードル、②パグ、③うさぎ、④シーズー、⑤フレンチブルドッグ、⑥チワワ、⑦柴犬、⑧ダックスフントです。この順番で作ると、きっとうまくいきますよ。
−−−ビギナーの方々にも、楽しんでいただける内容となっておりますが、その点で、ご苦労されたことなど、ありますか?
この本には、とじこみ付録もついています。クリアファイルをかぶせて使う「粘土の型紙」です。アニマルのボディ、しっぽなどのパーツが原寸大で載っています。その上に指定量の粘土を置いて形を作れば、安心です。
ワンちゃんのかんたんレシピ化は、けっこう大変で、楽しい苦労をしました。自分が作るだけじゃなく、ビギナーの方でも作れるように設計するのが私の仕事なので・・・でも、あんまり単純化しすぎると作品がつまらなくなる。スイーツのときは潔くやれた作業が、かなり難航しましたね。
たとえばドーナツは、どんなに省略してもドーナツに見えてくれます。クマさんや、ネコやうさぎもそんなところはありますが、犬はそうはいかない。やっていて、「あ〜、粘土の犬の本が今までなかったのは、こういうことだったのか」って、ヒザを打ちました。
構造をつかむため、トリマーの資格の勉強にまで手を出しましたよ。デッサンをやりすぎて、電車に乗っていても、テレビを観ても、人の顔がみんな何かの犬種に見えてきて(笑)
でも、その甲斐あって「ちょっと、作ってみようかしら」って、意欲をわかせる本ができたんじゃないかと思います。
あんまりむずかしく考えないで、TRYしていただきたいです。少しくらいヘニャっても、きっとかわいい子が完成しますので、手のひらサイズのかわいい相棒が、ちょこんと机の上にいるだけで、気持ちが不思議となごんできます。動物のハッピーオーラに、ぜひとも癒されてみてください。
−−−同時発売のステンレスモデラを使うと、ワンちゃんの毛並みや口や舌を、まるで魔法のように表現できるのには、感激します。共同開発と伺っていますが、こだわりや工夫されたところなど、おすすめポイントは?
最初は、現行品をトンカチで叩いたりヤスリで削ったりして、自分が使いやすく改造したものをアニマルの製作に使っていたんです。そうしたら、それを見た日清アソシエイツの方が、「これを販売しましょう」と言ってくださって。それから試作品に何度も何度もダメ出しを繰り返し、ようやく完成したんです。
こだわりポイントは、刺さりの良さですかね。ヘラが薄く、先細なので、乾きはじめた粘土にも刺さりやすく、スムーズに口の形を切り抜ける。けれど、まちがって指を傷つけたりしない安全性を保っています。ほかにも、アニマルのつま先を割ったり、マフラーのフリンジを切ったり、舌を作って口にセッティングしたりと、万能です。反対側の尖った方は、つまようじより太く、細工棒より細いサイズにしていますので、両者にできない仕事がこなせます。こちらも、手を傷つける心配のないトンガリ具合になってます。私の読者は子供が多いので、道具や素材の安全性はいつも最優先で考えています。
ステンレスモデラはアニマルデコ専用ツールとして、発売されてからよく売れ、なんと3日で在庫が欠品になったそうです。アニマルに限らず、スイーツ製作や他のことにも「つかえる子」なので、使い勝手のよさを、ぜひ試していただきたいです。
−−−今回は、同じ粘土を使うのではなく、さし目を使われていますが、何か理由はありますか?
さし目は、作品を「完成の顔」に持っていってくれる心強いツールです。フェルト手芸や編みぐるみなどでも、おなじみの素材ですが、粘土の世界でも、よく使われています。
作者が思う「かわいい顔の黄金比」を、さし目のサイズを指定することで、読者の方にわかりやすく伝えることができます。この本では、丸の5ミリと6ミリ、ダエンの4.5ミリと6.5ミリの4種に統一して、目や鼻を表現しています。
実際に、うちの親戚の4才くらいの子が、見よう見まねで私のプードルを作って、なんだかヘニャヘニャなものが出来上がったんですが、さいごにさし目を入れたとたん、「ピカーン!」と、完成の顔になったんですよね。親戚の子も、かなりモチベーション上がったみたいで、本格的に作りはじめました。さし目、ブラボー!と思いました。
−−−マスコットたちの可愛らしいこと!キナコ先生は、いろいろな動物と暮らしてこられたようですが、今はどんな動物と暮らしているんですか?
今は、チワワとペキニーズのミックス犬・1歳半の「らきた」君と暮らしています。ヤンチャで気が強い子ですが、カメラを向けるとカメラ目線で「キメ顔」してくれるんですよ♪
今までは11歳のうさぎ、15歳のコザクラインコ、18歳の猫、ハムスター、いろんな動物が家族の一員で、相棒でした。もともと、実家が小鳥屋だったので、子供の頃から鳥に囲まれ、夕食を囲むコタツの中にニワトリがもぐりこんでいたりしました。
−−−今後の予定を教えてください。
アニデコ本は第二弾が決定していますので、製作に入ります。それから、これはいろんな人に聞かれるのですが「猫は作らないのか」と。猫はそれだけで一冊にしたいと考えていますので、いいお話が来ないかなとひそかに願っています。
スイーツデコ本の方も、変わらず、コンスタントに刊行してゆけたらいいなと思います。
みなさん、応援よろしくお願いいたします。
−−−第二弾も楽しみにしております!
本日はお忙しい中、沢山お話しを聞かせていただきまして、ありがとうございました!
フリーリで作るレシピ集 「フルーツデコリーナ(マガジンランド)」発売しました!
−−−今回の本のテーマは?
テーマは「元気」!
植物栄養素をファイトケミカルといいますが、甘いスイーツが、ハートを癒してくれるものだとしたら、生命力のかたまりのようなみずみずしいフルーツは、きっと私たちに元気をあたえてくれるもの。
くだものから、元気のギフトを受け取ろう。そんな感じで、おいしそうなフルーツをふんだんに使ったスイーツを、フリーリで作ってみました。
−−−どんな作品が載っていますか?
フルーツを使った人気のスイーツデコはもちろん、パイナップルやメロン、スイカなどをくり抜いて器にするフルーツならではのレシピも紹介しています。
−−−2011年6月24日(金)〜25日(土)に名古屋市吹上ホールで開催された「第23回 ハンドクラフトフェア」では、藤久株式会社のブース内で行われたスイーツデコ講師としてお越しくださいましてありがとうございました。
お会いするたびにバージョンアップする鈴山先生の帽子がお客様の注目の的となり、イベントも大盛況のうちに終了。ご参加くださった方々からの評判も上々でした。
パワフルでありながらとてもチャーミングなキナコ先生に一同魅了…。素敵なお話が伺えました♪
−−−著書、ホイップクリームしぼりワザ読本「ホイップデコリーナPart2」が、書店で手に入らなくなっているというのは、本当ですか?
かわいらしいちっちゃいサイズの本で、ご好評をいただいております。読者さまからお問い合わせも多いので、ブログでシュゲールのサイトをご紹介しています。
−−−シュゲールでも本「ホイップデコリーナPart2」や、同本にも掲載の、和菓子にも使える抹茶色・カスタード色も新しく仲間入りした「やわらかいシリコーン材」など、良く売れています。
新発売の「フルーツデコリーナ」は、「ホイップデコリーナPart2」より小さいサイズのかわいらしい本。また人気を集めそうですね!
−−−今回ご使用いただいた、藤久(株)オリジナル樹脂粘土「フリーリ」は、いかがでしたか?
べとつかず使いやすい粘土で、作品の出来もきれいです。パッケージも可愛いですし、とてもいい粘土ですね。
フリーリに絵の具を練りこんで色付けをすることで、フルーツのリアルな表現が楽しめます!
−−−初心者の方から、上級者の方までご満足いただけるような仕上がりになっております。多くの方々に使っていただきたいです。
−−−テレビ出演やイベントなどでも、ご多忙のことと思いますが、今後のご予定は?
テレビ収録や講習会などの予定は増えていますが、今後は、もう少しゆっくりと作品を作ったり、勉強の時間などもとっていきたいと思っています。
−−−今後の作品の方向性は?
最近のスイーツ作品は、完成度の高いものが増えてきており、だんだんと個性もなくなりつつあるような気がします。手づくりの良さを大切にした、あたたかみのある作品を、ひとつひとつ大切に作っていきたいですね。ファンは小学生のお子さまも多いので、そんな手づくりの心を伝えていきたいです。
−−−お人柄を知り、本の発売がますます待ち遠しく楽しみになりました。素敵な本ができますことを、お祈りいたします。本日は、ありがとうございました。
キナコ先生が3回目のインタビューにお答えくださいました♪