UCC 上島珈琲店 ミルク珈琲 開発者インタビュー

こんにちは、いわゆるソフトドリンクのお店、塚本です。 今回の開発者インタビューは、UCC上島珈琲さんから発売されている、「上島珈琲店 ミルク珈琲」です。 UCCのミルクコーヒーといえば缶コーヒーがいままでお馴染みでしたが、こだわりのネルドリップを楽しめるコーヒーチェーン「上島珈琲店」のミルク珈琲ということで、その気になる違いはなんなのでしょう? 開発者の松野さんにお話を伺います! 松野さん・湯浅さん
(写真左)開発者・松野さん、(写真右)現担当・湯浅さん
塚本
本日はよろしくお願いします。
松野
よろしくお願いします。
塚本
まずは上島珈琲店についてお聞きしたいんですが、UCCさんは数々のコーヒー専門店やカフェをなさってらっしゃいますね。なかでも上島珈琲店の初めての出店はいつごろでしょうか?
松野
2003年に1号店を出店いたしました。現在、海外含め109軒展開しております。
塚本
おお、店舗数も驚きですが海外にも出店されてたんですね! それにしても、上島珈琲店は今や数多く存在するコーヒーフランチャイズの中でもひときわ本格派で、昔ながらの美味しいコーヒーが飲める喫茶店という雰囲気が一番伝わってくるチェーンですね。
上島珈琲店
塚本
上島珈琲店の店舗事業は2003年からですが、やはりUCCさんと言えば昔から馴染み深いトリコロールカラーの「UCC ミルクコーヒー」ですよね。ざっくりですが、この「上島珈琲店 ミルク珈琲」との違いはなんでしょう?
松野
それぞれの製品が有する役割や消費者が求めているものの違いからくる製品価値、ブランドの持つ世界観が全く異なる製品と考えております。
塚本
世界で初めての缶コーヒーから半世紀余り、現代の珈琲好きな方に提案する商品ということですね。

味の秘密は『黒糖』と『クリームチーズ』!?

塚本
上島珈琲店のミルク珈琲を再現される際に苦労されたところはありますか?
松野
ペットボトルでの製品展開に際し、ミルク感を強化し、店舗の味わいを極力再現した味覚作りが難しかったです。
塚本
確かに、飲んでみるとしっかりとミルクの味が感じられますね。ミルクはどれくらいの割合になっているのでしょうか?
松野
ミルク自体は全体の30%未満の割合となっています。但し、いろいろな原料を駆使して、30%以上のミルク感を味わえる味覚を実現しております。
塚本
ミルク感が強いのでもっとミルクが入っているのかと思っていましたが、このミルク感はミルクそのものだけの味わいじゃないんですね。 原材料を見ると、黒糖とクリームチーズというコーヒーではなかなか見られない素材を使っておられますね。この二つを使うとどのような味わいになるのでしょう?
松野
どちらも基本的に「深みのある重厚な味わい」を実現する素材として活用いたしております。それぞれ甘さとミルク感の従来にはない味わいを醸し出します。
塚本
黒糖とクリームチーズ、これがコクのあるミルク珈琲に欠かせない味わいになるんですね。使用しているコーヒー豆自体は、どんな特徴があるのでしょうか?
松野
使用原料のコーヒー豆については、基本的なブレンドのベースとしてモカを使用しております。ミルクとの相性を考慮したブレンドと焙煎度合を選定し、濃厚な味覚でも負けないコーヒー感が愉しめるものを採用しております。
ブレンドと焙煎度合を選定
塚本
コーヒー感とミルク感、そのバランスがとれててこそのミルク珈琲ですもんね。このミルク珈琲を作るにあたって、試作品はどれくらい作られましたか?
松野
消費者調査をもとにある程度の方向性が絞れておりましたので、それほどたくさんの試作はしておりません。ミルク感を強化するために無茶をしたため、品質検証でOKが出るまでの試作を約20ほど実施しておりました。
塚本
ペットボトルでのミルク感の再現ってやっぱり難しいんですね……。では、開発中の失敗談や裏話などあったら教えてください。
松野
本音を言いますと看板メニュー「黒糖ミルク珈琲」を消費者にお届けしたく開発を進めておりました。味覚の実現が非常に難しく、現在でも店舗の味覚に相当するものがご用意できておりません。この試作は実は150を超えており、その開発過程の中で「ミルク珈琲」に「黒糖」を多少入れると美味しくなることを発見いたしました。
塚本
元々は「黒糖ミルク珈琲」を目指してたんですね。上島珈琲店の方からアドバイスなどはありましたか?
松野
店舗のメニュー開発者と連動して味覚作りをしておりましたので、かなり密にアドバイスをいただいておりました。
塚本
それでもなかなか「黒糖ミルク珈琲」の再現は難しいんですね。松野さんの納得できる「黒糖ミルク珈琲」も商品化されるのを楽しみに待っています。では、この商品開発でもっともこだわった事・大変だった事はなんですか?
松野
店舗の味わいを如何にペットボトルで再現するかです。特に「上島珈琲店」を知っている方が、その製品と思って飲んだ際に「裏切られた」と思われないよう細心の注意を払いました。味覚再現をしようとすればするほど、品質安定性が担保できなくなるため、何度かのテスト検証を踏まえて、発売に間に合わせることが大変でした。
ミルクコーヒー黄金比
上島珈琲店の店舗でのミルク珈琲の黄金比は、ミルク8割:コーヒー2割だそう。 そのミルク珈琲の味をペットボトルで近づけるには相当な苦労があったそうです。

珈琲店のコーヒーを、いつでも、どこでも!

塚本
1969年に世界で初めて缶コーヒーの開発に成功してから半世紀近く。「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」という創業精神のもと近年発売されたこのペットボトルのミルク珈琲は、どんな点を意識して作られたのでしょう?
松野
近年、コーヒーとの接触機会というのはどんどん広がってきていると考えております。その中で、自分に合ったこだわりのコーヒーを求める潮流も起こっていると感じております。「いつでも、どこでも」こだわりの美味しいコーヒーをお手元に届けるために、人気のカフェ「上島珈琲店」を活用し、その良さを愉しんでいただけることを意識いたしました。人気のカフェ「上島珈琲店」の味わいや世界観を手軽に愉しんでいただきたいと考え、今までにない上質なミルク珈琲をオフィスの傍らでゆっくり味わってお飲みいただきたく開発いたしました。
塚本
ちなみに、松野さんはこちらの商品を、どんなシーンで飲んでらっしゃいますか?
松野
「いつでも、どこでも」です。
松野さん
塚本
ありがとうございます(笑)。では最後にお客様に一言お願いします!
松野
UCCというコーヒーの専業メーカーが「上島珈琲店」というこだわりの世界観・味わいを実現した逸品です。ぜひ一度「上島珈琲店」を体感してください。
塚本
まだ飲んでない方は「いつでも、どこでも」本格的な上島珈琲店の味が楽しめるミルク珈琲を是非試してみてくださいね!松野さん、インタビューありがとうございました!
今回インタビューに答えてくださった方
松野 宏昭
UCC上島珈琲株式会社 マーケティング本部 ブランド開発部 ブランドマネージャー
UCC 上島珈琲店 ミルク珈琲
開発者インタビュー一覧へ いわゆるソフトドリンクのお店 TOPページへ
※このインタビュー記事は2016年12月のものです。リンク先の商品ページは内容等がリニューアル・改廃している場合がございます。