竹垣、袖垣の種類

竹垣、袖垣の種類では、さまざまな形状や目的を持つ袖垣の種類をご紹介します。

竹垣の分類

竹垣の形状は非常に種々様々あり、ひとえに分類することは難しいです。材料や地域、作り手によって竹垣の名称や区別は異なってくるものの、ここではひとつの参考として竹垣を分類します。

1. 見通しによる分類

■遮蔽垣…向かいが透けて見えないように、目隠しとしての役割をもつ垣(建仁寺垣、銀閣寺垣、大津垣、清水垣、桂垣、等)
■透かし垣…向かいが透けてみえる垣 (四つ目垣、金閣寺垣、龍安寺垣、矢来垣、光悦寺垣、等)

2. 使用用途による分類

■囲垣…敷地内の周辺を堀がわりに囲う垣。その多くが遮蔽垣にあたります。
■仕切垣…庭中の仕切りを目的にした垣で、境垣とも呼ぶ。遮蔽垣、透かし垣がともに分類される。

囲垣,仕切垣

3. 垣の高低による分類

■一般的(1メートル以上)な高さのある垣(建仁寺垣、大津垣、トクサ垣、桂垣、御簾垣、鉄砲垣、四つ目垣、等)
■特別に低い垣。一名足下垣とも呼びます。(金閣寺垣、龍安寺垣、ナナコ垣、等)
※矢来垣は両方の例があります。

4. 建築物との関わりによる分類

■建物と距離をおいてつくる垣。
■建物のそばに付属してつくる垣。袖垣が代表的。

建物から距離を置いた垣,建物に付属した垣

5. 立子組子の材料による分類

■竹の幹を利用する垣(建仁寺垣、四つ目垣、金閣寺垣、龍安寺垣、光悦寺垣、大津垣、鉄砲垣、等)
■竹穂や竹枝を利用する垣(桂垣、大徳寺垣、竹穂垣、蓑垣、等)
■樹木の枝を利用する垣(柴垣、萩垣、鶯垣、クロモジ垣、等)
※他に樹木の皮を使用する檜皮垣や、様々な素材を混合した南禅寺垣などもあります。

6. 立子組子の用い方による分類

■垂直の立子とする垣
 (1)一列使い(建仁寺垣、トクサ垣、清水垣、篠垣、南禅寺垣、鶯垣、等)
 (2)交互使い、または一名鉄砲使い(四つ目垣、鉄砲垣、等)

垂直の立子,一列使いと交互使い

■横の組子とする垣(御簾垣、桂垣、等)
■斜め組子とする垣(光悦寺垣、龍安寺垣、矢来垣、高麗垣、等)

横の格子,斜め格子

■編む垣、または一名組み垣(大津垣、沼津垣、網代垣、等)
■重ねる垣(竹穂垣、蓑垣、鎧垣、時雨垣、等)

重ねる垣

7. 名称による分類

■材料名による垣(竹穂垣、クロモジ垣、清水垣、柴垣、檜皮垣、等)
■地名や寺院名による垣
 (建仁寺垣、大徳寺垣、龍安寺垣、光悦寺垣、金閣寺垣、南禅寺垣、大津垣、沼津垣、銀閣寺垣、桂垣、等)
■形状による垣(四つ目垣、蓑垣、鶯かき、鉄砲垣、松明垣、茶筅垣、御簾垣、鎧垣、トクサ垣、等)

片袖垣枝屋根付,玉袖垣

袖垣

袖垣(そでがき)は、建物の角や玄関まわり、庭内などの仕切りとする垣。玉袖垣と角袖垣、片袖垣枝屋根付があり、使う材料や使い方、製造方法は様々あります。

虎竹玉袖垣

玉袖垣

玉袖垣(たまそでがき)は、袖垣の片方が丸みを帯びていて袖垣の中では一番人気があり、目隠しとしても庭の装飾としても使いやすい袖垣。芯に使う孟宗竹に切れ目を入れて曲げておき、細く割った虎竹や白竹を巻き付け仕上げていきます。曲がりがある分竹も細く割る必要があり、巻き付ける細工も高度な技が必要な袖垣です。

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虎竹角袖垣

角袖垣

角袖垣(つのそでがき)は、両方の柱が真っ直ぐな袖垣。こちらも定番の形で袖垣の中では玉袖垣と並んで良く見かけられます。真っ直ぐな芯の孟宗竹を巻いて加工していく時に割り竹を少しづつ、ずらす事により竹節で斜め模様やイナズマ模様を作ったりします。

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虎竹片袖垣枝屋根付

片袖垣枝屋根付

片袖垣枝屋根付(かたそでがきえだやねつき)は、片袖垣に竹穂を使った枝屋根をのせて、より高級感をだした袖垣。枝屋根は取り外し式になっていてお届けの際には外していますが簡単に取り付けできます。枝屋根が付く事により凝った感じの風合いになります。

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建仁寺垣

建仁寺垣

建仁寺垣(けんにんじがき)は、遮蔽垣の中でも最も代表的な垣で、名の通り京都の建仁寺に製造されたことが由来になっています。建仁寺垣の中にも真・行・草の区別があり、真の建仁寺垣は高さ約1.8メートル程が一般的。立子には四つ割を、押縁には二つ割りにした太い竹(真竹や孟宗竹など)を利用し、上部には割り竹で玉縁を設えることが多いです。行の建仁寺垣は、真とは異なり玉縁がなく立子の上端を直線的にに切り揃えています。雨避として、板屋根や衾瓦などを作り付けることも珍しくありません。反対に立子の上端を不規則な長さにし、野趣にあふれた雰囲気を持たせた垣が草の建仁寺垣です。

加えて真・行・草以外にも建仁寺垣の形状は、竹垣職人によって様々な差異をもちます。たとえば立子を染め縄でかきつけるものと釘止めにしたものや、構造が一重(片面)のものと袷せ(両面)など。棕櫚縄の結びと押縁で建仁寺垣の表情も大きく変化し、太目の押縁で仕上げることで竹垣が豪華絢爛になります。

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銀閣寺垣

銀閣寺垣

銀閣寺垣(ぎんかくじがき)は、建仁寺垣の手法を簡約化した方法で仕上げた、背の低い垣。建仁寺垣の高さ1.8メートルを基準に、それよりも低い1メートル前後のものが一般的に銀閣寺垣と呼ばれています。名は銀閣寺につくられたことが由来とも言われていますが、明確にはなっていません。太い割竹を立子に用い、樹木の遮藪垣として石垣の上などに設けられます。

銀閣寺の建仁寺垣

銀閣寺垣

東山慈照寺とは言わずと知れた世界文化遺産にも登録されている銀閣寺。渋い色合いになった「銀閣寺垣」が総門から中門への参道に続いています。東山慈照寺には有名な銀閣、向月台、銀沙灘、東求堂などがありますが、それらを全て見渡し遠く京都の街並まで望める展望所に向かう道中には「建仁寺垣」も備えられています。

光悦寺垣

光悦寺垣

光悦寺垣(こうえつじがき)は反弓形になだらかな曲線を描く、とても優雅な仕切り垣です。寛永の三筆の一人である本阿弥光悦の創作であることが名前の由来と言われていますが定かにはされていません。割竹の組子を菱形状に組み合わせ交差部分を染め縄で水平に結び、玉縁は細く割った太竹に竹穂で束ねてつくります。非常に厳格で、透かし垣の中でも特に彩を放つ外観から臥牛垣、宗左垣とも称されているのです。

  • 龍安寺垣
  • 龍安寺垣

    龍安寺垣(りょうあんじがき)は、背の低い透かし垣で、足下垣として代表的な垣です。外観が金閣寺垣、光悦寺垣、矢来垣の要素もあわせもっており、仕切りを目的に設けられることも多くあります。二重に重ねた割竹を組子にし、ななめに組むことでできる菱形模様が特徴的。垣の高さは多くが40センチから1メートル前後です。

竹穂垣

竹穂垣

竹穂垣(たけほがき)は、孟宗竹、黒竹、淡竹などの竹枝を束ねて仕上げる竹垣の総称をさします。桂垣、蓑垣、松明垣、大徳寺垣が代表的な竹穂垣です。主に袖垣や遮蔽垣として用いられますが、庭中の仕切り垣として活躍することも少なくありません。竹節やさばきを揃えることで、細い竹穂ならではの洗練された統一美が生まれます。

御簾垣

御簾垣

御簾垣(みすがき)は、簾をたらしているように見えることからその名がつきました。別名、すだれ垣とも呼ばれます。白竹、黒竹、唐竹、割竹など様々な材料が用いられますが、どの竹も組子にする場合、隙間ができないように長さの揃った竹を使うことが御簾垣を美しく見せるめの必要条件です。

  • 四ツ目垣
  • 四ツ目垣

    四ツ目垣(よつめがき)は、竹垣の基礎となる仕切り垣、及び透かし垣。竹を水平に渡す4段の胴縁と、立子が垂直に交わり、上下の模様が四つ目に見えることが名称の由来です。基本的に立子は節止めにし、男結び(いぼ結び)とからげ結び(かがり結び)で仕上げます。からげ結びをほどこすことで、立子と胴縁の安定性が増すのです。茶庭に四ツ目垣は欠かすことができないとも言われ、中門の周囲や通路の仕切りとして置かれているものを見かけることが多いです。

一文字垣

一文字垣(いちもんじがき)は、まっすぐに一文字を描く笠木が特徴的な垣。立ちがくれ垣の小屋根を笠木にさしかえた構造になっています。

萩垣

萩垣(はぎがき)は、萩の枝を立子に利用した柴垣のひとつ。萩独特の柔らかな風合いと素朴さが特徴的な垣で、特に茶室や数寄屋建築に設けられることが多くあります。

鉄砲垣

鉄砲垣(てっぽうがき)は、節止めにした太竹の組子を、胴縁の両面にかきつけた垣。胴縁に組子をかきつけることを「鉄砲づけ」と呼び、その昔、戦場で陣内に多くの鉄砲をたて並べた様子に似ていることから鉄砲垣の名がつきました。組子には太竹だけでなく、萩、クロモジ、篠竹を束ねて巻いた垣もあります。そのため組子や立子の形状や素材により、松明垣や茶筅垣とも分類されるのです。竹同士をつなぐ棕櫚縄の結び方が作り手によって異なるため、棕櫚の結び目が鉄砲垣のひとつの特徴にもなります。

松明垣

松明垣(たいまつがき)は、松明形にした竹穂、クロモジ、萩を束ね立子として胴縁と組んだ垣。鉄砲垣とは異なり胴縁の片側にだけ立子をあわせたものを一般的に松明垣としていますが、形状や素材が多種多様のため決まった定義は特に決定されていません。

茶筅垣

茶筅垣(ちゃせんがき)は、鉄砲垣、及び松明垣と同類の垣です。外見がより茶筅に近いことから茶筅垣の名で呼ばれるようにりました。

網代垣

網代垣(あじろがき)は、細竹、葦、薄板などの材料を編んでつくる編垣のひとつで、沼津垣とも呼びます。編み込む作りのため耐久性にも優れており、機能性と外観美を併せ持った垣です。

大津垣

大津垣(おおつがき)は、胴縁と立子を編んでつくる網代垣の一種。押縁がない一重の構造のため軽量で、持ち運びが容易です。特定の高さは決まっていないものの、構造は建仁寺垣に通ずる点があるため、主に遮蔽垣として利用されます。大津垣と胴縁が同様で、これに押縁を設えた阿弥陀垣などの竹垣もあります。