革の個性や特性、それぞれの特徴についてご紹介します。
皮から革へ
本革は食用として用いられた動物の皮から作られる副産物で、その歴史は紀元前にも遡ります。食用として用いられた動物の皮を、その長い歴史の中で培われた技術のもと、タンニンやクロムといった原料にて鞣す(なめす)ことで腐ることのない、素材としての「革」が誕生します。
革の様々な表情
革製品はその「個性」を大切にしながら、商品になった状態を考えて曲がり具合、強度を考慮し裁断・加工をしております。その中で、下記のような革本来の特徴が残るものもございます。
※これらの表情の有無・大小は素材や加工方法によって異なります。
![]() バラキズ |
![]() 虫食い痕 |
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![]() トラ |
![]() 血筋 |
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![]() 黒点 |
![]() ミシン跡 |
染色について
革の染色は、「顔料仕上げ」と「染料仕上げ」に分かれます。「顔料仕上げ」は、表面を塗膜で覆うようなイメージで、色ぶれが少なく、均一感のある色に仕上がります。水にも比較的強いです。
「染料仕上げ」は、繊維自体に色を染み込ませていくので、革の表情はそのままに、色をつけることができます。上で記載しました革の特徴は、この染料仕上げの革の場合に出やすくなります。ロットごとの色の差や、一つの製品の中でマーブル状の色ムラが見られたりもします。
染料で染め、顔料で微調整するセミアニリン仕上げと呼ばれるものもございます。
![]() 顔料染め |
![]() 染料染め |
エイジング(経年変化)について
染料で染めたもの、なおかつ素材の鞣しに植物タンニンを使用したものは日焼けや手の脂分を吸収しながら使用とともに色や艶を変化させていきます。下記では当店で一番多く取り扱う「姫路ピットタンニンレザー」の色艶の変化となります。
素材によって変化の有無やスピードは異なります。

お手入れについて
当店では主に手のサイズ内に収まる小物が多く、これらは日常的に使用している中で手の脂分を吸収し、色艶を維持できるものが多くございます。そうしたアイテムはあまり細かなメンテナンスは必要とは致しません。
不定期に扱うものや、カサつきが気になるような場合は定期的なメンテナンスをお勧めします。下記に革のメンテナンスやシーンごとのお手入れ方法を起債しておりますのでご参照ください。
▶革のお手入れについてはこちら
当店でお取り扱いする革
姫路ピットタンニンレザー
TAVARATで一番最初に使い始めたのがこの革で、この色艶、変化を気に入って使ってくださるお客様もたくさんいらっしゃいます。
革の大産地・姫路にてピットと呼ばれるプール槽で約1ヶ月という長い時間をかけて植物タンニンを浸透させ、ハリとコシのある丈夫な革へ。さらに染料にて芯まで色を染めた、ナチュラルで綺麗な艶が特徴的。革を作るのは創業100年を超える姫路の老舗タンナー 株式会社山陽です。
▶この革を使用した製品こちら
オイルコードバン(新喜皮革社製)
馬のお尻の表面を削ったところにある「コードバン層」を職人が手作業で発掘し作られることから皮革のダイヤモンドとも呼ばれるキング・オブ・レザー。
1頭から取れる量は少なく、その希少性はもちろんのこと、独特の光沢・ハリ・質感が根強いファンを持ちます。オイルをしっかりと染み込ませて染料で仕上げたオイルコードバンは透明感と独特なムラがあり、「美しい」と表現頂くことの多い皮革となります。
▶この革を使用した製品はこちら
エレファントレザー
エキゾチックレザーの中でも特に希少価値が高いとされる象革。その昔、ヨーロッパでは王侯貴族のシンボルとして、珍重されてきました。
独特なシボや凹凸が際立ち、細かく粗立った面と、それを横断していく荒々しい溝は、切り立った岩肌や海の底の山々のような、厳しい自然の風景を連想させます。
※シボ感や凹凸など、表情の個性が個々に大きく異なる革でもあります。
▶この革を使用した製品はこちら